数学II / 図形と方程式

図形と方程式 最難関編の問題 全8問

東大・京大の最難関レベル。気づきにくい発想や、何段階もの議論が必要な問題

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 直線が通過する領域
  2. 直交する2直線の交点の軌跡
  3. 分数式の最大最小(傾きの範囲)
  4. 接する動円の中心の軌跡
  5. 定点を通る弦の中点の軌跡
  6. 2つの不等式が表す領域の面積
  7. 2円が接する条件
  8. 対称式で表された点の存在範囲

問1直線が通過する領域

最難関編通過領域軌跡

問題

実数 が全ての値をとって変化するとき、直線 が通過する領域を図示せよ。

ヒントを見る

「その点を通る直線が存在するか」を「 の方程式が実数解をもつか」に言い換える。 を について整理すると2次方程式。判別式で条件を出せるか。

解答・解説

方針

点 が通過領域に属する ⟺ その を満たす実数 が存在する。式を の2次方程式とみて、実数解をもつ条件(判別式 )を書く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「直線が通過する領域」と聞かれたら、視点を1つ裏返す。動く図形の側ではなく、点の側に立つのだ。

点 が通過領域に入るとは、その点を通る直線が(ある で)実在すること。そこで を固定し、 を についての方程式とみる。実数解 をもつかどうか、がその点の合否判定になる(逆手の考え方)。

について整理すると2次方程式。実数解の有無は判別式で機械的に書ける。

重要パラメータを含む図形の通過領域は「そのパラメータの方程式が実数解をもつ条件」で求める(逆像法)

① の方程式に整理。 を について降べきに並べると

② 実数解をもつ条件。 これを満たす実数 が存在する ⟺ 判別式 。

公式2次方程式 が実数解 ⟺ 判別式

③ 領域。 求める領域は放物線 とその下側(境界を含む)。

xyOy=x²/4+1
直線 y=ax−a²+1 が全ての実数 a で通過する領域(斜線部)。境界は放物線 y=x²/4+1、その下側 y≤x²/4+1

まとめ:「直線が通るか」を「 が実在するか」に言い換え、判別式で条件にすれば解ける。境界の放物線は各点にちょうど1本の直線が接する(重解 )包絡線になっている。

発展。 恒等式 が示すとおり、直線 は境界の放物線と の1点でだけ接する。つまりこの直線族は放物線の接線の族で、境界は族の包絡線だ。通過領域の境界に「重解=接する」が現れるのは偶然ではない。

答

(放物線 とその下側)

別解

順手で攻める(各縦線の上で、届く高さを集める)。 「実数解の存在」という言い換えがピンとこない人は、 を1本の縦線に固定して、直線たちがその縦線上のどの高さを通るかを全部集めればよい。 を固定すると、高さは の関数になる:

の2次式として上に凸だから、 が全実数を動くと は最大値 ( のとき)以下の値をすべてとる。つまり縦線 の上で直線が通るのは の部分。これを全部の で束ねると、判別式と同じ領域になる。

逆手(判別式)は「その点に入れるか」をすぐに判定し、順手(平方完成)は「届く高さ」を直接測る。同じ答えへの2本の道で、通過領域の全問題に通用する往復だ。

ポイント

  • 通過領域=パラメータ の存在条件(逆像法)。
  • の判別式 。
  • 。

よくある間違い

  • 判別式を にして、境界の放物線を除いてしまう。実数解が重解1個でも直線は実在するから が正しい。
  • 境界の放物線 だけを答えて、下側の領域を落とす。求めるのは直線が通る点の全体(領域)。
  • を傾きと固定して1本の直線の話にしてしまい、「 が全実数を動く」という前提を見失う。

問2直交する2直線の交点の軌跡

最難関編軌跡直交

問題

実数 に対し2直線 、 を考える。 が全ての実数を動くとき、 と の交点 P の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

が通る定点は? が通る定点は?( をくくって「 によらず通る点」を探す。)2直線の傾きの積を計算すると、交点 P の位置に強い条件が出る。

解答・解説

方針

は原点を通り、 は定点 を通る。2直線の傾きが と で直交することに気づくと、P は2定点を直角に見込む点=タレスの円上。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) パラメータ入りの2直線の交点は、 をそのまま消去してもよい。だがその前に、各直線が通る定点と傾きを観察すると構造が見える。

は原点を通り、傾き 。 は と書き直せて、 によらず定点 を通り、傾きは 。

傾きの積は 。つまり2直線は常に直交している。すると交点 P は2定点 O と を直角に見込む点。直角に見込む点の集まりは、2定点を直径の両端とする円だ。計算の前に、答えが円であることが分かる。

定理線分 AB を直径とする円周上の点 P では (タレスの定理)

① 定点と傾き。 は原点 O を通り傾き 。 を で整理すると 。 によらず成り立つには 、すなわち は定点 を通る。傾きは 。

② 直交の確認。 の傾きの積は (ともに傾きが定義される のとき)。よって 。

③ タレスの円。 交点 P は 上(O を通る)かつ 上(B を通る)で、 だから 。ゆえに P は線分 OB を直径とする円周上。中心は OB の中点 、半径は 。

ただし1点だけ例外がある。 は原点を通る直線のうち垂直線 だけは表せない( を通るには が必要で、不可能)。よって交点 P は点 には決してならず、軌跡はこの円から点 を除いたものになる。なお定点 は のとき実際に交点になるので、除かない。

xyOB(2,1)P(0,1) 除く
2直線は傾き t と −1/t で常に直交。交点 P は O と B(2,1) を直角に見込む → P は OB を直径とする円周上。白丸の (0,1) だけは ℓ が通れず除く

まとめ: をそのまま消去せず、「各直線の定点+傾きの積 」から直交を見抜けば解ける。直交2直線の交点は2定点を直径とする円(タレスの円)を描く、という図形的結論にすぐにたどり着ける。除外点は「 が表せない垂直方向」から生まれる。パラメータ表示の軌跡では、表せない例外がないかを最後に必ず検分する。

発展。 P を で書くと 。 で P は に限りなく近づくが、届かない。実数直線 で円をなぞると必ず1点だけ残る。円と直線を「1点を除いて」対応させるこの現象は、複素数平面の1次分数変換や立体射影で詳しく扱う。

答

円 (ただし点 を除く)

別解

を消去する(手を動かす機械ルート)。 定点や直交に気づかなくても、連立して を消せば必ず出る。 より のとき 。これを に代入して分母を払うと

整理して 。平方完成すれば本解と同じ円になる。

残る検分は2つ。 のときは が となり、交点は のときの 。これは円上にあるので含める。逆に、円上で となるもう1つの点 は、 が作れず(どの でも が通れず)実現しない。除くべき点が「 の場合分け」から自然にあぶり出される。

図形ルート(本解)は答えが円であることを先に見抜き、消去ルートは式変形だけで到達する。除外点の検出まで込みなら、2つを併用するのがいちばん安全だ。

ポイント

  • は O、 は定点 を通る。
  • 傾きの積 で直交 → タレスの円。
  • 中心 、半径 。点 を除く。

よくある間違い

  • 除外点を「 の定点 」と取り違える。 は のとき実際に交点になる。除くのは がどの でも通れない ( は不可能)。
  • 傾きの積 の議論だけで済ませ、( が水平で が垂直、傾きが定義できない)の検分を飛ばす。このときも2直線は直交し、交点 は円上にある。
  • を代入するとき の場合を分けず、 を落とす(または検分なしで含める)。

問3分数式の最大最小(傾きの範囲)

最難関編最大最小軌跡

問題

点 が円 上を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

は「点 を通る傾き の直線」。この直線が円と交わる の範囲の端が最大最小。中心から直線までの距離が半径以下、という条件を使えるか。

解答・解説

方針

は定点 と円上の点を結ぶ直線の傾き。 を固定した直線が円と共有点をもつ(接するのが端)条件を、点と直線の距離で書く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) という分数の形に、図形の意味を与える。値を とおくと 。これは定点 を通る傾き の直線だ。

は円上の点だから、値 が実現する ⟺ この直線が円と共有点をもつ。求める範囲は「直線が円に届く の範囲」に言い換えられる。範囲の端は、直線が円に接する瞬間。接する条件は「中心から直線までの距離 半径」で立式できる。

重要 の最大最小は「定点 を通る直線の傾き」の最大最小として、円に接する条件で求める

① 直線とおく。 より 。これは定点 を通る傾き の直線。

② 円と共有点をもつ条件。 中心 からの距離 半径 :

公式点 と直線 の距離

③ 2次不等式を解く。

よって 。最大値 、最小値 。

まとめ:分数式を「定点を通る直線の傾き」と読み替えれば解ける。傾きの端=直線が円に接するとき、を「中心からの距離=半径」で立式し、 の2次不等式に落とす。

発展。 型はいつでも「定点 から見た傾き」。円を楕円や放物線に替えても、「範囲の端=接するとき」という原理はそのまま通用する。分数式に図形の意味を与える読み替えは、(切片)や (距離の2乗)にも広がる。

答

最大値 、最小値

別解

円をパラメータ表示して合成する(存在条件ルート)。 円上の点を と書いてしまう手もある。

円上では だから、分母を払っても同値:

左辺は合成すると振幅 の1つの正弦波。この方程式を満たす が実在する条件は、右辺が振幅の中に収まることだ:

2乗して整理すると 。本解の距離条件とまったく同じ不等式に落ちる。「点と直線の距離 半径」(幾何)と「合成の振幅に収まる」(三角関数)は、同じ内容の2つの言い方。片方で立式し、もう片方で検算できると強い。

ポイント

  • は定点 を通る直線の傾き。
  • 接する条件=中心からの距離 。
  • より 。

よくある間違い

  • 分母 の符号で場合分けを始めて時間を失う。円上では だから 。一言確かめれば場合分けは不要。
  • 共有点の条件を距離 半径(真に2点で交わる)にして、接するときの端の値=最大値・最小値そのものを除いてしまう。
  • の通る定点を と符号違いに置く。通るのは 。

問4接する動円の中心の軌跡

最難関編軌跡円

問題

軸に接し、点 を中心とする半径 の円に外接する円を考える。この動円の中心 P の軌跡を求めよ。ただし P の 座標は正とする。

ヒントを見る

軸に接する円の半径は中心の 座標に等しい。外接=中心距離が半径の和。この2つを の形にして、根号をはずせるか。

解答・解説

方針

動円の半径は「 軸に接する」から 。「外接する」は中心間距離 半径の和。2つの条件を の式にして整理する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 接する条件は、ぜんぶ半径の言葉で言い換えられる。動円の中心を 、半径を とする。

「 軸に接する」は、中心から 軸までの距離が半径ということ。つまり ()。「円 A に外接する」は、中心間の距離が半径の和ということ。つまり 。

2式から を消すと の一本にまとまる。左辺は点 A からの距離。右辺は 、すなわち直線 からの距離。「定点からの距離と定直線からの距離が等しい」という、放物線の定義の形が現れた。あとは2乗して整理すればよい。

重要「定点からの距離」=「定直線からの距離」を満たす点は放物線(焦点・準線の定義)

① 半径を で表す。 、。 軸に接するので動円の半径は 。

② 外接条件。 円 A(中心 、半径 )に外接するから

③ 2乗して整理。

これは頂点 、右に開く放物線。

xyOAy²=10(x−3/2)
y軸に接し、円 A(中心(4,0)・半径1)に外接する動円の中心 P の軌跡は放物線 y²=10(x−3/2)

まとめ:2つの接触条件を「」の一本にまとめると、点 A(焦点)からの距離と直線 (準線)からの距離が等しい形になり、放物線と分かる。接する条件を半径の言葉で表せば解ける。

発展。 接触条件は円錐曲線の製造機だ。本問(直線と円に接する)は放物線を生んだが、2つの定円の両方に接する動円の中心は、2中心からの「距離の和・差が一定」となって楕円や双曲線を描く。数学Cで出会う3つの曲線は、みなこの「接する円の家族」から生まれる。

答

放物線

別解

焦点・準線から直接書き下ろす(2乗しない高い視点)。 ⓪で見た を、そのまま「2つの距離の等式」として読み切る。

右辺 はP から直線 までの距離( の範囲で)。だから条件は「点 からの距離 直線 からの距離」。これは焦点 A・準線 をもつ放物線の定義そのものだ。

頂点は焦点と準線のちょうど中間で 。焦点から頂点までの距離は 。放物線の標準形 を頂点まで平行移動して

2乗の計算を一度もせずに答えへ届く。放物線の焦点・準線(数学Cの内容)を知っていれば、「距離の等式」は定義の即読みで片づく。

ポイント

  • 軸に接する → 半径 。
  • 外接 → 。
  • 2乗して (放物線)。

よくある間違い

  • 外接と内接を取り違えて (差)で立式する。外接は中心間距離が半径の和。
  • 「 軸に接する」の半径を と書いたまま絶対値に振り回される。P の 座標は正と与えられているから、最初に と確定してよい。
  • 2乗の前に両辺の符号を見ない。本問は両辺とも正なので同値だが、その一言がないと「2乗で余計な解が混じらないか」の検分を飛ばしたことになる。

問5定点を通る弦の中点の軌跡

最難関編軌跡円

問題

定点 を通る直線が円 と相異なる2点で交わるとき、その2交点を結ぶ弦の中点 M の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

円の中心から弦の中点に引いた線は弦に垂直。弦は定点 A を通るから、M では OM と MA が直角。M が満たす図形は?(2定点を直角に見込む点。)

解答・解説

方針

円の中心 O から弦の中点 M へ引いた線分は弦と垂直(OM⊥AM)。M は A と O を直角に見込むので、OA を直径とする円上にある。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 弦の中点 M には、覚えておくべき強い性質がある。円の中心 O から弦の中点へ引いた線分は、その弦と垂直になる(中心と弦の両端が作る二等辺三角形の、頂点からの中線だから)。

本問の弦はどれも定点 を通る。だから M では、 と が垂直。つまり M は2定点 O・A を直角に見込む点だ。

直角に見込む点の集まりは、OA を直径とする円。座標計算に入る前に答えの形が見えている。最後に「弦が本当に存在する範囲」だけを確かめればよい。

定理円の弦の中点 M と中心 O について (弦)。特に弦が定点 A を通れば

① 垂直条件。 中心 から弦の中点 M に引いた は弦に垂直。弦は A を通るから、M では 。

② タレスの円。 だから、M は線分 OA を直径とする円周上。中心は OA の中点 、半径は :

③ 範囲。 弦が「相異なる2点」で交わるのは M がもとの円 の内部にあるとき。よって軌跡は上の円のうち、もとの円の内部にある部分(弧)。

xyOA(3,0)M
定点 A(3,0) を通る弦の中点 M。OM は弦と直交するので M は OA を直径とする円周上(元の円の内部の弧)

まとめ:「中心→弦の中点は弦に垂直」を使い、定点 A と中心 O を直角に見込む=タレスの円、と読めば解ける。 を直接消去する計算より、垂直という図形的性質からすぐに円が出る。定義域(2交点をもつ範囲)を最後に添えるのを忘れない。

発展。 定点 A が円の内部にあれば、どの向きの弦も実在するので、軌跡は OA を直径とする円の全周になる。A が外部なら本問のように弧だけ。定点の内外で答えの形が変わる。軌跡の問題は「式」と同じくらい「範囲」が本体だ。

答

円 の、もとの円 の内部にある部分

別解

解と係数の関係で中点を計算する(手を動かすルート)。 垂直の性質を思い出せなくても、弦を式で置けば必ず出る。A を通る傾き の直線 を円 に代入すると

2交点の 座標の和は解と係数の関係で 。だから中点 M は

ここで が成り立つ。つまり 、平方完成して本解と同じ円だ。

2点で交わる条件は判別式 、整理すると 。ちょうどこの範囲の が円のうち「もとの円の内部」の弧を塗る。なお A は円の外なので、垂直な直線 は円と交わらず、傾きの場合分けは不要。

幾何(本解)はすぐに答えの形が分かり、計算(本ルート)は範囲の出どころ()まで具体的に分かる。

ポイント

  • 中心→弦の中点は弦に垂直。
  • → OA を直径とする円。
  • (もとの円の内部)。

よくある間違い

  • 範囲の制限を忘れて円 の全周を答える。A が円の外にあるので、弦が実在する分の弧しか動けない。
  • 弧の端(もとの円の周上)を含めてしまう。端では直線が円に接して交点が1個になり、「相異なる2点で交わる」に反する。
  • 直径の弦(x 軸)の中点が原点 O になる場合を見落とす。O では垂直の言い方が怪しく見えるが、軌跡の円は O を通り、O も軌跡に含まれる。

問62つの不等式が表す領域の面積

最難関編領域面積

問題

連立不等式 かつ の表す領域の面積を求めよ。

ヒントを見る

はどんな図形か(4通りの符号で境界を描くと正方形)。 は円の外側。片方から片方を引けるかは「単位円が正方形に丸ごと入るか」の確認しだい。

解答・解説

方針

は4点 を頂点とする正方形の内部。 は単位円の外部。単位円は正方形に完全に含まれるので、面積は(正方形)(単位円)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 連立の領域は、まず1つずつ図形を特定する。

は、境界を象限ごとに描くと頂点 の正方形(対角線が軸に沿う)。 は単位円の外側。求める領域は「正方形の中」かつ「円の外」だ。

もし単位円が正方形にすっぽり入っているなら、面積は(正方形)(円)の引き算1回で出る。だから先に、その包含関係を確かめる。

① 正方形の面積。 の境界は正方形で、対角線が 軸・ 軸方向にそれぞれ長さ 。対角線の積の半分で

② 単位円は正方形の内部にあるか。 単位円周上の点 について 。この最大値は ( 等)で、。よって単位円は正方形の内部に完全に含まれる。

重要 なので単位円は正方形 に丸ごと含まれる

③ 引き算。 領域は正方形から単位円(内部)をくり抜いたもの。単位円の面積は だから

xyO|x|+|y|=2
領域 |x|+|y|≤2(正方形)かつ x²+y²≥1(単位円の外)。面積は 8−π。単位円は正方形に完全に含まれる

まとめ: を正方形と見抜き、単位円が丸ごと内側にある(だから素直に引ける)ことを確認することが大事だ。「くり抜き」が成立する包含関係のチェックを飛ばさない。

発展。 (正方形)と円は、原点からの「距離の測り方」を替えた2種類の円ともみなせる。この正方形に内接する最大の円の半径は、中心から辺 までの距離 。②で確かめた は、単位円がその内接円にも収まっている、という余裕の表現だった。

答

別解

対称性で第1象限に絞る(絶対値の基本の扱い)。 と は、 の符号を変えても の符号を変えても値が変わらない。つまりこの領域は 軸についても 軸についても対称だ。

だから第1象限()だけ調べて4倍すればよい。第1象限では絶対値がそのまま外れて

これは「直角をはさむ2辺が の直角三角形」から「半径 の四分円」をくり抜いた形。面積は

4倍して 。絶対値を見たら、符号の場合分けを4回やる前に対称性で1つの象限に落とす。図形の絶対値では、これがいちばん手間の少ない始め方だ。

ポイント

  • は対角線 の正方形、面積 。
  • 単位円は正方形に完全に含まれる()。
  • 面積 。

よくある間違い

  • を「一辺 の正方形」と思い込み、面積 とする。頂点は軸上の で対角線が 。面積は 。
  • の向きを取り違えて、円の内部との共通部分を計算し始める。
  • 包含の確認()を飛ばして引き算する。本問はたまたま成立するが、円が正方形からはみ出す配置なら引きすぎになる。

問72円が接する条件

最難関編円位置関係

問題

2つの円 と が接するような実数 の値をすべて求めよ。

ヒントを見る

2円が接するのは、外側で接する場合と内側で接する場合の2通り。中心間距離が「半径の和」か「半径の差」に等しい。中心間距離は 、半径は と 。

解答・解説

方針

2円が接する ⟺ 中心間距離が(半径の和)または(半径の差)に等しい。外接・内接の2通りを立式する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「2円が接する」と言われたら、場合が2つあることを最初に思い出す。外側で接する(外接)と、内側で接する(内接)だ。

どちらも中心間距離だけで判定できる。外接なら距離が半径の和に、内接なら半径の差に等しい。本問の中心は と で、距離は 。半径は と 。あとは と を解くだけで、符号もこめて4つの が出る。

定理半径 の2円が接する ⟺ 中心間距離 が (外接)または (内接)

① 中心間距離と半径。 中心 より距離 。半径は 。

② 外接。 :

③ 内接。 :

よって 。

まとめ:接する=外接 or 内接の2通りを、中心間距離 半径の和/差で立式すれば解ける。 から符号 を取り出して4値。「接する」を1通りだと思い込むと を落とす。

発展。 を から増やすと、内包(共有点なし)→ 内接 → 2点で交わる → 外接 → 外離れ、と位置関係が一列に遷移する。境目が と 。2円の位置関係5種は中心間距離の数直線にこの2つの目盛りを打てば全部整理できる。

答

別解

2式を引いて共有点を数える(代数ルート)。 外接・内接の図が思い浮かばなくても、「接する 共有点がちょうど1個」を連立方程式で直接押さえられる。2円の式を辺々引くと(。 は同心円で接しない)

共有点はすべてこの縦線の上にある。縦線 と円 の共有点は で2個、 で1個、 で0個。だから接する条件は

から 。 から 。合わせて で本解と一致する。

外接・内接という図形の場合分けが、 という代数の記号に自動で吸収される。検算にも使えるルートだ。

ポイント

  • 中心間距離 、半径 。
  • 外接 、内接 。
  • 。

よくある間違い

  • 外接だけを立式して で終える。半径の違う2円は内接もできる()。
  • 半径の差の絶対値 の絶対値を忘れる。順序を固定して とすると「解なし」に見えて内接を落とす。
  • の を半径と読んで とする。半径は 。

問8対称式で表された点の存在範囲

最難関編存在範囲対称式

問題

実数 が を満たしながら変化するとき、点 の存在範囲を求め、図示せよ。

ヒントを見る

とおくと、 は でどう書ける?また が実数であるには にどんな条件が要る?(2数を解にもつ2次方程式の判別式。)

解答・解説

方針

とおくと は の2解。 が実数である条件(判別式 )と、拘束 ()を の関係にする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 動く点の座標が と 。どちらも対称式だ。そこで とおいて、 の満たす条件に書き直す。

書き直す条件は2つある。1つ目は拘束 。 と書けるから、 という曲線の式になる。

2つ目を忘れやすい。 が実数だという条件だ。和が ・積が の2数 は、2次方程式 の解。実数であるためには判別式 、つまり が要る。曲線の式が「乗る線路」を、実数条件が「動ける区間」を決める。

重要対称式は で表す。 が実数 ⟺ の判別式

① 置きかえと拘束。 。

これが点 の乗る曲線(放物線)。

② 実数条件で範囲を絞る。 が実数 ⟺ 。 を代入すると

すなわち 。

③ 結論。 存在範囲は放物線 の の部分(両端 を含む)。

xyOv=(u²−1)/2
点(u,v)=(s+t, st)の存在範囲。放物線 v=(u²−1)/2 の −√2≤u≤√2 の部分(両端を含む)。横軸=u、縦軸=v

まとめ:対称式は基本対称式 に置換し、「拘束 → 軌跡の式」「実数条件 → 動く範囲」の2つを使って解く。放物線を無限に描かず、 の弧に限る(実数解をもつ範囲)ことを落とさない。

発展。 平面は「2次方程式の一覧表」とみなせる。点 は方程式 に対応し、判別式の放物線 より下が、実数解をもつ範囲になる。本問の答えは拘束の放物線 をその範囲で切り取った弧だった。解の配置の議論はみなこの平面の図形の交わりとして描ける。

答

放物線 の の部分()

別解

三角関数で表して合成する(範囲が目で見えるルート)。 拘束 は単位円だから、 と置ける。すると

( の式は から。)合成の式を見れば、 の動く範囲は と直接読める。判別式を持ち出さなくても、範囲が振幅として目に見える。

このルートでは は最初から実数(単位円上の点)なので、実数条件のチェックそのものが不要になる。本解で判別式 が果たした役割を、合成の振幅が代わりに果たしている。

2つの道具が同じ範囲 を指すことを見比べておくと、対称式と三角関数のあいだに橋がかかる。

ポイント

  • で 。
  • 実数条件 → 。
  • 放物線 の弧。

よくある間違い

  • 実数条件 を忘れて、放物線 の全体を答える(最も多い失点)。
  • の符号を誤って とする。
  • 端点 を除いてしまう。 が実在するから、両端は含まれる(閉区間)。