数学II / 指数関数・対数関数

指数関数・対数関数 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 連立した指数方程式
  2. 底が逆数の対数を含む方程式
  3. 対数不等式(真数条件つき)
  4. 累乗の桁数と最高位の数字
  5. 指数関数の最小値(置き換え)
  6. 指数不等式を満たす最小の整数
  7. 対数を文字で表す(底の変換)
  8. 累乗の大小比較

問1連立した指数方程式

★★★★ 難関指数方程式連立解と係数

問題

連立方程式 を解け。

ヒントを見る

とおくと、。 と が分かるので、 を解とする 次方程式が作れる。

解答・解説

方針

()とおくと、、。 は和 ・積 の 数だから の解。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 指数の連立方程式。 が指数の肩に乗ったままでは扱えない。

と をひとかたまりの文字に置き換える。、()。すると 。もう 本は 。

「和 ・積 の 数」なので、 は 次方程式 の解。

重要()とおくと、和と積から は の解

① 文字におく。 ()とすると

② 次方程式にする。 は和 ・積 の 数だから

ともに正なので を満たす。

③ に戻す。 または 。、 より

まとめ:指数の連立は「 とおいて和と積 → 次方程式」。 となるのが要。 の確認を経て指数に戻す。対称なので 組の解が出る。

発展。 「和と積が分かれば、その 数は の解」は対称式の要。 と という基本対称式に置き換えたので、 を個別に追わずに 次方程式本で決まる。連立を対称式に直す典型だ。

答

別解

別解: の累乗を目算で見つける(苦手な人向けの直感ルート)。 と は「 の累乗」。足して 、掛けて になる の累乗の組を探す。

の累乗は 。この中で「和 ・積 」になるのは と 。実際 、。

だから 。 なら 、 なら 。組み合わせて 。 の置き換えで 次方程式を解く本解と、同じ 数 にたどり着く。小さい累乗どうしの和と積なら、目算で候補を見つけられる。

ポイント

  • で 。
  • → 、。

よくある間違い

  • の条件 を忘れ、 次方程式の負の解も採用してしまう(本問は で問題ないが習慣として要確認)。
  • の関係を使わず、 を別扱いして連立できない。
  • から を戻すとき、 と の片方だけしか書かない。

問2底が逆数の対数を含む方程式

★★★★ 難関対数方程式底の変換

問題

方程式 を解け(ただし )。

ヒントを見る

は底の変換で の逆数。 とおくと 。分母を払って の 次方程式に。

解答・解説

方針

底の変換 を使う。 とおくと という分数方程式になり、 の 次方程式に直せる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と が混ざっている。底が と でバラバラだ。

底の変換で と書ける。 つは逆数の関係だと気づく。そこで とおくと、方程式は 。

分母を払えば の 次方程式。解いてから に戻す。

公式底の変換

① 置きかえる。 とおくと 。方程式は

② 次方程式にする。 両辺に を掛けて

より 。

③ に戻す。 、。どちらも を満たす。よって

まとめ:底が逆の対数は「底の変換で逆数」。 の置換で となり、 次方程式に。 を に戻す。真数条件 の確認も忘れない。

発展。 の形は「相反(逆数対称)」の香り。 なら相加相乗平均で 、最小 は ()。本問の右辺 は より大きいので解が つ、というのも図で見える。 は でだけ実数解をもつ。

答

別解

別解: 解が「逆数の関係」だと見抜く(得意な人向けの視点)。 とおくと、方程式は 。左辺は と の和で、 と入れ替えても形が変わらない。

だから解 が見つかれば も解。 解は互いに逆数、つまり積が の関係。 から 、解と係数の関係で積は 。確かに逆数ペア。実際 と 。

に戻すと と 。この つは が逆数、すなわち 。 の 次方程式を解く本解と同じだが、「逆数の対称性」に気づくと解の構造が先に見える。

ポイント

  • 、 で 。
  • → → 。

よくある間違い

  • を底の変換せず、 と別の文字のまま扱って詰まる。
  • の分母を払うとき、(つまり )の確認を飛ばす。
  • から を出さず、 と取り違える。

問3対数不等式(真数条件つき)

★★★★ 難関対数不等式真数条件

問題

不等式 を解け。

ヒントを見る

対数の不等式は、まず真数が正である条件を押さえる。左辺を つの対数にまとめ、 と比べる。底が より大きいので不等号の向きはそのまま。最後に真数条件との共通範囲。

解答・解説

方針

まず真数条件 かつ から 。左辺を にまとめ、 と比べる。底 だから真数の大小がそのまま。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 対数の不等式。まず気をつけるのは真数条件。 の中身は正でなければならない。

かつ から 。この条件を最初に確保する。ここを飛ばすと答えを間違える。

次に左辺を と つにまとめる。右辺は 。底 だから、 の大小は真数の大小と同じ向き。真数どうしを比べればよい。

重要対数不等式は ①真数条件( の中身 )を先に ②底 なら真数の大小がそのまま

① 真数条件。 かつ より 。

② つにまとめて比べる。 左辺 、右辺 。底 だから

③ 次不等式を解く。 、すなわち 、 より 。

④ 共通範囲。 真数条件 と合わせて

まとめ:対数不等式は「真数条件 → まとめて比較 → 共通範囲」。真数条件 を先に押さえないと、 をそのまま答える誤りに陥る。底 なので不等号はそのまま(底が 未満なら反転)。

発展。 対数不等式は「真数条件 → 底で向きを判断 → 真数の不等式」の三段が原則だ。底 が なら は減少関数で、真数の不等号が逆転する。底が をまたぐかどうかで結論が反対になるので、底のチェックが命だ。

答

別解

別解:数直線で「 つの条件の重なり」を見る(苦手な人向けの視覚ルート)。 この問題は つの条件を同時に満たす を探す。数直線で重ね合わせると分かりやすい。

条件(真数条件): の中身が正。 かつ 、厳しいほうを取って 。条件(不等式本体): を展開すると 、因数分解して 、すなわち 。

数直線に と を並べ、両方が重なる部分を読む。重なりは 。左辺をまとめて と比べる本解と同じ。真数条件()を先に数直線に置いておくと、うっかり を答えに含めるミスを防げる。

ポイント

  • 真数条件 。
  • → 、共通範囲 。

よくある間違い

  • 真数条件 を最初に立てず、 をそのまま答えにする(最頻の誤り)。
  • を つにまとめず、 の形で扱い場合分けを増やす。
  • の右辺 ()を と書き間違える。

問4累乗の桁数と最高位の数字

★★★★ 難関常用対数桁数最高位

問題

は何桁の整数か。また、その最高位の数字を求めよ。ただし 、 とする。

ヒントを見る

を求める。 に注意。桁数は 。最高位は対数の小数部分から を評価する。

解答・解説

方針

を計算する。桁数は「整数部分 」。最高位は、小数部分 に対して が何と何の間かで決まる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 大きな数 の桁数と最高位を求める。実際に計算はできない。

桁数は常用対数()で分かる。 の整数部分に を足すと桁数。まず を、 を使って と の対数で計算する。

最高位は、 の小数部分 から が何と何の間かで決まる。

公式 の桁数 。 のとき最高位は が入る整数区間で決まる

① 常用対数を計算する。 より

② 桁数。 整数部分は だから、桁数は

③ 最高位。 小数部分は 。、 で

よって最高位の数字は 。

まとめ:桁数・最高位は「常用対数を整数部分 + 小数部分に分ける」。整数部分 → 桁。小数部分 を ではさんで最高位 。 の分解が計算の決め手だ。

発展。 桁数 、最高位 の整数部( は小数部分)。 の整数部が「大きさの桁」、小数部が「先頭の数字の模様」を担う。ベンフォードの法則(自然界の数の最高位が に偏る)も、この小数部の分布から説明される。

答

桁、最高位の数字は

別解

別解: と素因数で開く(得意な人向けの視点)。 だから 。

常用対数は積を和にほどく。

整数部分 に を足して 桁。最高位は小数部分 で決まる。、 だから 。よって 、最高位は 。

を「 個の因子」として とする本解と、 に開くこの解は、掛ける順序が違うだけで同じ 。素因数の肩を先に 倍しておくと、 と の対数がそのまま係数になって見通しがよい。

ポイント

  • 。
  • 整数部分 → 桁、小数部分 が で最高位 。

よくある間違い

  • 桁数を「整数部分」そのものとし、 を忘れて 桁と答える。
  • 最高位を、小数部分でなく整数部分から求めようとする。
  • 小数部分 の位置を、 と ではなく別の値と比べて最高位を誤る。

問5指数関数の最小値(置き換え)

★★★★ 難関最大・最小置き換え指数

問題

関数 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

、。 とおくと の 次関数。ただし の範囲に注意して最小を求める。

解答・解説

方針

、 に注意して ()とおくと、 という の 次関数になる。 の範囲で平方完成して最小を調べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。指数がいくつも出てくるが、じつは全部 で書ける。

、。共通の が見える。そこで とおくと 。見慣れた 次関数だ。

ただし は必ず正。 の範囲で最小を調べることが大事だ。

重要 とおくと 。指数の最大最小は、この の範囲つきで 次関数として調べる

① の式にそろえる。 、。()とおくと

② 平方完成する。

xyO最小 1
t=2^x(>0)とおくと y=(t−2)²+1。頂点 t=2 は t>0 に入り、最小 1(x=1)

③ 最小を決める。 頂点 は範囲 に入るので、 で最小 。このとき より 。

まとめ:指数の最大最小は「 で 次関数化 + の範囲」。、 の書きかえが要。頂点 が に入るので、そのまま最小 。もし頂点が範囲外なら端で最小になる。

発展。 のように「置き換えて次関数に落とす」とき、置換後の変数の範囲()を必ず引き継ぐ。頂点がその範囲の外なら、最小は端でとる。指数・対数・三角の最大最小は、この「置換 変域」が共通の基本だ。

答

のとき最小値

別解

別解:完全平方を一目で見抜く(得意な人向けの視点)。 を で書き直すと 。

の形は、 に したもの。つまり

乗は必ず 以上だから、。等号は 、すなわち で のとき。最小値は 。 とおいて平方完成する本解と同じだが、 と完全平方をその場で見抜けば、置き換えの手続きなしに最小が読める。 が解ける()ので、頂点に確かに届く点も確認しておく。

ポイント

  • で 。
  • 頂点 は範囲内 → 最小 ()。

よくある間違い

  • 、 の書き換えに気づかず、 の 次にできない。
  • 平方完成の頂点 が の範囲にあるか確認せず、いきなり最小と決める。
  • から を戻すのを忘れ、 のまま「」と答える。

問6指数不等式を満たす最小の整数

★★★★ 難関常用対数指数不等式

問題

を満たす最小の整数 を求めよ。ただし とする。

ヒントを見る

両辺の常用対数をとると、 についての 次不等式になる。 を計算して、これより大きい最小の整数を選ぶ。

解答・解説

方針

両辺の常用対数をとる。 ⟺ 。 を計算し、これを超える最小の整数を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を満たす最小の 。両辺とも巨大で直接は比べられない。

指数の肩の を下ろしたい。そのための道具が対数。両辺の常用対数をとる。

は増加関数だから、 と は同値。、すなわち 。これを超える最小の整数を探す。

公式()⟺ (両辺の常用対数をとる)

① 常用対数をとる。 の両辺の常用対数をとると( は増加関数だから不等号はそのまま)

② の範囲。

③ 最小の整数。 を満たす最小の整数は 。

(確認:、。確かに で初めて超える。)

まとめ:指数不等式は「両辺の常用対数」で の 次不等式に。 を超える最小の整数 。境界の で実際に確かめると安心。

発展。 は「底の入れ替えで対数は逆数になる」性質()。 と の間を対数が橋渡しし、片方の値からもう片方が出る。大きな数を「小さい底の何乗か」で表すのは、対数の最も基本的な使い方だ。

答

別解

別解: を の累乗で書き直す(得意な人向けの視点)。 を「 が の何乗か」で捉える。

だから 。ここで 。よって 。

となる最小の整数 は 。両辺の常用対数をとって とする本解と、指数を同じ底 にそろえるこの解は同じ。 と底がそろえば、指数を比べるだけで が見える。

ポイント

  • 常用対数をとり 。
  • → 最小の整数 。

よくある間違い

  • 対数をとる向きを誤り、 と不等号を逆にする。
  • から最小整数を とする( を超える最小は )。
  • の常用対数で、右辺 を と混同する。

問7対数を文字で表す(底の変換)

★★★★ 難関底の変換対数の値

問題

、 とするとき、 を を用いて表せ。

ヒントを見る

底の変換で底を にそろえる。 を素因数分解し、 と で表す。 は と の積で出る。

解答・解説

方針

底を にそろえる。。、 と分解し、 を使って で表す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 、 で を表す。底がバラバラ()なのが難しさ。

方針は「底を つにそろえる」。ここでは が底 の対数なので、底を に統一する。。あとは 、 と素因数分解する。

は直接は与えられていないが、(底の変換の連鎖)で作れる。

公式底の変換 。連鎖

① 底を にそろえる。

② 素因数分解する。 、 だから

③ を で。 。また 。よって

④ まとめる。

まとめ:対数を文字で表すのは「共通の底にそろえて素因数分解」。底 にそろえ、、 を使う。 という連鎖(底の変換)がつなぎ目になる。

発展。 は、底の変換公式 。 と橋を架けるように対数を連結できる。どんな底の対数も つの共通の底(自然対数など)に集約すれば四則で扱える、という自由度の高さが、この公式の利点だ。

答

別解

別解:底を にそろえる(別ルートで同じ答え)。 は底 、 は底 。本解は底 に統一したが、底 に統一しても解ける。

。ここで だから 。。よって

底 で を使う本解と同じ式。どの底にそろえても答えは一致する。 が底 の対数なので、底 にそろえると がそのまま出て少し自然だ。

ポイント

  • 底の変換で 。
  • を使い 。

よくある間違い

  • 底を統一せず、 の対数が混ざったまま計算して行き詰まる。
  • が直接与えられていないのに、 の連鎖に気づかない。
  • 、 の素因数分解を誤り、 を組み立て損ねる。

問8累乗の大小比較

★★★★ 難関常用対数大小比較

問題

、、 を大きい順に並べよ。ただし 、 とする。

ヒントを見る

そのままでは比べられない。 をとると指数が下りてきて比べられる。 は増加関数なので、対数の大小 = 元の数の大小。。

解答・解説

方針

指数が大きすぎて直接は比べられないので、それぞれの常用対数(底 )をとって比べる。 は増加関数だから、対数の大小がそのまま元の大小。 を使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の大小。指数が大きすぎて、そのままでは比べられない。

肩の数を下ろす道具は対数。それぞれの常用対数をとる。 は増加関数だから、対数の大小がそのまま元の数の大小になる。

は与えられている。 で作れる。

重要 は増加関数。。大きな累乗の大小は常用対数で比べる

① それぞれの常用対数。

② 大小を比べる。 だから、 の大小より

まとめ:大きな累乗の大小は「常用対数をとって数値比較」。 は増加関数なので対数の大小 = 元の大小。 で を作るのが小技。指数を下ろすことで、桁の違う数どうしが横並びで比べられる。

発展。 指数に共通の約数があれば、その乗根でそろえて底を比べるのが最速(対数表いらず)。 のように小さな数の比較に落ちる。指数がそろわないときだけ対数を使う、と使い分けると計算が軽い。

答

別解

別解:指数の最大公約数でそろえる(対数を使わないルート)。 指数 の最大公約数は 。 乗の形にそろえて、中身(底)だけを比べる。

肩はすべて でそろった。 乗は増加だから、底の大小がそのまま。 なので

常用対数をとる本解と同じ順序。指数に共通の約数があるときは、その乗根でそろえると という小さな数の比較に落ち、対数表なしで決着する。

ポイント

  • をとって 。
  • は増加関数 → 。

よくある間違い

  • を与えられていないと諦める( で作れる)。
  • 対数の大小と元の数の大小が逆だと思い込み、順序を反対に並べる( は増加関数)。
  • の対数を でなく のように底と指数を取り違える。