数学II / 指数関数・対数関数

指数関数・対数関数 ★★ 標準の問題 全12問

定期テストレベル。典型パターンの運用

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 累乗根の計算
  2. 累乗根の大小比較
  3. 指数方程式(置き換え)
  4. 指数不等式(置き換え)
  5. 指数関数の最大・最小(置き換え)
  6. 対数の計算(底の変換)
  7. 対数方程式(真数条件)
  8. 対数不等式(底が1より小)
  9. 対数関数の最大・最小(置き換え)
  10. 常用対数と桁数
  11. 小数首位(0が続く個数)
  12. 常用対数の文章題(倍増)

問1累乗根の計算

★★ 標準累乗根

問題

を簡単にせよ。

ヒントを見る

乗根の中身を『立方数 × 残り』に分けると、それぞれの項が同じ 乗根の何倍かで書ける。同類項をまとめる要領で仕上げよう。

解答・解説

方針

根号の中を「立方数 × 2」の形に分け、 を外にくくり出す。 の計算で をそろえるのと同じ発想。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の計算で とそろえたのと同じことを、3乗根でやる。

中身を「立方数 × 残り」に分ける。、。、 と外へくくり出せば、共通の の係数の足し引き で終わる。

公式(立方数は根号の外に出せる)

① 中身を「立方数 × 2」に分ける。

② でそろえて計算する。 3つとも の何倍かになった。

まとめ:累乗根の足し引きは中身を「立方数 × 残り」に分けて、同じ根号でそろえるのが基本。 で をそろえるのと同じ考え方だ。

発展。 平方根の計算規則( など)が3乗根・ 乗根でも同じ形で成り立つのは、どれも分数指数の指数法則の特別な場合だからだ。規則を根号ごとに覚え直す必要はない。

なお、平方根で問題になった「中身が負のときの注意点」は、3乗根では起きない( と定義できる)。奇数乗根は負の数にもそのまま使えて、符号に注意がいるのは偶数乗根だけだ。この対比も頭に置いておくと安全だ。

答

別解

分数指数で書き直すと、同じ計算が指数法則の練習に変わる。 だから

「立方数をくくり出す」操作は という積の指数法則にもとづいている。

累乗根の記号と分数指数は同じものの2つの書き方で、計算に強いのは指数のほう。「困ったら分数指数に直す」はこの単元全体の避難路である。

ポイント

  • の中の立方数は外に出せる。
  • 同じ根号どうしは係数を足し引きできる。

よくある間違い

  • 3乗根なのに平方数でくくろうとする( の立方数分解が正しい)
  • のくくり出しを など誤った係数にする( で )
  • 係数の足し引き()の符号を誤る

問2累乗根の大小比較

★★ 標準大小比較累乗根

問題

、、 を小さい順に並べよ。

ヒントを見る

指数の形に直すと、指数が 、、 とバラバラ。分母をそろえると、全部を同じ乗根の下に入れて中身で比べられる。

解答・解説

方針

根号の種類(乗根・乗根・乗根)がバラバラなので、指数を分数にして、分母を にそろえる。すると全部 乗根になり、中身の大小で比べられる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 乗根・ 乗根・ 乗根と、根号の種類がばらばらだ。そのままでは比べられない。

分数指数に直すと 。指数の分母を に通分して、全部を 乗根にそろえる。、、。同じ 乗根なら、中身 の大小がそのまま全体の大小になる。

重要根号の種類がちがうときは、指数の分母をそろえて同じ 乗根に直す

① 指数の分母を にそろえる。

② 乗根の中身で比べる。 中身は 。 乗根は増加なので大小はそのまま。

まとめ: 乗根の大小は指数の分母を最小公倍数にそろえて同じ根号にする。あとは中身(真数)の大小を見るだけでよい。

発展。 「単調な操作(正の範囲での 乗、 をとる、など)は大小を保つ」という原理が、この比較法のもとになっている。対数を学んだ今なら、 をとって を比べる第3の道もある。

と の比較は「 と の比較」になった。一般の 対 の大小は数学IIIで関数 の増減を調べて解決する、よく出るテーマである。

答

別解

「全部 乗してしまう」と、根号が一切出てこない整数の比較になる。比べたい3数はすべて正。正の数どうしなら、 乗しても大小関係は変わらない( が で増加関数だからだ)。

だから、元の3数も 。「何乗すれば全員の根号が消えるか」= 乗根の最小公倍数( の LCM は )を選ぶのがこつだ。通分ルートと6乗ルートは同じ計算の2つの見せ方だが、6乗のほうは「正だから大小が保たれる」という論拠を1行書く責任が伴う。

ポイント

  • 指数の分母を最小公倍数( なら )にそろえる。
  • 同じ 乗根なら中身の大小がそのまま答え。

よくある間違い

  • 乗根の種類が違うまま中身の だけで比べる
  • 乗の計算(、)を取り違える
  • 「 乗しても大小が保たれるのは正の数どうし」という前提の確認を落とす

問3指数方程式(置き換え)

★★ 標準指数方程式置き換え

問題

方程式 を解け。

ヒントを見る

は の 乗で書ける。 を つの文字とみなすと、ただの 次方程式になる。ただし置きかえた文字には『必ず正』という隠れた条件がつく。

解答・解説

方針

に注目。 とおくと の2次方程式になる。ただし なので、 が正であることを最後に確認する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。この読み替えに気づくと、式は の2次式だと分かる。

とおけば 、因数分解して 。ここで置きかえの検問。 は常に正だから、 は捨てる。 だけが残り、 から 。

重要。()とおくと2次方程式になる

① で置き換える。 なので

② 2次方程式を解く。

③ で絞る。 は必ず正なので は不適。 を採用する。

xyOt=4
t=2^x とおくと t²−3t−4=(t−4)(t+1)=0。t>0 より t=4、2^x=4、x=2

まとめ: や が出たら ()で2次方程式にする。 の確認を忘れず、負の解を捨てるのが決め手だ。

発展。 の置きかえには、 という範囲が必ず付いてくる。三角関数の に が付くのと同じ、「置きかえと範囲はセット」の原則だ。

右辺が のようにきれいでない方程式( など)では、 と対数で答える。指数方程式を最後に解く道具が対数であることを、この先の単元で学ぶ。

答

別解

文字 を書かずに、 のまま因数分解する速記もできる。

ここで2つの因数の素性を見る。 は だから常に より大きい。ゼロには絶対なれない。

だから方程式の責任はもう一方が負う。、つまり で、指数を比べて 。

置きかえルートの「 を捨てる」判断が、この書き方では「 だから因数として無害」という一文に置き換わる。同じ検問を、式のどの段階で通すかの違いだ。慣れたら速記、不安なら を書く、と使い分ければよい。

ポイント

  • を見抜いて に置き換える。
  • なので負の は必ず捨てる。

よくある間違い

  • を捨てる理由()を書かずに黙って消す
  • の読み替えに気づかず手が止まる
  • から に戻すとき、 とせず対数を持ち出して遠回りする

問4指数不等式(置き換え)

★★ 標準指数不等式置き換え

問題

不等式 を解け。

ヒントを見る

置きかえで 次不等式に。文字の範囲が出たら、元の指数の式に戻す。戻すときの不等号の向きは底の大きさで決まる。置きかえた文字が正であることも忘れずに。

解答・解説

方針

とおいて の2次不等式にする。 の範囲を出したあと、 に戻して の範囲に直す。このとき底 なので不等号はそのまま。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 前問と同じ ()の置きかえで、今度は2次不等式になる。

から 、つまり 。 とも両立している。最後に に戻す。 で、底 は より大きい(増加関数)から、不等号の向きはそのまま 。「戻すときの向き」の判断が最後の関門だ。

重要()で2次不等式にし、 の範囲を に戻す

① で置き換える。

② 因数分解して の範囲を出す。

(この範囲はすべて を満たすので、置き換えの条件もクリア。)

③ に戻す。 、。底 なので不等号はそのまま。

xyOt=1t=4
t=2^x とおくと t²−5t+4=(t−1)(t−4)≤0 ⟺ 1≤t≤4 ⟺ 0≤x≤2

まとめ:置き換えで の範囲を出したら、 に戻して にする。戻すときの不等号は、底 ならそのまま・底 なら逆。

発展。 「単調増加なら向きそのまま、単調減少なら反転」という戻しの原則は、対数不等式(底が より小さい場合)でこの単元のもう1つの山場になる。指数と対数、同じ原則が2回試される。

の不等式の解が のような「 と交わらない」区間になったら、対応する は存在せず「解なし」。置きかえの範囲との共通部分をとる、という集合の操作が常に裏で動いている。

答

別解

最後の「 から へ戻す」段を、グラフの絵で確かめる習慣をつけたい。 のグラフは、右上がりの単調増加。この絵の上で「 が 以上 以下」の部分に印をつける。

高さ に対応する は 。高さ に対応する は 。単調増加だから、高さの区間 と横位置の区間 が、順序を保ったまま1対1に対応する。

もし底が なら、グラフは右下がりで、高さの区間と横位置の区間の対応が逆転する。不等号が反転するのは、このグラフの傾きの向きのためだ。「戻す前にグラフを1本描く」だけで、反転の要不要を暗記から観察に変えられる。

ポイント

  • の範囲 → に戻して の範囲へ。
  • 戻すときの不等号の向きは底で決まる。

よくある間違い

  • の2次不等式を解いた段階で終わり、 に戻し忘れる
  • 戻すときに不要な不等号の反転をする(底 ならそのまま)
  • の前提を忘れ、 の側の議論を混ぜる

問5指数関数の最大・最小(置き換え)

★★ 標準最大最小置き換え

問題

のとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

置きかえて 次関数へ。ここでは、 の範囲から置きかえた文字の範囲を正しく出すことが大事だ。あとは放物線の頂点と両端の比較。

解答・解説

方針

とおくと は の2次関数になる。まず の範囲から の範囲を出すことが大事だ。そのうえで放物線の頂点と両端を見て、最大・最小を決める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 、。全部が の言葉で書ける。

とおくと の2次関数だ。注意するのは の範囲だ。 の範囲 を、増加関数 に通して 。この区間の中で、放物線の頂点と両端を調べる。

公式平方完成

① で2次関数にする。 、。

② の範囲を出す。 は増加関数なので、 から

③ 放物線で最大・最小を読む。 頂点は (範囲内)で最小、範囲の両端のうち頂点から遠い で最大。

xyO最小(1,2)最大(4,11)
y=(t-1)^2+2(横軸 t=2^x、1/2≦t≦4)。頂点t=1で最小2、右端t=4で最大11

④ に戻す。 は すなわち 、 は すなわち 。

まとめ:指数の最大最小は「 で2次関数 → の範囲を出す → 放物線の頂点と両端を見る → に戻す」。 の範囲を出す一手が最重要だ。

発展。 「置きかえ → 新変数の範囲 → 2次関数 → 元へ戻す」の4段は、(この単元の対数版)でも (三角関数)でも、寸分違わず同じだ。単元をまたいで同じ型が3回出る。高校数学で最もよく使い回される型の1つである。

範囲の端に文字が入る( など)と、2次関数の「軸と区間の位置関係の場合分け」が合流してくる。2つの単元の道具を同時に使う応用問題になる。

答

最大値 ()、最小値 ()

別解

最後の判定は2次関数の単元で使った「候補表」に落とすと確実だ。最大・最小の候補は頂点(範囲内にあるとき)と両端しかない。 で、頂点は 。範囲 に入っている。

候補 対応する
左端
頂点
右端

最小は頂点の ()、最大は右端の ()。置きかえ問題では について2次関数の作法で解き、最後に に戻す。答えの を書き忘れるミスは、表に「対応する 」の列を最初から作っておくと防げる。

ポイント

  • の範囲から の範囲へ、を必ず先に。
  • 頂点が範囲内なら頂点が最小、最大は頂点から遠い端。

よくある間違い

  • の範囲を のまま( の範囲)にする(正しくは に通した )
  • の変形を などと誤る
  • 最大・最小をとる だけ答えて、 に戻し忘れる

問6対数の計算(底の変換)

★★ 標準対数の性質底の変換

問題

の値を求めよ。

ヒントを見る

底がそろっていないのが障害。どちらかの底にそろえる変換をすると、かけ算の中で打ち消し合いが起きる。何が約分されるか。

解答・解説

方針

底がそろっていないので、片方を底の変換で にそろえる。 を底 に直すと が約分で消える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 底が と でばらばらだ。かけ算のままでは進めない。

底の変換公式で、どちらかにそろえる。。すると積は となり、 が約分で消える。残るのは 。底のちがう対数の積では「そろえて約分」が基本だ。

公式底の変換

① 底を にそろえる。 を底 に直す。

② 約分する。 が上下で消える。

まとめ: の形は、底をそろえると必ず約分が起きて になる。ここでは 。

発展。 連鎖の特別な場合 、つまり (逆数の関係)も頻出だ。底と真数をひっくり返すと逆数になる。

底の変換公式の由来は指数の言葉に戻ると見える。 の両辺で底 の対数をとると となり、これを割り算1回で変形したものが公式である。公式群はどれも「指数法則を対数で書き直したもの」だ。

答

別解

この約分は、実は一般法則になっている。「対数の連鎖」だ。

途中の が乗り継ぎ駅のように消える( から へ、 から へ行けば、結局 から だ)。底の変換で書き直せば、約分そのものである。今回は 、、 で

1行で答えが出る。この連鎖の目を持っていると、 のような長い積も、乗り継ぎで最初と最後だけ残ると即読みできる。「対数の積を見たら乗り継ぎを疑う」を覚えておこう。

ポイント

  • (底そろえで約分)。
  • 底の変換は「共通の底に直す」道具。

よくある間違い

  • 底の変換公式の分子・分母を逆にする
  • を とする( なので )
  • 対数の積 を など和の法則と混同する(積をまとめる法則はない。連鎖は特別な形)

問7対数方程式(真数条件)

★★ 標準対数方程式真数条件

問題

方程式 を解け。

ヒントを見る

対数方程式は真数条件の確認から。左辺を つの対数にまとめれば、定義で指数の式に直せる。解の候補が出たら、条件で選別する。

解答・解説

方針

まず真数条件を全部書く( かつ )。左辺を1つの対数にまとめ、定義で外して2次方程式を解く。最後に真数条件を満たす解だけ残す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 対数方程式の作法は、手を動かす前に「真数条件」から。 かつ 、まとめて 。

左辺を和の法則で1つにまとめる。。定義に戻って外すと 。2次方程式を解き、最後に真数条件 の検問を通った解だけを答える。

重要対数方程式は、真数条件をすべて書いてから、和を1つの対数にまとめる

① 真数条件を書く。 真数は両方とも正でなければならない。

② 左辺を1つの対数にまとめる。 和は真数のかけ算。

③ 定義で外して解く。 は 。

よって または 。

④ 真数条件で絞る。 を満たすのは だけ。 は不適。

まとめ:対数方程式は「真数条件 → まとめる → 定義で外す → 条件で絞る」。 のように条件を破る解を必ず落とすのが大事だ。

発展。 「変形すると条件がゆるむ」現象は、2乗する変形( 型の無理方程式)でも同じ形で現れる。同値性が崩れる変形をしたら、最後に最初の条件で確かめる。この作法は方程式全般で使う基本だ。

真数条件は対数関数の定義域()の言い換えである。グラフでいえば「 のグラフは 軸より右にしかない」ということだ。式の作法と、グラフの姿を同じものとして持っておきたい。

答

別解

2次方程式 は、展開して解の公式へ行く前に「整数の感覚」で見抜ける形だ。「積が で、差が の2数」を探している。 と がすぐ見つかる(、)。だから (と、負の側の )。

検算も軽い。 なら 。確かに成立。

もう1つの候補 は真数条件 で落ちる。ここでは、真数条件を「変形前の式」の各真数( と )に課すことが大事だ。まとめた後の で判定すると、 も通ってしまう(負×負=正)。条件は変形でゆるむので、最初に課す。この理屈まで言えると、作法が暗記でなくなる。

ポイント

  • 真数条件は全部の対数について書く。
  • 出た解を真数条件でふるいにかける。

よくある間違い

  • を答えに含める( は定義できない)
  • 真数条件をまとめた後の で課してしまう(変形前の各真数に課す)
  • 和の法則の向きを誤り、 を とする

問8対数不等式(底が1より小)

★★ 標準対数不等式真数条件

問題

不等式 を解け。

ヒントを見る

右辺の数も同じ底の対数として書き直すと、真数どうしの比較に持ち込める。ただし底が より小さいので、不等号の扱いに最も注意する。真数条件も忘れずに。

解答・解説

方針

真数条件 を先に書く。右辺 を同じ底 の対数に直す。底が より小さいので、対数を外すとき不等号が逆になる。最後に真数条件と合わせる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) まず真数条件 、つまり 。

右辺の を、同じ底の対数に直す。。対数を外す段で、底 は より小さい(減少関数)から、不等号が反転する。。真数条件と合わせて だ。

公式底 の対数不等式は、真数を比べるとき不等号が逆になる

① 真数条件を書く。 、つまり 。

② 右辺を同じ底の対数にする。 。

③ 対数を外す(不等号は逆)。 底 なので、真数の大小は逆向き。

④ 真数条件と合わせる。 かつ 。

まとめ:底が より小さい対数不等式は、外すときに不等号を逆にする。さらに真数条件()と必ず合わせて範囲を確定する。

発展。 反転が起きるのは、グラフの向きのためだ。 は右下がりで、「値が大きい ⟺ 真数が小さい」。指数不等式で底 のときに反転したのと、まったく同じ現象である。

底に文字が入る のような問題では、「 か か」の場合分けが正面から問われる。この問題の2つの処理の仕方(外すとき・そろえるとき)のどちらでも扱えるようにしておくと、その応用が軽くなる。

答

別解

反転のタイミングを1回に固定したいなら、最初に底を に変換してしまう手がある。 だから、底の変換で

不等式は 、両辺を 倍して(ここで反転)

底 は より大きいから、あとは何も反転せず 。真数条件と合わせて 。

「底が 未満の対数=マイナス1個ぶん」と最初に清算しておけば、以降は底 の対数だけで安心して進める。反転を「対数を外す瞬間」に払うか、「底をそろえる瞬間」に払うかは、支払いのタイミングが違うだけで、総額は同じである。

ポイント

  • 底 は不等号が逆。真数条件も同時に。
  • を に直してから比べる。

よくある間違い

  • 底が より小さいのに不等号をそのままにして とする
  • 真数条件 との共通部分を取り忘れる
  • の対数化で の計算を誤る

問9対数関数の最大・最小(置き換え)

★★ 標準最大最小置き換え

問題

のとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

まず を係数の形に直す。そのうえで を つの文字とみなすと 次関数になる。 の範囲から文字の範囲を出して、放物線で考えよう。

解答・解説

方針

に直すと、 の2次関数になる。 の範囲から の範囲を出し、放物線の頂点と両端を調べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と 。よく似た2つは別物だ。後者は と1次に開ける。

とおくと の2次関数になる。ここでも注意するのは の範囲だ。 を に通して 。この区間で頂点と両端を調べる。

公式、平方完成

① を直して置き換える。 なので、 とおくと

② の範囲を出す。 は増加関数なので、 から

③ 放物線で読む。 頂点 (範囲内)で最小、頂点から遠い端 で最大。

xyO最小(1,2)最大(3,6)
y=(t-1)^2+2(横軸 t=log_2 x、0≦t≦3)。頂点t=1で最小2、右端t=3で最大6

④ に戻す。 は すなわち 、 は 。

まとめ:対数の最大最小も「 を1文字 に → の範囲 → 放物線」。まず と直して1文字にまとめるのがコツだ。

発展。 が使えたのは の範囲だからだ。 が負も動く一般の場面では と絶対値が要る。2乗があるので真数は負にならず、その分だけ条件がゆるむ。この差を見落とすと、方程式で解が増えたり減ったりする。

置きかえの2次関数という形は指数版とまったく同じ。2問をセットで復習すると、「新変数の範囲」がこの単元のどの問題でも大事なことがよくわかる。

答

最大値 ()、最小値 ()

別解

指数の問題(同じ2次式 が出た問題)と並べて見ると、この単元の設計が見える。そちらでは で範囲 、今回は で範囲 。中身の2次関数はまったく同じだ。候補表で仕上げる。、頂点 は範囲内。

  • 左端 ():
  • 頂点 (): (最小)
  • 右端 (): (最大)

指数と対数は互いに逆関数だから、置きかえた先の形も逆の関係になる( は の等差を の等比に、 は の等比を の等差に変える)。 が と等間隔に並ぶのが、その鏡の証拠だ。

ポイント

  • で1文字にまとめる。
  • の範囲 → の範囲へ。

よくある間違い

  • と を混同する
  • の範囲 を出さずに全実数で頂点だけ見る
  • 最小をとる を に戻し忘れる

問10常用対数と桁数

★★ 標準常用対数桁数

問題

は何桁の数か。ただし 、 とする。

ヒントを見る

を素因数分解すれば、 は与えられた つの値の組み合わせで書ける。あとは桁数と常用対数の関係に乗せるだけ。

解答・解説

方針

と素因数分解して を与えられた値で表す。 の整数部分に を足せば桁数。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 桁数は常用対数の整数部分で決まる。 が 桁 ⟺ ⟺ の整数部分が 。

と分解して、与えられた値で

整数部分 に を足して 桁だ。

公式桁数 、

① を求める。 。

② を計算する。 指数は前に出せる。

③ 整数部分に を足す。 なので

まとめ:桁数は「素因数分解して を与えられた値で表す → 倍 → 整数部分 」。 は が 台(11桁)を意味する。

発展。 別解の「小数部分が先頭の数字を決める」は、最高位の数字を問う発展問題そのものの解法だ。桁数と最高位はワンセットで出題される。

という近似( の由来)を知っていると、桁の見積もりが暗算でできる。情報科学で「2の10乗=約1000」(キロ)として日常的に使われている感覚である。

答

桁

別解

「+1」を公式でなく、 のべきの挟み撃ちで毎回導くと、ずれのミスがなくなる。 は

と読める。 は と の間の数だから、 は「 の何倍か(〜 倍)」で表せる。つまり 台の数で、 桁だ。

おまけに、 の値を見積もると先頭の数字までわかる。、 だから、 はその間。 は で始まる 桁の数である(実際 )。

小数部分が「先頭の数字」を、整数部分が「桁数」を決める。常用対数の2つの部分から、数の大きさがくわしく分かる。

ポイント

  • は で作る。
  • 桁数 。

よくある間違い

  • 桁数を の整数部分そのもの( 桁)としてしまう( が要る)
  • の分解を とする( で )
  • を四捨五入して とし、たまたま合う(境界の値で破綻する処理)

問11小数首位(0が続く個数)

★★ 標準常用対数小数首位

問題

を小数で表すと、小数第何位に初めて でない数字が現れるか。ただし とする。

ヒントを見る

『小数第何位に初めて数字が現れるか』も、常用対数の値から読める。桁数のときの考え方を より小さい数へ広げてみよう。まず の値を計算する。

解答・解説

方針

をとる。値が より小さいので は負。 なら、 は 台なので、小数第 位で初めて でない数字が出る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) より小さい正の数では、常用対数が負になる。その整数部分の読み方がこの問題の主題だ。

。 だから、 は 台。小数第 位で初めて でない数字が現れる。「 と の間」という負の数の挟み方を、数直線で確かめながら進めるのが安全だ。

公式 のとき、初めて でない数字は小数第 位

① をとる。

② どの の間かを見る。 は と の間。

③ 位を読む。 台なので、初めて でない数字は小数第 位に現れる。

まとめ:小数首位は「 が 台( と の間)なら第 位」。桁数の話の裏返しで、負の指数の整数部分を見ればよい。実際 で、確かに第 位から始まる。

発展。 別解の対応(分母が 桁 ⟺ 逆数は第 位に初めて数字)は、 のように分母が ちょうどでない限り成り立つ。境界( など)だけ例外になるので、端を確かめる習慣がここでも役に立つ。

「とても小さい数の大きさを桁で表す」のは、原子の大きさ( m)や確率の見積もりなど、科学の記法(浮動小数点)の基礎そのものだ。

答

小数第 位

別解

逆数の「桁数」に言い換えると、前問の知識がそのまま使える。。分母の桁数を調べよう。 だから、 は 桁の数(実際 )。

桁の数の逆数は より大きく 以下になる。 ちょうどでなければ、小数第 位で初めて でない数字が出る。

確かに第 位に が現れている。「 桁の数の逆数は、小数第 位に初めて数字が立つ」( ちょうどのときを除く)という対応で、桁数の問題と小数首位の問題は同じ1つの問題の表裏になる。

ポイント

  • が負のとき、その値がどの整数の間かを見る。
  • 台 → 小数第 位。

よくある間違い

  • の整数部分の挟み方を誤る( と の間)
  • 桁数の公式()と小数首位の読みを混同して第 位と答える
  • の符号を落として正の数として処理する

問12常用対数の文章題(倍増)

★★ 標準常用対数文章題

問題

ある細菌は 時間ごとに個数が 倍になる。個数が最初の 倍を超えるのは何時間後か。ただし とする。

ヒントを見る

時間後の倍率を式にして、 倍を超える条件を不等式に。両辺の常用対数をとれば の 次不等式になる。答えは『それを超える最小の整数』。

解答・解説

方針

時間後は 倍。 を満たす最小の整数 を、両辺の をとって求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 時間後は 倍。「 倍を超える」を式にすると 。

指数の不等式は両辺の常用対数をとって次数を下ろす。、つまり

これを満たす最小の整数は 。「超える最小」だから切り上げ、が最後の判断である。

公式両辺が正なら

① 条件を式にする。 時間後は 倍なので、条件は

② 両辺の をとる。 。

③ 最小の整数を選ぶ。 は より大きい最小の整数、つまり 。

よって 時間後。

xyOy=1000約10
個数 2^t が 1000 を超えるのは 2^t>1000。t≈9.97 より 10時間後

まとめ:「何倍を超えるのは何回後か」は の形。 をとって の下限を出し、それを超える最小の整数を選ぶ。最後に で確かめると安心だ。

発展。 倍々の成長(指数的増加)は直感を裏切る速さを持つ。 時間で 倍なら、 時間で 万倍、 時間で 億倍。「等間隔の時間で等倍」という指数の性質を、対数が「掛け算を足し算に」直して手なずけている。

半減期(倍々の逆)、複利、感染の初期増加など、この計算の型は理科や社会の定量的な議論にそのまま使える。数学IIの中でも、実生活との接点が特に太い問題である。

答

時間後

別解

のべきの常識、 を知っていれば、対数を使わずにすぐ答えが出る。

時間後はまだ 倍で足りず、 時間後に 倍で初めて 倍を超える。答えは 時間後。「じゃあ対数は要らないのか」というと、そうではない。 倍が 億倍()になったら、 を満たす をべきの暗記で探すのは無理で、 と対数が必須になる。

小さい数では検算に、大きい数では本線に。 という関係( の由来)は、両者をつなぐものとして覚えておくとよい。

ポイント

  • 「 倍を 回」= 倍。
  • をとって を評価し、整数で答える。

よくある間違い

  • を切り捨てて とする(超える最小は切り上げ)
  • 「 倍を超える」と「 倍以上」の区別(等号の扱い)を曖昧にする
  • を桁数の と混同する