数学II / 指数関数・対数関数

指数関数・対数関数 実戦編の問題 全8問

難関大の総合問題。複数の単元を融合した単元横断の演習

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 2の1000乗の桁数(常用対数)
  2. 指数不等式(2^x の置換で2次)
  3. 底の変換の連鎖(積が望遠鏡)
  4. 対称式(2^x+2^{−x} から 8^x+8^{−x})
  5. 対数の置換による最大・最小
  6. 指数の大小比較(対数をとる)
  7. 指数不等式を満たす最小の自然数(常用対数)
  8. 対数方程式(両辺の対数をとる)

問12の1000乗の桁数(常用対数)

実戦編指数対数常用対数桁数単元横断

問題

とする。 は何桁の整数か求めよ。

ヒントを見る

を計算。 桁 整数部分が 。

解答・解説

方針

常用対数をとり、 を計算する。桁数は「(常用対数の整数部分)」。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を計算するのは論外。「桁数」を聞かれたら常用対数だ。

理由は桁数の仕組みにある。3桁の数は 以上 未満、つまり常用対数が 台。一般に、桁数は「常用対数の整数部分 」で決まる。

だから を計算し、整数部分を読めばよい。指数の が対数では掛け算の 倍に降りてくる。

重要正の整数 の桁数

① 常用対数をとる。 ② 桁数。 整数部分は なので (実際 で 桁。)

まとめ 、桁数 桁。常用対数と桁数の融合。指数を対数で「大きさの位取り」に変えれば解ける。

発展。 の小数部分 は、最高位の数字を教える。 だから 、先頭は (実際 で始まる)。整数部分が桁数を、小数部分が最高位を決める。常用対数を見れば、大きな数のおおよその位置がすべて分かる。

答

。桁数は 桁。

別解

別解: で見積もる(得意な人向けの高い視点)。 対数表がなくても、 という常識から桁数は見積もれる。

補正係数 の大きさを測る。 は「 の複利を 回」で、およそ 倍になる( より )。

台の数だから 桁。しかも先頭の数字が であることまで見える(実際、 で始まる)。「 のずれ が 回でひと桁分たまる」という概算は、対数の計算の検算として役に立つ。

ポイント

  • 桁数 。
  • 。
  • 桁数 。

よくある間違い

  • 桁数を とする( を忘れる。3桁の数の は 台、が対応の確認)。
  • から「 桁」と即断する(整数部分 なら 台、つまり 桁)。
  • と等号で書いてしまう(正しくは の挟み。真の値は )。

問2指数不等式(2^x の置換で2次)

実戦編指数対数指数不等式置換2次不等式単元横断

問題

不等式 を解け。

ヒントを見る

とおくと 、。 の 次不等式に。最後に を に戻す。

解答・解説

方針

で置換して の 次不等式にする。 に注意しつつ解き、 を に戻す(指数関数は単調増加)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と が混ざっている。底をそろえると 、 となり、すべて のかたまりで書ける。

そこで とおく。不等式は という、ただの2次不等式になる。置換したら範囲に注意。 は常に正だ。 の範囲を解いたら、最後に指数関数の単調性で の範囲へ戻す。

重要 とおくと 。指数関数 は単調増加

① 置換。 ()とおくと ② 次不等式。 ( を満たす)。

③ に戻す。 、すなわち 。 は単調増加だから

xyOt=2t=4
t=2^x とおくと t²−6t+8=(t−2)(t−4)≤0 ⟺ 2≤t≤4 ⟺ 1≤x≤2

まとめ で 、 を に戻して 。指数不等式と 次不等式の融合。単調性で不等号を保つのが要。

発展。 底を に変えた の同じ不等式では、 を戻す最後の一手で不等号が反転し、解は になる。置換と2次不等式は同じでも、「戻し」の単調性(増加か減少か)だけが答えの向きを決める。

答

とおくと 。。。

別解

別解:値の表で当たりをつけてから証明する(苦手な人向け)。 いきなり置換せず、左辺 に整数を入れて表を作ってみる。

と でちょうど になり、間で負、外で正になる。解は らしい、と見当がつく。

見当がつけば、あとは証明だ。 の置換で と因数分解できることから、表の「ちょうど になる2点」(、つまり )が現れた理由が分かる。実験 → 構造の発見 → 証明、の順で進むと置換の意味がよく見える。

ポイント

  • で 次不等式に。
  • 、。
  • 単調増加で 。

よくある間違い

  • を と読む(。指数法則の混同)。
  • の断りを忘れる(今回は解の区間が正なので無事だが、負の解をもつ2次だと余計な解を拾う)。
  • の範囲から へ戻すとき、「底 だから単調増加で不等号の向きは保たれる」の一言を飛ばす。

問3底の変換の連鎖(積が望遠鏡)

実戦編指数対数底の変換積望遠鏡単元横断

問題

の値を求めよ(各因数は 、)。

ヒントを見る

に統一。積で分子・分母が次々消える。残るのは 。

解答・解説

方針

各対数を共通の底(自然対数など)に変換すると、分子と分母が次々に打ち消し合う(望遠鏡積)。残るのは両端。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 底がバラバラの対数の積。まず全部を同じ底にそろえたくなる。

底の変換公式で (底は何でもよい)。すると積は

分数の鎖 になり、分子と分母が隣どうしで消えていく(望遠鏡)。残るのは最初の分母と最後の分子だけだ。

定理底の変換 (共通の底 )

① 共通の底にそろえる。 各因数を自然対数で書くと ② 望遠鏡積。 分子の が次の分母と打ち消し合い、残るのは ③ 値。 より 。

まとめ底の変換で の積 → 望遠鏡で両端だけ残り 。底の変換と望遠鏡積の融合。

発展。 「乗数の合成」 は底の変換公式の本体である。この連鎖の構造は微分の連鎖律 とよく似ている。「変化率の乗り継ぎ」と「乗数の乗り継ぎ」は同じ発想だ。

答

底の変換 。積は 。

別解

別解:「何乗するか」の連鎖で読む(苦手な人向け)。 とは「 を何乗すると になるか」という数だ。

、 とすると、 を 乗して 、その を 乗して 。つまり となり、乗数は掛け算で合成される。この連鎖を最後までつなぐ。 と乗り継ぐと、乗数の総積は「 を何乗すると になるか」、すなわち に等しい。

底の変換公式(本解)を使わずに、「対数=乗数」の定義だけで着地した。分数の約分に見えた望遠鏡の形は、乗り継ぎの合成を表していたのである。

ポイント

  • 底の変換で共通の底にそろえる。
  • 分子・分母が打ち消す望遠鏡積。
  • 残る 。

よくある間違い

  • 底の変換 の分子分母を逆にする。
  • 望遠鏡で残る因子を取り違える(消えるのは中間、残るのは最初の分母 と最後の分子 )。
  • 最後の を暗算で誤る( の確認を一度する)。

問4対称式(2^x+2^{−x} から 8^x+8^{−x})

実戦編指数対数対称式3乗単元横断

問題

のとき、 の値を求めよ。

ヒントを見る

。、。。

解答・解説

方針

とみて、 の 乗の和を対称式 で表す。 を使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。つまり聞かれているのは、、 とおいたときの だ。

は与えられている。そして となる。積が自動的に になるのが、この形のいちばんの利点である。

和と積が分かれば、対称式は全部計算できる。 に流し込むだけだ。

重要。 で

① 乗の和に。 ()。

② 対称式で表す。 、。

まとめ ()。指数と対称式の融合。 と が要。

発展。 の値も求まる。 から は の解 。大きい方は黄金比 の2乗である( から確かめられる)。対称式の問題の裏に、黄金比がひっそり座っていた。

答

。(、)。。

別解

別解:漸化式で次々に作る(得意な人向けの高い視点)。 とおくと、 を掛けることで

( と の交差項が になる。)初期値 、 から回すと

。しかも途中で もタダで手に入る。この漸化式は の対称式とまったく同じ構造で、 と、いくらでも先へ進める。

ポイント

  • で の形に。
  • 。
  • 。

よくある間違い

  • に気づかず、 の を未知のまま止まる。
  • を と読む(正しくは 。底の統一と指数法則の混同)。
  • 2乗経由()と3乗の公式を混ぜて係数を取り違える(どちらの道でも に着くが、混ぜると間違える)。

問5対数の置換による最大・最小

実戦編指数対数対数置換2次関数最大・最小単元横断

問題

のとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

とおくと は 。 を平方完成。頂点と端点で最大最小。

解答・解説

方針

で置換し、 の範囲を の範囲に直す。 の 次関数を平方完成し、閉区間で最大最小を調べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) が2か所に現れる。同じかたまりは1文字にするのが基本で、 とおく。

置換したら、範囲の置き換えを忘れない。 は の単調増加により に写る。あとは閉区間上の2次関数 の最大最小。平方完成して頂点と端点を見比べ、最後に を に戻して答える。

重要、。

① 置換と範囲。 とおく。、。 は単調増加だから 。

② 次関数に。 下に凸、頂点 (範囲内)。

③ 最大・最小。

  • 最小:頂点 (=)で 。
  • 最大:頂点から遠い端 (=)で ( では )。

よって最大値 ()、最小値 ()。

xyO最小−1最大313
t=log₂x とおくと y=(t−1)²−1(0≤t≤3)。頂点 t=1 で最小−1、端 t=3 で最大3。

まとめ で 、。最小 ()、最大 ()。対数(置換)と 次関数の融合。範囲の変換を忘れない。

発展。 「零点の相乗平均が最小点」は偶然ではない。 は の置き換えで不変(2つの因数が入れ替わるだけ)で、この対称の中心が 。ふつうの放物線の「軸対称」は、対数を通すと「逆数型の対称」に変わる。

答

とおくと 。。(=)で最小 、(=)で最大 。

別解

別解:積の形にして「零点の相乗平均」を見る(得意な人向けの高い視点)。 を因数分解してみる。

となるのは と 。放物線(の対数版)の対称軸はこの2つの零点の「真ん中」にある。ただし対数の目盛りでの真ん中だから、算術平均でなく相乗平均 。実際、最小は で起きている( で見たときの軸 は )。

ふつうの放物線の軸が零点の算術平均であるのに対し、 を通した放物線の軸は零点の相乗平均になる。「対数は掛け算を足し算に変える」という性質が、最大最小の位置にまで現れている。

ポイント

  • 、範囲は 。
  • (下に凸、頂点 )。
  • 最小 ()、最大 ()。

よくある間違い

  • 範囲の置き換えを誤る( は 。左端は で、 からではない)。
  • 下に凸の2次で最大を頂点と答える(頂点は最小。最大は区間の端 で起こる)。
  • の値で答えて終わる(最小は 、最大は と、元の変数に戻すまでが答え)。

問6指数の大小比較(対数をとる)

実戦編指数対数大小比較常用対数単元横断

問題

とする。 つの数 を大きい順に並べよ。

ヒントを見る

対数をとると など。、。数値を比べる。

解答・解説

方針

指数が大きく直接比較できないので、常用対数をとって指数を前に出す。、 を使って数値化し比べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と と のように、指数も底も違う大きな数は、そのままでは比べられない。

大小比較では、常用対数をとるのが基本だ。 は単調増加だから、対数の大小がそのまま元の数の大小になる。指数が前に降りて 、、。与えられた つの値だけで全部が数値になる。

重要。、

① 対数をとる。 ② 大小。 。対数は単調増加だから元の数も同じ順。

5²²4³³3⁴⁴15.419.921.0
常用対数の値で比較: log(5²²)=15.4 < log(4³³)=19.9 < log(3⁴⁴)=21.0 → 5²²<4³³<3⁴⁴

まとめ常用対数をとって 、よって 。大小比較と常用対数の融合。 の書き換えが要。

発展。 「指数の公約数でくくる」と「対数をとる」は同じことの2つの表し方だ。 と の比較は と の比較で、 を公約数 でくくるのは対数の両辺を で割ることに当たる。きれいにくくれるときは指数で比べ、くくれない一般の場合は対数で比べる、と使い分ける。

答

常用対数をとる。、、。よって 。

別解

別解:対数を使わず、指数を でそろえる(得意な人向けの短いルート)。 指数 の最大公約数は 。そこで全部を「 乗」の形にくくる。

同じ 乗どうしなら、中身の大小がそのまま全体の大小( は正の範囲で単調増加)。

対数表なし・計算ほぼゼロで順位が確定する。指数の公約数をくくる手は、大小比較でまず最初に試す価値がある。対数(本解)は公約数がないときの一般兵器だ。

ポイント

  • 指数の大小は対数をとって比べる。
  • 。
  • で 。

よくある間違い

  • が与えられていないと手が止まる( の変換)。
  • などの掛け算で桁を誤る(2つの積の差は 前後なので、細かい計算ミスで大小が入れかわる)。
  • 「底が大きいほど大きい」「指数が大きいほど大きい」と、片方だけ見て即断する。

問7指数不等式を満たす最小の自然数(常用対数)

実戦編指数対数指数不等式常用対数単元横断

問題

とする。 を満たす最小の自然数 を求めよ。

ヒントを見る

。 の対数をとると 。負の数で割るので不等号が反転。

解答・解説

方針

両辺の常用対数をとる。 に注意して不等号の向きを反転させ、 の下界を求めて最小の自然数を選ぶ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を何回掛けたら を下回るか。回数 が指数の位置にいるから、対数で引きずり下ろす。

両辺の常用対数をとると 。ここで最大の注意点がある。 は負だ。

負の数で割ると不等号の向きが反転する。 と正しく向きを変え、これを超える最小の自然数を選ぶ。

重要。負の数で割ると不等号は反転

① 対数をとる。 の両辺の常用対数をとると ② を数値化。 。

③ を求める。 。両辺を負の で割ると不等号が反転し これを満たす最小の自然数は 。

まとめ 、 を反転して 、最小 。指数不等式と常用対数の融合。負の対数で不等号が反転するのを忘れない。

発展。 倍の繰り返しは「減衰」であり、半分になるまでの回数(半減期)は 回。 は半分を約 回重ねた量()だから、 回となり、同じ答えになる。放射性物質の崩壊や薬の血中濃度など、減衰現象はみなこの計算で読める。

答

常用対数をとる。。 は 、、。最小の自然数は 。

別解

別解:分数をなくしてから対数をとる(符号ミスを防ぐルート)。 が負であることが、この問題でいちばん間違えやすいところだ。そこで、負の対数が出ない形に先に直す。

両辺とも より大きい数のべきになった。常用対数をとると

よって最小の は 。移項の途中で負の数で割る場面が消え、不等号の反転を一度も使わずに済んだ。検算として 、 も成り立つ。

ポイント

  • 。
  • 対数をとって 。
  • 負で割り反転、、最小 。

よくある間違い

  • で割るときの不等号の反転を忘れる(この問題のミスの大半)。
  • から と答える(「超える最小の自然数」は )。
  • 答えの検算をしない(、 のように、境界の両側を確かめると確信できる)。

問8対数方程式(両辺の対数をとる)

実戦編指数対数対数方程式置換2次方程式単元横断

問題

方程式 を解け(ただし )。

ヒントを見る

両辺の常用対数をとると左辺 。右辺 。 で 次方程式。

解答・解説

方針

指数に対数が乗っているので、両辺の常用対数をとる。 となり、 の 次方程式に帰着する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 指数の位置に が乗っている異形の方程式。指数にある対数を降ろすには、両辺の対数をとるのが基本だ。

左辺は と、対数の2乗が現れる。右辺は 。 とおけば 、ただの2次方程式である。 の各解を に戻して仕上げる。

重要、

① 両辺の対数をとる。 で ② 次方程式に。 とおくと または 。

③ に戻す。 、。どちらも を満たす。

まとめ両辺の対数で 、 で 、。対数方程式と 次方程式の融合。対数をとって肩を下ろせば解ける。

発展。 は 、つまり両軸を対数目盛りにしたグラフ(両対数グラフ)の上では放物線になる。データ解析で両対数プロットで直線や放物線が現れるのは、この「指数・べきの構造が対数で多項式になる」仕組みそのものである。

答

両辺の常用対数をとる。。 とおくと 。 または 。

別解

別解: の指数表示で書き換える(得意な人向けの短いルート)。 「対数をとる」代わりに、最初から と指数の形で書いてしまう( なので必ず書ける)。

左辺は

右辺は 。 のべきどうしが等しいから指数を比べて

と 。検算すると 、 でどちらも成立。「両辺の対数をとる」(本解)と「両辺を のべきで書く」(この解)は同じことの表裏だが、指数表示は の入れ子を書かずに済む分、式が軽い。

ポイント

  • 両辺の常用対数で左辺 。
  • で 。
  • から 。

よくある間違い

  • の展開で を落とす、または の係数を忘れる。
  • の解 を「負の解」と勘違いして捨てる( で真数条件を満たす有効な解)。
  • 両辺が正であること( で )を確認せずに対数をとる、と論理の穴を残す。