数学I / 図形と計量

図形と計量 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 鈍角三角形になる辺の範囲
  2. トレミーの定理と正三角形(PA=PB+PC)
  3. 内接円と傍接円の半径
  4. 重心からの距離の2乗の和
  5. 正四面体の外接球と内接球
  6. 三角比の式の最大・最小
  7. 空間での測量(塔の高さ)
  8. 1辺と対角が定まった三角形の面積の最大

問1鈍角三角形になる辺の範囲

★★★★ 難関余弦定理三角形の成立鈍角

問題

辺の長さが である三角形が鈍角三角形となるような、 の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

「鈍角」なのはどの角か。いちばん長い辺の向かいの角だ。その角の余弦を余弦定理で作り、符号が負になる条件を書く。加えて、そもそも三角形ができる条件も忘れずに。

解答・解説

方針

つの条件を連立する。(1) 三角形が成立する:最も短い 辺の和 最長辺 。(2) 鈍角:最大辺 の対角が鈍角、すなわち余弦定理でその角の ()。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「鈍角三角形」には つの条件が要る。まず三角形として成立すること、次に つの角が鈍角であること。両方を連立する。

三角形の成立は「最も短い 辺の和 最長辺」。辺は だから 、すなわち 。鈍角は「最大辺の対角が鈍角」。最大辺 の対角の が負、余弦定理から 。整理して 、。両方あわせて 。

定理余弦定理より、最大辺 の対角 について 。 が鈍角 ⟺ ⟺

① 三角形の成立条件。 最長辺は 。他の 辺の和がこれより大きい必要がある。

(各辺が正、という条件 はこれに含まれる。)

BCAx+2x+1x
代表例 x=2(辺 2,3,4)。最長辺 x+2 の対角が鈍角。三角形の成立(x>1)も同時に必要

② 鈍角の条件。 鈍角になるとすれば最長辺 の対角。余弦定理の分子の符号だけ見て

より 。

③ 連立する。 ① と ② の共通範囲は

まとめ:「鈍角三角形」は「三角形が成立」+「最大辺の対角が鈍角()」の 段構え。成立条件を忘れると、三角形にならない まで拾ってしまう。角の大小は辺の大小と対応するので、鈍角は必ず最大辺の対角で調べる。

発展。 最大辺の対角の の符号で、三角形は鋭角(、)・直角()・鈍角()に分類できる。これは三平方の定理の一般化(余弦定理)そのもの。 辺から三角形の「形」が最大辺の対角ひとつで判定できる。

答

別解

別解: つの角のうち最大角だけ調べればよい理由(得意な人向けの視点)。 鈍角三角形とは「 つの内角が より大きい」三角形。内角の和は だから、鈍角は高々 つ。しかも鈍角があるなら、それは必ず最大辺の対角だ(辺が大きいほど対角も大きい)。

だから調べるべきは最大辺 の対角だけ。余弦定理で

鈍角 。分母 (辺は正)だから、分子 、すなわち 。辺が正なので 、三角形成立で 。あわせて 。

角すべてを調べる必要はなく、「最大辺の対角の の符号」だけ見ればよい。 が正なら鋭角三角形、 なら直角、負なら鈍角、と最大角の で三角形の種類が判定できる。

ポイント

  • 成立条件:最長辺 より他 辺の和が大 → 。
  • 鈍角条件: → 。連立で 。

よくある間違い

  • 三角形の成立条件()を忘れ、 だけで答える(辺が三角形にならない を含む)。
  • 鈍角の条件で調べる角を最大辺の対角以外にする(鈍角は最大辺の対角だけ)。
  • の不等式 の因数分解 を誤る。

問2トレミーの定理と正三角形(PA=PB+PC)

★★★★ 難関トレミーの定理円に内接する四角形論証

問題

正三角形 の外接円の、点 を含まないほうの弧 上に点 をとる。このとき が成り立つことを示せ。

ヒントを見る

点 が同じ円周上にあることに注目。円に内接する四角形の対角線と辺のあいだに成り立つ関係(積の関係)を思い出す。正三角形の辺の長さがすべて等しいことを使う。

解答・解説

方針

点 は同一円周上にある(円に内接する四角形 )。トレミーの定理を対角線 に適用し、正三角形だから辺が等しいことを使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 点 が同一円周上にある(円に内接する四角形 )。円に内接する四角形といえばトレミーの定理だ。

トレミーの定理は「対角線の積 向かい合う辺の積の和」。四角形 の対角線は と 。。正三角形だから 。共通の辺の長さで割れば が出る。

定理トレミーの定理(円に内接する四角形 で、対角線の積は向かい合う辺の積の和に等しい):

① 四角形をとらえる。 は弧 上にあるから、 の順に並び、 点 は円に内接する四角形をなす。対角線は と 。

ABCP
正三角形 ABC の外接円。A を含まない弧 BC 上の P について、対角線 AP・BC にトレミーを適用

② トレミーの定理を書く。

③ 正三角形の等長性を使う。 (共通の辺の長さ)とおくと、両辺を で割って

(証明終)

まとめ:「円周上の点からの距離の和」にはトレミーの定理を使う。正三角形(辺がすべて等しい)だと、辺の長さがきれいに約分されて という簡単な形になる。 点が同一円周上にある、という気づきがすべての出発点。

発展。 トレミーの定理は円に内接する四角形で「対角線の積 対辺の積の和」。内接しない一般の四角形では の不等式(トレミーの不等式)になり、等号は内接するとき。 という関係は、正三角形と円という対称性が生む特別なケースだ。

答

四角形 にトレミーの定理を用いる。 で、 より従う。証明は解答参照

別解

別解:点 を角度でおいて正弦定理で示す(計算で確かめるルート)。 外接円の半径を 、弧の位置を角度で表す。円周角の定理を使うと、弦の長さは対する円周角の で書ける。

が弧 上にあるとき、( の補角、内接四角形)。 ではなく、 を での角 … と設定する。弦の長さの公式(円周角 に対する弦 )で、 をそれぞれ で表す。すると に対応する角の関係から、和積の公式で が出る。

トレミー(本解)は 行で済むが、 を角度でパラメータ表示して正弦定理で押すと、 が「 の和積」の式になる。トレミーの定理自体、この正弦定理の計算から証明できる。

ポイント

  • 点が同一円周上 → トレミー 。
  • 正三角形で辺が等しく、両辺を辺長で割ると 。

よくある間違い

  • トレミーの定理の対角線・辺の対応を誤る(対角線 の積 向かい合う辺の積の和)。
  • 点が同一円周上(内接四角形)であることの確認を飛ばす。
  • 正三角形で を使って割る段を飛ばし、 に至らない。

問3内接円と傍接円の半径

★★★★ 難関内接円傍接円面積ヘロン

問題

辺の長さが である三角形 について、内接円の半径 と、辺 に接し他の 辺の延長にも接する傍接円の半径 を求めよ。

ヒントを見る

面積を 通りの見方でつなぐ。内接円半径は「面積 = 内接円半径 × 」から。傍接円半径も似た形の公式がある( を使う)。まず面積をヘロンで求める。

解答・解説

方針

面積 をヘロンの公式で出す。内接円は 、傍接円は ( は 、)。 を両方に使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 内接円も傍接円も、半径は「面積 を使った関係式」から出る。だからまず面積 をヘロンの公式で求める。

として 。内接円は から 。傍接円( に接し他の 辺の延長に接する)は から ()。同じ を 通りに使う。

公式 とおくと、面積 (ヘロン)、(内接円)、(辺 側の傍接円)

① 面積を求める。 、。ヘロンの公式より

IBCA567
3辺 5,6,7 の三角形と内接円(半径 r)。傍接円は辺 BC の外側に接する(半径 r_A)

② 内接円半径。 より

③ 傍接円半径。 辺 ()側の傍接円は を満たすから

まとめ:内接円・傍接円の半径は「面積」を要にして求める。内接円は 、傍接円は で割るだけの違い。ヘロンで面積さえ出れば、あとは割り算。傍接円のほうが分母が小さいので になる。

発展。 つの三角形には内接円 つと傍接円 つ(各辺に つ)がある。半径には 、 などの関係が成り立つ。傍接円は内接円と対になる「外側から接する」円で、面積 を軸に対称的に振る舞う。

答

、

別解

別解:内接円と傍接円の「接線の長さ」で捉える(得意な人向けの視点)。 円外の点から引いた 接線の長さは等しい。この性質で、接点までの長さを (半周)で書ける。

内接円では、頂点 からの接線の長さが 。 の内角の半分 を使うと 。傍接円( 側)では、頂点 からの接線の長さが になり、。

つを割ると 。だから 。 から 。

面積を通りに使う(本解)のと同じ結果。内接円と傍接円の半径の比が という接線長の比になるのは、両円が同じ角 を見込むからだ。

ポイント

  • ヘロンで ()。
  • 、。

よくある間違い

  • ヘロンの公式で (半周)を周の長さと取り違える()。
  • 傍接円の関係を とする(正しくは )。
  • の計算を誤る。

問4重心からの距離の2乗の和

★★★★ 難関重心中線定理論証

問題

三角形 の重心を 、 辺の長さを とする。

が成り立つことを示せ。

ヒントを見る

は中線の 。まず中線の長さの 乗を中線定理で で表す。 本ぶん足すと対称な形にまとまる。

解答・解説

方針

重心は中線を に内分するから ( は から出る中線)。中線定理で を で表し、 本の中線の 乗の和をとる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 重心は中線を に内分するから、( は から出る中線の長さ)。だから 。

中線の長さは中線定理で辺の長さに直せる。。 本の中線について を足す。 となり、 を掛けて 。

定理重心は各中線を頂点側から に内分する()。中線定理: から出る中線 は

① を中線で表す。 から辺 の中点への中線を とすると、重心の性質より 。よって

GABC
3本の中線と重心 G。G は各中線を頂点側から 2:1 に内分する

同様に 、。

② 中線の 乗を辺で表す。 中線定理より

本を足すと、 の係数は (他も同様)だから

③ 仕上げる。

(証明終)

まとめ:重心がらみの長さは「中線の 」に置き換え、中線定理で辺の言葉に直す。 本足すと各辺が対等に入って対称式になる。 という係数の噛み合いが、きれいな結論を生む。

発展。 は、重心が「 頂点からの距離の乗和を最小にする点」であることの現れ(前に平面ベクトルで見た の最小)。物理では、この距離の乗和が「重心まわりの慣性モーメント」に対応し、剛体の回りにくさを表す。

答

重心は各中線を に内分するので 。中線定理で 。 本を足すと 。証明は解答参照

別解

別解:重心を原点にとって座標で示す(計算で確実なルート)。 重心 を原点にとる。すると (重心の定義)。

一方、辺の長さの乗の和は 。展開すると

ここで を展開すると、内積の和 。代入すると 。中線定理(本解)を使わず、「重心からのベクトルの和が 」を使うと、ベクトルの計算だけで示せる。 が決め手だ。

ポイント

  • → 。
  • 中線定理で 、係数を掛けて 。

よくある間違い

  • の (頂点側 )を と取り違える。
  • 中線定理 の係数を誤る。
  • 本の中線の 乗の和 の計算で 型の項の相殺を誤る。

問5正四面体の外接球と内接球

★★★★ 難関空間図形正四面体外接球内接球

問題

辺の長さが の正四面体について、外接球の半径 と内接球の半径 を求めよ。

ヒントを見る

頂点から底面に下ろした垂線の足は、底面の正三角形の重心。まず高さを三平方で求める。外接球・内接球の中心はこの高さ(軸)の上にあり、 の関係が使える。

解答・解説

方針

頂点から底面へ下ろした垂線の足は底面(正三角形)の重心。高さ を三平方で求める()。中心は高さを内分し、対称性から (中心→頂点)と (中心→底面)を高さの分割で出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 正四面体の外接球・内接球の中心は、対称性からどちらも同じ点(重心)。まず頂点から底面への高さ を求める。

頂点から底面(正三角形)へ下ろした垂線の足は、底面の重心。底面の外接円半径()と辺 から、三平方で 。球の中心は高さ を内分する。(中心→頂点)と (中心→底面)は で、対称性から 。だから 、。

公式正三角形( 辺 )の重心から頂点までの距離は 。正四面体の高さ は三平方で

① 高さを求める。 底面の正三角形の重心 から頂点までは 。頂点 から までの高さ は

OGDABC
正四面体の斜投影。頂点 D から底面の重心 G への軸上に球の中心 O があり、DO=R・OG=r

② 外接球の半径 。 中心 は軸 上にあり、頂点 からも底面の頂点からも等距離 。 から底面の頂点までを三平方で書くと、、底面の頂点までの水平距離 で

展開して 、。 を代入すると 、よって

③ 内接球の半径 。 対称性から中心は同じ で、底面までの距離が 。

よって 。

まとめ:正四面体は「頂点→底面の重心」の軸で切ると、球の中心はこの軸上の 点。高さ を三平方で出し、 は底面頂点との等距離条件、 で求まる。 は覚えておくと検算に使える。

発展。 正四面体の は、 次元の正単体では になる( 次元の正三角形は )。中心が高さを に分けるという規則は、次元によらず成り立つ。立方体に埋め込む(別解)と、正四面体の対称性が立方体の対称性の一部として見え、計算が格段に楽になる。

答

、()

別解

別解:立方体に埋め込んで座標で出す(得意な人向けの高い視点)。 正四面体は立方体の つの頂点(交互の頂点)を結んでできる。 辺 の立方体 で、頂点 が正四面体をなす( 辺 )。

この 頂点の重心は原点 。これが外接球・内接球の共通の中心だ。外接球の半径は中心(原点)から頂点までの距離 ( 辺 に対して)。 辺を に直すと 。

内接球の半径は原点から面までの距離。面(たとえば 点を通る平面) までの距離 。 に直すと 。

高さを内分する(本解)代わりに、立方体の座標に埋め込むと、中心が原点・頂点が とすっきりし、 が距離の計算だけで出る。 も一目だ。

ポイント

  • 高さ (重心から頂点 と三平方)。
  • 、、。

よくある間違い

  • 底面の重心から頂点への距離(外接円半径 )を誤り、高さ が出せない。
  • を使わず、 を別々に計算して整合しない( の確認を怠る)。
  • 高さ の計算を誤る。

問6三角比の式の最大・最小

★★★★ 難関三角比最大・最小2次関数

問題

のとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

を で書きかえて 種類の三角比にそろえる。 とおくと の 次関数。ただし で の動く範囲に注意。

解答・解説

方針

で だけの式にする。 とおくと では 。 を の 次関数として、この範囲で最大最小を調べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) には と が混在。 で だけの式にそろえる。

。 とおくと の 次関数だ。範囲に注意。 では は から まで()。(上に凸)を で調べ、頂点と端で最大最小を出す。

公式。 のとき 、すなわち

① 種類にそろえる。 より

② 置きかえと範囲。 とおくと、 では 。求めるのは の での最大最小。

③ 範囲つきで調べる。 上に凸、軸 は範囲内。

  • 最大:頂点 で 。このとき 。
  • 最小:上に凸だから軸から遠い端。 までの距離 、 までの距離 で が遠い。。このとき 、。
xyO最大17/8最小1
t=sinθ(0≤t≤1)とおくと 2cos²θ+sinθ=−2t²+t+2。最大 17/8(t=1/4)、最小 1(t=1)

まとめ:三角比の式は「 で 種類にそろえ、置きかえて 次関数」。角の範囲から の範囲()を出すのが要。範囲を無視して頂点だけ見ると、最小( の端)を取りこぼす。

発展。 で 変数化する手は、三角比の最大最小でよく使う。ただし の範囲は角の範囲で変わる( で 、 で )。「三角比を に置換したら、 の範囲を角から求める」が原則で、範囲の取り違えが最も多いミスだ。

答

最大値 ()、最小値 ()

別解

別解:単位円周上の点として図で最大最小を読む(視覚で捉えるルート)。 とおくと 。放物線(上に凸) を、 の範囲 で描く。

頂点は 。この は の中に入っているから、頂点で最大。。 となる は に存在する。

最小は区間の端。()で 、()で 。小さい方の で最小 。

「 が を動く」のは、 で が非負だから。もし範囲が なら になり、端が変わる。範囲を の範囲に正しく直すことが、三角比の最大最小では大事だ。

ポイント

  • で 、。
  • 上に凸。最大は頂点 で 、最小は遠い端 で 。

よくある間違い

  • の置換後、 の範囲を とする( では )。
  • 頂点 が範囲内かを確認せず、最大値を誤る。
  • 最小を頂点で、最大を端で、と取り違える(上に凸なので最大が頂点)。

問7空間での測量(塔の高さ)

★★★★ 難関測量空間図形三平方

問題

水平な地面に垂直に立つ塔 ( が地面、 が頂上)がある。地面上の 地点 から塔の頂上 を見上げた仰角は、 で 、 で であった。(m)で、 のとき、塔の高さ を求めよ。

ヒントを見る

高さ とおくと、各地点から塔の足 までの水平距離が仰角で の式になる。地面の三角形 は直角三角形。三平方で の方程式を作る。

解答・解説

方針

塔の高さを とおく。仰角から地面上の距離を で表す:()、()。地面の三角形 は の直角三角形だから、三平方で 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 塔の高さを とおく。仰角から、地面上の 点 と塔の足 の距離を で表す。

の仰角 から 、すなわち 。 の仰角 から 。地面の三角形 で 。三平方の定理 。 から が決まる。

重要垂直な塔と地上の点は直角三角形をなし、仰角 のとき(水平距離)(高さ)

① 水平距離を で表す。 とおく。 で仰角 だから

仰角 だから

QABPh
塔 PQ は垂直。AQ=h(仰角45°)、BQ=h√3(仰角30°)、∠AQB=90°。地面の直角三角形で三平方

② 地面の直角三角形で三平方。 だから

③ 高さを求める。 より 、、。よって塔の高さは (m)。

まとめ:空間の測量は「高さを とおき、仰角で水平距離を の式に、地面の三角形で関係式を 本」。塔が垂直だから足 での角がすべて直角になり、 が素直に で書けるのがポイント。

発展。 空間の測量は「垂直面の直角三角形(仰角と高さ・距離)」と「水平面の三角形( 地点と塔の足)」を組み合わせる。 地点からの仰角と 地点間の距離が分かれば、塔の高さが求まる。GPS や三角測量の原理も複数地点からの角度で位置を決めるこの発想の延長にある。

答

(m)

別解

別解:塔を軸に「 で真上、 で緩い」比を先に読む(直感で捉えるルート)。 仰角 は「水平距離 高さ」の特別な角。だから は塔の足 から高さ と同じだけ離れている()。

仰角 は「水平距離 高さ 」。-- の直角三角形の比 から、 は塔から 離れている。地面で が直角三角形()をなすので、 は斜辺。、。 から 。

を計算する(本解)のと同じだが、()と ()の「有名な直角三角形の比」を覚えていれば、水平距離が と即座に書ける。空間の測量は「垂直面の直角三角形で高さと距離を結び、地面の三角形でつなぐ」のが基本だ。

ポイント

  • 仰角から 、。
  • 地面の直角三角形で 、。

よくある間違い

  • 仰角と水平距離の関係を誤る( で 、 で )。
  • 地面の三角形 が直角三角形()であることを使わない。
  • から 、 の計算を誤る。

問81辺と対角が定まった三角形の面積の最大

★★★★ 難関面積正弦定理相加相乗

問題

三角形 において 、 である。この三角形の面積の最大値を求めよ。

ヒントを見る

面積は で は定数だから、 を最大にすればよい。余弦定理で の関係式を作り、相加・相乗平均で の上限を押さえる。等号はいつか。

解答・解説

方針

面積は なので を最大にしたい。余弦定理 に 、 を入れると 。相加・相乗平均 を使って の上限を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 面積は ()。だから を最大にしたい。

は自由に動けるわけではなく、余弦定理 に 、 を入れると という縛りがある。相加相乗平均 を使う。 から 。等号は (正三角形)。最大面積は 。

公式面積 、余弦定理 、相加・相乗平均 (等号は )

① 面積を書く。 。 を最大にすればよい。

② 縛りを作る。 余弦定理に 、 を入れて

③ 相加・相乗平均で押さえる。 だから

よって 。等号は のとき。このとき より (正三角形)。

OABC6
BC=6 は外接円の弦(∠A=60° で固定)。A が弧上を動くうち、正三角形(頂点が真上)で面積最大

④ 最大面積。

面積の最大値は (正三角形のとき)。

まとめ: 辺と対角が固定された三角形の面積最大は「面積 で を最大化」。余弦定理の縛りのもとで相加・相乗平均が上限を与え、等号 (正三角形)で最大になる。対称な状況では等しいときが極値、という自然な結果。

発展。 「 辺 と対角 が固定 頂点 は外接円の弧の上を動く」(円周角の定理)。面積が最大なのは が弧のてっぺん(二等辺)のとき。この「弧の上を動く頂点」の見方は、 の最大や、 の軌跡を問う問題でも使う。 辺と対角の固定は、外接円の固定と同じことだ。

答

(正三角形のとき)

別解

別解:外接円を固定して「頂点を動かす」図で見る(視覚で捉えるルート)。 、 は、正弦定理で外接円の半径を固定する。 から 、。

が一定なので、頂点 はこの外接円の弧(弦 に対して円周角 を見込む弧)の上を動く。面積 だから、高さが最大のとき面積最大。

高さが最大なのは、 が弧のてっぺん(弦 の垂直二等分線上)にあるとき。そのとき三角形は の二等辺で、 なら正三角形。 から までの高さは 。

面積 。相加相乗(本解)で を出すのと同じ答え。「 辺と対角が固定 頂点は弧の上を動く てっぺんで高さ最大」という図形的な見方だ。

ポイント

  • なので を最大化。
  • 余弦定理 と で 、等号 で 。

よくある間違い

  • 面積 で を最大化する方針に気づかず、 を個別に動かす。
  • 余弦定理の縛り を使わず、 が無制限だと思い込む。
  • 相加相乗 の等号条件()を確認せず、最大が達成されるか不明のままにする。