数学II / 図形と方程式

図形と方程式 ★★ 標準の問題 全12問

定期テストレベル。典型パターンの運用

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 平行四辺形の頂点
  2. 平行・垂直な直線(2)
  3. 三角形の面積
  4. 直線に関する対称点
  5. 3直線が1点で交わる条件
  6. 3点を通る円
  7. 円と直線が接する条件
  8. 接線の長さ
  9. 弦の中点と長さ
  10. 2つの円の位置関係
  11. 2円の交点を通る直線
  12. 直線が通る定点

問1平行四辺形の頂点

★★ 標準内分点中点

問題

平行四辺形 の3頂点が 、、 である。頂点 の座標を求めよ。

ヒントを見る

平行四辺形の 本の対角線が交わる点には、よく知られた性質がある。それを座標の条件で表すと が逆算できる。頂点の並び順()にも注意。

解答・解説

方針

平行四辺形は、2本の対角線がおたがいを2等分する。だから対角線 の中点と の中点が一致する。これを使って を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 平行四辺形の座標の問題で頼れる性質は、「2本の対角線がおたがいを2等分する」だ。

の対角線は と (向かい合う頂点どうし)。この2本の中点が一致する。 の中点は具体的に計算できるから、それが の中点でもある、という等式から が逆算できる。

重要平行四辺形 → 2本の対角線の中点が一致する

の対角線は と 。まず の中点を出す。

これが の中点でもある。 とおくと

それぞれ解いて 、。よって 。

xyOABCD
対角線 AC と BD の中点が一致する

発展。 「3頂点から残り1頂点」の答えは、実は3通りある(どの2点を対角線の相手にするかで変わる)。今回は という順序の指定が、その1つを選ばせている。指定がない出題では3つすべて答える型になる。

中点一致・矢印のつぎ足し、どちらの方法も数学Cでは位置ベクトルの等式 という1本の式に統合される。

答

別解

「同じ矢印をつぎ足す」平行移動の見方だと、足し算1回で終わる。平行四辺形 では、辺 と辺 が平行で長さも等しい。つまり から への移動(右へ 、上へ )と、 から への移動は同じ矢印だ。

中点の等式ルートと同じ答えになる。この「点の差=移動の矢印」という見方は、数学Cのベクトルの先取りそのものだ。頂点の順序( の並び)から、どの辺とどの辺が対応するかを図で確かめてから矢印を作るのがこつである。

ポイント

  • 平行四辺形は対角線の中点が一致。頂点の順番 に注意(対角線は と )。

よくある間違い

  • 対角線を と と取り違える(対角線は向かい合う頂点どうしの と )
  • 矢印ルートで と向きを逆にする
  • 頂点の並び順( が一周する順)を確認せず、別の平行四辺形を作ってしまう

問2平行・垂直な直線(2)

★★ 標準平行と垂直

問題

3点 、、 について、次の直線の方程式を求めよ。

(1) 点 を通り、直線 に平行な直線

(2) 点 を通り、直線 に垂直な直線

ヒントを見る

まず の傾きを計算する。平行・垂直それぞれで新しい直線の傾きがどう決まるかを思い出せば、あとは を通る直線を書くだけ。

解答・解説

方針

まず の傾きを求める。平行なら同じ傾き、垂直なら傾きの積が 。どちらも点 を通る式にする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 平行・垂直は、傾きの言葉に直して処理する。

まず基準になる直線 の傾きを計算する。。平行なら同じ傾き 。垂直なら積が になる傾き、つまり 。あとは、どちらも点 を通る直線の式に仕立てるだけだ。

公式平行 傾きが等しい、垂直 傾きの積が

の傾きは

(1) 平行は傾きも 。点 を通るので

(2) 垂直は傾きの積が 。 より 。点 を通るので

xyOABC
BC(黒)に平行な直線(青)と垂直な直線(赤)、ともに A を通る

発展。 別解の「 の係数の操作」は、係数の組 が直線の向きを支配しているという事実の現れだ。数学Cでこの組は法線ベクトル(直線に垂直な矢印)と呼ばれ、平行・垂直の判定が内積の言葉で統一される。

傾きの方法は 軸に平行な直線(傾きが定義できない)で破綻するが、 の形はその場合も扱える。2つの記法の守備範囲の違いも頭の隅に置いておきたい。

答

(1) (2)

別解

「形を保って定数だけ替える」という直線族の見方も、そろえておくと速い。直線 の式を先に作ると 、移項して 。これに平行な直線は、左辺の形をそっくり保ったまま右辺の定数だけが違う仲間、 である。 を代入して 。つまり ()。

垂直な直線は と の係数を入れかえて片方の符号を変えた の形になる。 を代入して 、つまり 。「平行=定数替え、垂直=係数の入れかえと符号反転」。傾きを分数で扱う場面( に垂直、など)ほど、この形の操作は分数計算を避けられて強い。

ポイント

  • 先に基準の直線()の傾きを求める。
  • 平行=同じ傾き、垂直=傾きの積 。

よくある間違い

  • 垂直条件を「傾きが逆数」とだけ覚えて符号を忘れる(積が )
  • の傾きの分子・分母を逆にする
  • 点 を通る条件の代入を忘れ、傾きだけ合った別の直線を答える

問3三角形の面積

★★ 標準点と直線の距離面積

問題

3点 、、 を頂点とする三角形 の面積を求めよ。

ヒントを見る

『底辺 × 高さ ÷ 2』に持ち込む。底辺は 点間の距離で出せるが、高さをどう測るか。頂点から直線までの距離とみなせないか。

解答・解説

方針

底辺を とみて、その直線の方程式を出す。高さは点 から直線 までの距離。面積は 高さ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 座標平面の三角形の面積は、「底辺×高さ÷2」を座標の道具で組み立てる。

底辺は2点間の距離(たとえば )。高さは残りの頂点 から直線 までの距離だ。直線の式 → 点と直線の距離、と今まで習った道具が数珠つなぎで働く。この単元の総合演習のような1問である。

公式三角形の面積 。高さ=点と直線の距離

底辺 の直線を求める。傾きは 。 を通るので 、整理して

高さは から直線 までの距離。

底辺の長さは

面積は

xyOABC
底辺 BC と、A から BC への高さ(垂線)

発展。 は、底辺・高さ方式を文字で一般化すると導ける(距離の根号が約分で消える)。2つの方法は同じ計算を別の形で書いたものだ。

頂点がすべて格子点の多角形なら、面積は「内部の格子点数+周上の格子点数の半分−1」で数えられるというピックの定理も知られている。座標幾何と数え上げが出会う、楽しい寄り道である。

答

別解

1つの頂点を原点へ平行移動すると、面積が「たすき掛け」1回で出る。 が原点に来るように全体をずらす。、。平行移動しても面積は変わらない。原点と2点 、 の三角形の面積は

という公式ですぐに出る。代入して

底辺・高さの計算(距離の根号)が一切出てこないのが強みで、頂点が格子点の三角形では最速ルートになる。公式の中身 は数学Cで学ぶ外積(の2次元版)である。

ポイント

  • 面積=½×底辺×高さ。高さは頂点から対辺への距離。
  • が底辺と高さで打ち消し合い、きれいな値になる。

よくある間違い

  • 点と直線の距離の公式で、分子の絶対値を忘れる
  • たすき掛け公式で移動前の座標をそのまま使う(1頂点を原点へずらしてから)
  • の組み合わせを取り違える( と のたすきの向き)

問4直線に関する対称点

★★ 標準対称点

問題

直線 に関して、原点 と対称な点 の座標を求めよ。

ヒントを見る

対称の定義に戻ろう。 と の関係を『中点がどこにあるか』と『結んだ線が軸とどう交わるか』の つの条件で式にすると、未知数 つ・条件 つでちょうど解ける。

解答・解説

方針

対称点には2つの条件がある。「 の中点が直線上にある」ことと、「直線 が対称の軸に垂直」なこと。この2式で を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「直線に関して対称」を、式の条件で表す。条件は2つある。

① の中点が対称の軸(直線)の上にある。②直線 が軸と垂直である。 とおいて、この2条件を連立すれば が決まる。折り紙で折ったときの「折り目に対する重なり」を、中点と垂直の2つの条件で書いたものだ。

重要対称点 :① の中点が軸(直線)上 ②直線 が軸に垂直

とおく。

条件① 中点が軸上。 の中点 が 上にあるので

条件② 垂直。軸の傾きは 。直線 の傾き との積が 。

2式から 。よって 。

xyO中点P(4,4)
軸 x+y=4 に関して O と対称な点 P(4,4)

発展。 対称点の技の代表的な使い道が「川で水をくんで帰る最短経路」型の問題だ。直線の向こうへ点を折り返すと、折れ線の長さが1本の線分の長さになって、最短が一目で決まる。

「直線 に関する対称」は座標の入れかえ という特に簡単な形になり、数学IIIの逆関数のグラフの対称性として再び出てくる。

答

別解

「垂線の足まで行って、同じだけ進む」2段ルートだと、連立が小さくなる。まず原点から軸 に下ろした垂線の足 を求める。垂線は原点を通り傾き (軸の傾き と垂直)だから 。軸との交点で 。対称点は からさらに同じ矢印だけ進んだ先だ。

「足を求める」計算は交点1回で済み、倍に伸ばすのは掛け算だけ。2条件の連立と同じ答えに着くが、図の動き(降りて、突き抜ける)がそのまま計算になっているぶん、状況を見失いにくい。光の反射の問題(最短経路)でも、この足→倍進むの手順がそのまま使える。

ポイント

  • 対称点は『中点が軸上』+『結ぶ線が軸に垂直』の2条件。
  • 軸の傾きから、結ぶ線の傾き(垂直)が決まる。

よくある間違い

  • 中点条件と垂直条件の一方だけで解こうとする(2条件で初めて1点に決まる)
  • 垂直の傾きの符号を誤り、軸と平行な方向へ進んでしまう
  • の伸ばし方を の位置で止める(足は中点であって対称点ではない)

問53直線が1点で交わる条件

★★ 標準3直線

問題

3直線 、、 が1点で交わるとき、定数 の値を求めよ。

ヒントを見る

本が 点で交わる=ある つの点がすべての式を満たす、ということ。 を含まない 本から先に攻めると道が開ける。

解答・解説

方針

3直線が1点で交わるなら、まず2直線の交点を求め、その点を3本目が通ればよい。交点の座標を3本目に代入して を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「3直線が1点で交わる」を、手順に分解する。

を含まない2本( と )の交点なら、いま確定できる。連立して 。3本目がこの点を通れば、3本は共点だ。 を に代入して を求める。「確定できるものから確定する」という段取りの問題である。

重要3直線が1点で交わる → まず2直線の交点を出し、3本目がそこを通る条件を立てる

まず と の交点。2式をたすと 、。 から 。交点は 。

この点を3本目 が通るので、代入する。

xyO(1,2)
3直線が1点(1,2)で交わる

発展。 3直線が「三角形を作らない」条件を問う逆型の問題では、共点になる場合に加えて「どれか2本が平行」の場合も数える。この問題の共点条件はその部品の1つだ。

別解の束の式 は、直線に限らず円でも通用する型で、「2つの図形の交点を通る図形」を交点計算なしで扱う技術の基本である。

答

別解

交点を計算せずに、「3本目は他の2本の混ぜ合わせで書けるはず」という目で解く方法もある。2直線 と の交点を通る直線は、すべて

の形で書ける(交点では両カッコが になるから、どんな でもこの式は交点を通る)。3本目 がこの形になるよう、係数を比較する。: 、定数: 。ここから 、。 の係数から 。

この「交点を通る図形の族(束)」の考えは、あとの2円の交点を通る直線や、軌跡と領域の単元で本格的に活躍する。交点の座標が複雑な問題ほど、計算を避けられる利点が大きい。

ポイント

  • 3直線が1点で会う=2直線の交点を3本目が通る。
  • 交点を先に出してから代入するのが速い。

よくある間違い

  • 3本すべてを同時に連立しようとして、式の扱いに迷う(まず2本で交点を確定)
  • 交点の座標の代入先を、 を含まない直線にしてしまう
  • 「2本が平行で交点がない」可能性の確認を飛ばす(今回は傾きが異なるので交わる)

問63点を通る円

★★ 標準円の方程式

問題

3点 、、 を通る円の方程式を求めよ。

ヒントを見る

つの通過点の条件を扱いやすいのは、円の標準形と一般形のどちらだろう。通る点に原点が含まれていることが、計算をぐっと軽くする。

解答・解説

方針

円を一般形 とおき、3点をそれぞれ代入する。3つの式を連立して 、、 を決める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 3点を通る円は、一般形 に3点を代入するのが正攻法だ。

未知数3つに、条件(通る点)3つ。ちょうど釣り合った連立ができる。 を含むので がすぐに出て、残りは2元連立。代入する順番で計算量が変わることも覚えておきたい。

公式円の一般形 。3点を代入して を連立で求める

を代入すると 。 を代入すると 、。 を代入すると 、。

よって円は 。平方完成して標準形にする。

中心 、半径 。

xyO(4,0)(0,2)中心
3点を通る円、中心(2,1)・半径√5

発展。 一般形と標準形の使い分けは明快だ。通る点の条件なら一般形(代入が1次式で済む)、中心・半径の条件なら標準形。条件の種類が式の形を選ぶ。

3点を通る円は三角形の外接円でもある。別解の「直角なら斜辺が直径」は、直角三角形の外心が斜辺の中点にあるという数学Aの事実の座標版だ。図形の性質と座標計算は、いつでも互いの近道になり合う。

答

別解

この3点の配置には、連立を丸ごと省略できる仕掛けが隠れている。 は 軸上、 は 軸上。つまり原点で、2辺が直角に交わっている。円周角の定理の逆(直角を見込む2点は直径の両端)から、直角の対辺( と を結ぶ線分)がこの円の直径だ。

だから中心は直径の中点 、半径の2乗は中心から原点までで 。

「3点の配置をまず見る」ことで、連立3本が暗算1回で済んだ。直角・等距離・対称性など、図形的な特徴が見えた瞬間に計算は軽くなる。座標の問題でも図形の目を手放さないこと。

ポイント

  • 3点を通る円は一般形に代入して連立。
  • 原点を通るなら で計算が軽くなる。

よくある間違い

  • 最初から標準形 でおいて、代入後の展開で計算が膨らむ(3点通過は一般形が楽)
  • 連立の消去で符号を誤る
  • 答えの円に3点を代入し直す検算を飛ばす

問7円と直線が接する条件

★★ 標準円と直線接する条件

問題

円 と直線 が接するとき、定数 の値を求めよ。

ヒントを見る

『接する』を式の言葉に直すと何になるか。判別式でも、中心からの距離でも表せる。円と直線の組み合わせなら、どちらの計算が軽いか考えて選ぼう。

解答・解説

方針

円と直線が接するのは、中心から直線までの距離が半径にちょうど等しいとき。距離=半径 の式を立てて を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 円と直線が「接する」を式で表す方法は2通りある。今回は距離の言葉を使う。

接する ⟺ 中心から直線までの距離が半径にちょうど等しい。中心は原点、半径は 。直線を に直して、点と直線の距離の公式で等式を立てれば、 の方程式になる。

公式円と直線が接する 中心と直線の距離 半径

直線を とみる。中心 からの距離は

半径は 。接する条件は、この距離が半径に等しいこと。

xyO
半径に等しい距離で接する2本の直線(k=±√10)

発展。 等号を不等号に変えるだけで、位置関係の全分類が手に入る。距離 半径なら2点で交わり、 なら離れる。判別式の正負とぴったり対応する。

「距離」と「判別式」の2つの方法のうち、放物線と直線(距離の公式が使えない)では判別式だけが使える。曲線の種類によって使える方法が変わることまで見ておくと、道具選びに迷わなくなる。

答

別解

もう1つの言い換え、「共有点1個 ⟺ 重解 ⟺ 判別式 」でも解ける。直線 を円の式に代入して を消すと

接するのは、この2次方程式が重解を持つとき。判別式で

距離ルートと同じ答えだ。使い分けの目安はその後の要求で決まる。接するかどうかだけなら距離が速い。接点の座標まで要るなら、判別式ルートの重解 がそのまま接点をくれる。2つの方法を、要求に応じて選ぶ。

ポイント

  • 接する=中心と直線の距離が半径に等しい(判別式でも解けるが距離が速い)。
  • の絶対値なので、答えは の2つ。

よくある間違い

  • 距離の公式の分母()を忘れる
  • 半径を とする( なので )
  • だけ答えて (下側の接線)を落とす

問8接線の長さ

★★ 標準円の接線

問題

点 から円 に引いた接線の長さを求めよ。

ヒントを見る

接点・中心・外の点の つを結ぶと、必ず直角ができる場所がある。その直角三角形が見えれば、求める長さは三平方ですぐに出る。

解答・解説

方針

中心 ・接点 ・点 で直角三角形ができる(接線 ⊥ 半径)。 が斜辺、 が半径。三平方の定理で接線 が出る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 接線の長さは、直角三角形を1つ見つければ終わる。

中心 ・接点 ・外の点 。接線は接点で半径と垂直だから、 は が直角の直角三角形だ。斜辺 、1辺 (半径)。三平方の定理で 。「接線と聞いたら半径との直角を書き込む」が反射になっていれば、図は自動的に完成する。

公式接線の長さ (接線 ⊥ 半径 の直角三角形)

中心 から までの距離は 。半径は 。接点 で接線と半径が直角に交わるので、 は直角三角形。三平方の定理で

xyOTP(5,0)
O・接点 T・P の直角三角形。接線 PT=4

発展。 「点の座標を円の式の左辺に代入した値」は、正なら円の外(値=接線の長さの2乗)、 なら円周上、負なら内部、と点の位置まで表す。この値は数学Aで学んだ方べきと同じものだ。

2つの円について「接線の長さが等しい点」の集まりを追うと、根軸と呼ばれる直線が現れる。次の共通弦の問題の引き算は、実はこの根軸の計算をしている。

答

別解

数学Aで学んだ方べきの定理で確かめる道もある。 から 軸に沿って割線を引くと、円 とは と で交わる。方べきの定理(接線と割線)から

よって 。三平方ルートと一致する。実は、方べきの値 はどの割線でも一定で、その値は (三平方の右辺)に等しい。座標の言葉なら「 の座標を円の式の左辺 に代入した値」がそのまま になる。3つの見方が同じ数を指している。

ポイント

  • 接線 ⊥ 半径 → 直角三角形。接線の長さ 。

よくある間違い

  • 斜辺を と取り違える(斜辺は中心と外の点を結ぶ )
  • 半径を とする( なので )
  • 接線の「長さ」と接線の「方程式」を混同し、直線の式を求め始める

問9弦の中点と長さ

★★ 標準弦中点

問題

円 と直線 の2つの交点を 、 とする。弦 の中点の座標と、弦 の長さを求めよ。

ヒントを見る

代入して 次方程式を作るところまでは共有点の問題と同じ。中点は 解を個別に求めなくても、和の情報だけで出せることに気づけるか。長さは傾きの分かっている直線上の 点だから 座標の差から伸ばせる。

解答・解説

方針

直線を円に代入して交点の を出す。2解の平均が中点の 、それを直線に入れて 。長さは2交点間の距離。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 交点を文字のまま扱うのが、この問題の設計だ。直線を円に代入して得る2次方程式の2解が、交点の 座標である。

中点の 座標は2解の平均、つまり 。解と係数の関係で、解を求めずに出せる。弦の長さも から組み立てられる。「解を求めない」姿勢が計算を軽くする。

公式弦の中点は交点の の平均(2次方程式の2解の平均)

を に代入する。

因数分解して 、。交点は 、。

中点は 、 それぞれの平均。

長さは2交点間の距離。

xyOAB中点
弦 AB とその中点

発展。 代数ルートの と幾何ルートの 。同じ弦の長さの2つの式は、「解と係数の関係」と「三平方の定理」が同じ内容を語れることを示している。

弦の中点の集まり(直線の傾きを変えながら追う)は、中心を通る円になる。軌跡の単元でよく出る問題では、この問題の「中点=垂線の足」の見方がそのまま使われる。

答

中点 、長さ

別解

円の対称性を使う幾何ルートなら、2次方程式すら要らない。弦の中点は中心から弦へ下ろした垂線の足だ(垂線は弦を二等分する)。中心 から直線 への垂線は 。連立して足は 。これが中点である。

弦の長さは三平方の定理で出る。中心から直線までの距離は 。半径 との直角三角形から、弦の半分は

よって弦の長さは 。「中心・垂線の足・弦の端」の直角三角形は、円の弦の問題ならいつでも使える。代数ルート(解と係数)との答えの一致が、そのまま検算になる。

ポイント

  • 交点の は連立で2次方程式にして求める。
  • 弦の中点は交点の平均。中心から弦への垂線の足でもある。

よくある間違い

  • 中点の 座標を、 座標と独立に計算しようとする(中点は直線上なので直線の式に代入)
  • 弦の長さで、 座標の差 に傾き分の を掛け忘れる
  • 幾何ルートで、半径と距離の2乗の引き算()の順序を逆にする

問102つの円の位置関係

★★ 標準2円の位置関係

問題

2つの円 と の位置関係を答えよ。

ヒントを見る

中心間の距離と つの半径、この つの数の大小関係で位置関係はすべて決まる。図をかいて、半径の和・差と比べよう。

解答・解説

方針

2円の位置関係は中心間の距離 と、半径の和・差を比べて決まる。 なら外接。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 2円の位置関係は、3つの数の比べ合いで決まる。中心間の距離 、半径の和 、半径の差 だ。

中心 と で 。半径は と で、和は 、差は 。 がぴったり成立。だから外接(外側で1点で接する)だ。数直線に と和・差を並べて位置を見る癖をつけると、5分類(離れる・外接・交わる・内接・含む)で迷わない。

公式2円の位置関係は、中心間距離 と ・ の大小で決まる

1つ目の円は中心 、半径 。2つ目は中心 、半径 。中心間の距離は

半径の和は 。 なので、2円は外接(外側で1点だけ接する)。

xyO接点
中心間距離 5 = 半径の和(2+3)→ 外接

発展。 を動かすと、位置関係は「含む → 内接 → 交わる → 外接 → 離れる」と連続的に移り変わる。境目の内接・外接が等号、あいだの「交わる」が不等式 で、これは三角形の成立条件と同じ形をしている(中心2つと交点で三角形ができるからだ)。

共通接線の本数(0〜4本)もこの5分類とぴったり連動する。位置関係の判定は接線を数える問題の前半戦でもある。

答

外接する(1点で接する)

別解

実際に連立して、共有点を数える正面ルートでも確かめられる。2式を引き算すると 、 が消える。

を第1式に入れると 、つまり の1つだけ。共有点は の1個。よって2円は接する。しかも接点まで具体的に手に入った。

距離の比較(本解)は速く、連立(別解)は接点の座標という追加情報をくれる。「位置関係だけなら距離、接点や交点が要るなら連立」という役割分担で覚えておくとよい。

ポイント

  • → 外接、 → 内接、間なら2点で交わる。
  • まず中心間距離と2つの半径を出す。

よくある間違い

  • 外接()と内接()を混同する
  • 半径を と とする( の値と半径の取り違え)
  • 「接する」とだけ答えて、外接か内接かまで特定しない

問112円の交点を通る直線

★★ 標準2円の交点

問題

2つの円 と の2つの交点を通る直線の方程式を求めよ。

ヒントを見る

つの式を並べて見比べる。 次の項をうまく消す操作をすると 次の式=直線が現れる。その直線がなぜ 交点を通るといえるのか、理由ごと納得しておきたい。

解答・解説

方針

2つの円の方程式を引き算すると、、 が消えて1次式になる。これが2交点を通る直線(共通弦を含む直線)だ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 交点を求めてから直線を出す、が素朴な道。でも交点の座標は要らない。

2つの円の式を引き算すると、 と の項が消えて1次式(直線の式)が残る。交点は両方の円の式を満たすから、その差も満たす。差は1次式、つまり直線。2交点を通る直線は1本しかないから、これが答えだ。「引き算=共通弦」という便利な近道である。

重要2円の式を引き算すると、・ が消えて、2交点を通る直線になる

① なぜ引き算で交点を通る直線が出るのか。 2つの交点はどちらの円の上にもあるので、2つの円の式を両方とも満たす(両方 )。すると、2式を辺々引いた式も交点では になる。しかも引くと ・ が消えて 次式=直線になる。だから「差の式」は2つの交点を通る直線そのものだ。

② 実際に引く。

、 が消えて

xyO
2円の交点を通る直線 x+2y=5

まとめ:2交点は両方の円の上にあるから両式を満たし、その差の式(=2乗が消えた直線)も交点で成り立つ。だから2円の引き算がそのまま「2交点を通る直線」になる。

発展。 引き算で出る直線は交わらない2円でも意味を持つ。「2円への接線の長さが等しい点の集まり」(根軸)である。交わる場合に限って、それが共通弦を含む直線と一致する。

さらに、2円の式を で混ぜた は「2交点を通る円の族」を作る(引き算はその特別な場合)。3直線の共点問題で使った束の考えが、円でも同じ形で使える。

答

別解

ショートカットの答えを、正面ルート(交点を実際に求める)で検分してみる。引き算で得た を第1式に代入すると

交点は と 。この2点を通る直線は、傾き で

引き算の結果と一致した。正面ルートは重いが、「引き算の式が本当に2交点を通っている」ことを実物で確認できる。ショートカットを初めて使うときに一度この照合をやっておくと、以後は安心して1行で済ませられる。

ポイント

  • 2円の式の引き算 = 2交点を通る直線(共通弦の直線)。
  • 、 の係数をそろえてから引く(ここは両方 )。

よくある間違い

  • 引き算の符号処理を誤り、直線の式がずれる
  • 引き算で出た直線を「共通弦そのもの(線分)」と混同する(直線は弦を含むまっすぐ全体)
  • 2円が交わっていない場合にも同じ直線を「共通弦」と呼んでしまう(交点がなければ弦はない)

問12直線が通る定点

★★ 標準定点

問題

がどんな値をとっても、直線 が必ず通る定点の座標を求めよ。

ヒントを見る

『どんな でも成り立つ』は恒等式の考え方で扱う。式を でくくって整理すると、 によらず成り立つための条件が つ出てくる。

解答・解説

方針

について整理する。 の項と、 を含まない項に分ける。どんな でも成り立つには、 の係数と定数項がそれぞれ になればよい。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「どんな でも通る」は、 についての恒等式の問題だ。

式を について整理する。。これがすべての で成り立つには、 の係数と残りが両方 、つまり かつ 。連立して 。「変数は でなく 」と見方を切りかえることが、この型では大事だ。

重要 を含む式が定点を通る → について整理し、 の係数と定数項をそれぞれ とおく

について整理する。

これがどんな でも成り立つには、 の係数と、残りの部分がともに 。

2式を解くと、 から 、 に入れて 、。よって 。定点は 。

xyO(1,1)
k を変えても直線は定点(1,1)を通る

発展。 という整理後の形は、2直線 と の交点を通る直線の束そのものだ。 を動かすと、直線が定点 を軸にくるくる回る。定点問題と束は同じ現象の表裏である。

円の式に文字が入った「どんな でも通る定点を持つ円の族」も、まったく同じ 整理で解ける。軌跡と領域の単元で、この型は何度も出てくる。

答

別解

先に「実験」で候補を捕まえ、あとから検証する2段ルートも実戦的だ。定点はどの の直線にも乗っている。なら、 を2つ選んで交点を出せば、それが候補になるはずだ。

  • : 、つまり
  • : 、つまり

2直線の交点は 。これが唯一の候補だ。検証として一般の で代入する。。確かにすべての で成立し、 が定点と確定する。

「特殊な場合で当たりをつけ、一般で確かめる」という探索と証明の分業は、定点・定値問題全般で使える構えだ。計算しやすい ()を選ぶのが腕の見せどころである。

ポイント

  • 『 によらず通る』→ で整理して係数を全部 。
  • の1次式なので、 の係数=0 と 定数項=0 の連立になる。

よくある間違い

  • の係数だけ にして、 を含まない部分の条件を忘れる
  • の整理で符号を誤る( の振り分け)
  • 実験ルートで候補を出したあと、一般の での検証を省く(2本で交わるだけでは全部を通る保証にならない)