数学I / 数と式

数と式 実戦編の問題 全8問

難関大の総合問題。複数の単元を融合した単元横断の演習

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. ソフィー・ジェルマンの恒等式(因数分解と素数判定)
  2. 3変数の3乗和の因数分解と応用
  3. 複2次式の因数分解(平方の差に整える)
  4. 対称式の値(x+1/x から高次へ)
  5. 交代式の因数分解(次数と対称性で決める)
  6. 部分分数分解(係数を恒等式で決める)
  7. n³−n が6の倍数(因数分解と整数)
  8. 3乗を含む交代式の因数分解

問1ソフィー・ジェルマンの恒等式(因数分解と素数判定)

実戦編数と式因数分解整数の性質素数単元横断

問題

(1) が成り立つことを示せ。

(2) これを用いて、 以上の整数 に対し は素数でない(合成数である)ことを示せ。

ヒントを見る

に を足して引くと 。平方の差で因数分解。(2) は 、 で両因子 。

解答・解説

方針

に を足して引き、 の平方をつくる(平方の差)。(2) は を代入し、両因子が より大きいことを示す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は2乗の和の形で、そのままでは因数分解できない。基本は「真ん中の項を足して引いて、平方の差を作る」だ。

を展開すると 。与式との差はちょうど 。つまり

与式 と平方の差になり、和と差の積に割れる。(2)は を代入するだけ。ただし「素数でない」と言い切るには、両方の因子が より大きいことの確認が本体になる。

公式平方の差

① 因数分解する。 平方の差より ② に適用。 とすると ③ 両因子が 以上。 、。 なら で、。よって は より大きい つの整数の積=合成数(素数でない)。

まとめ は を足し引きして平方の差にすると割れる。 で なら合成数。因数分解と整数の融合。

発展。 この恒等式はソフィー・ジェルマンの恒等式と呼ばれ、「 型は(自明な場合を除き)合成数」という判定に広く使える。有名な応用に「()は合成数」がある。 が偶数なら偶数ですぐに決まり、奇数なら と読み替えて、この恒等式がそのまま使える。ちなみに なら という速い方法もあるが、 が5の倍数のときに使えない。恒等式なら全部の を一度に扱える。

答

と平方の差に整えて因数分解。 とすると で、 なら両因子とも 以上。

別解

因子の形を予想してから展開で確かめる(データから発見する)。 小さい で素因数分解してみる。

  • :
  • :
  • :

因子を並べると / / となる。よく見るとどれも「平方 」だ(、、、、)。しかも平方の中身は と 。そこで

と予想して、右辺を展開すると となり、予想は正しい。 なら小さい方の因子 で、合成数が確定する。

恒等式の変形(本解)からは「作り方」が、データからの予想からは「答えの形の意味( の平方 )」が分かる。実験→予想→証明の3段階は、整数がらみの問題の多くで使える手順だ。

ポイント

  • (平方の差)。
  • 。
  • で両因子 、合成数。

よくある間違い

  • (2)で因数分解を示しただけで「素数でない」と結論する。因子が になる可能性(実際 では で は素数)を除く一段が、答案の中心になる。
  • 足して引く項を でなく と混同し、平方の差の形が組めない。
  • の展開で真ん中の項 の係数を誤る。

問23変数の3乗和の因数分解と応用

実戦編数と式因数分解対称式条件単元横断

問題

(1) を示せ。

(2) のとき が成り立つことを示せ。

ヒントを見る

(1) 右辺を展開するか、 を の式とみて を代入(因数定理)。(2) (1) の第 因子が になる。

解答・解説

方針

(1) 右辺を展開して確かめる。(2) は (1) の因数分解で を代入すれば左辺 、すなわち 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)は、右辺を展開して左辺に一致させるのが最短の証明だ(恒等式の証明は「複雑な側を変形して簡単な側へ」が基本)。

(2)がこの恒等式の使いどころになる。 を(1)の右辺に代入すると、第1因子がまるごと 。左辺 、すなわち が、計算なしで転がり出る。「和が0なら、3乗和は積の3倍」は、対称式でよく使われる関係だ。

重要

① 恒等式を示す。 右辺を展開する。 を展開すると、 と が残り、他は打ち消し合う。(あるいは を の多項式とみて を代入すると 、よって を因数にもち、割った商が第 因子。)

② を代入。 (1) の因数分解で とすると右辺の第 因子が だから

まとめ は を因数にもつ(因数定理)。 なら第 因子が で 。因数分解と対称式・条件の融合。 で 。

発展。 第2因子は と書ける。だから なら第1因子 とあわせて となる。 などと置けば、3変数の相加相乗平均がこの因数分解1本から出る。等号は 。「和が0 or 全部等しい ⟺ 3乗和=3倍の積」という同値まで、この式から分かる。

答

右辺を展開すると左辺に一致(または から導く)。(2) は (1) で を代入すると右辺の第 因子が 。

別解

2変数の3乗和から組み立てる(因数分解が「見つかる」道)。 展開して照合する(本解)と正しさは分かるが、「どうやって見つけるのか」が残る。既知の2変数の公式から組み立てる道がある。

を使って、 とおくと

だから、共通因数 がくくり出せて

中かっこを展開・整理すると となり、(1)の右辺に到達する。「3変数で行き詰まったら、2文字を束ねて2変数の公式に帰着させる」という組み立ての発想は、対称式の計算全般で使える。展開照合(本解)は答案の最短、組み立ては発見の再現だ。

ポイント

  • は を因数にもつ。
  • 残る因子は 次対称式 。
  • で第 因子が消え 。

よくある間違い

  • (1)の展開で に集まる3項( が3回)を数え落とす。
  • (2)を「(1)を使え」の指示を無視して3乗の展開からやり直し、時間を失う。
  • 第2因子を と混同する( で消えるのは第1因子。第2因子は で、 以外では正)。

問3複2次式の因数分解(平方の差に整える)

実戦編数と式因数分解複2次式平方の差単元横断

問題

を因数分解せよ。

ヒントを見る

は から を引いた形。 と平方の差に整える。

解答・解説

方針

に を足して引き、 の平方をつくる(平方の差)。 の形に。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は とおいても で、有理数の範囲では割れない。複2次式の第2の基本の方法、「平方の差を作る」に切り替える。

と比べると、与式との差はちょうど 。だから

与式 と平方の差になり、 と割れる。「置き換えで割れなければ、平方の差」という、複2次式の2つの方法を、この問題で使い分ける。

公式平方の差

① 平方の差に整える。 ② 因数分解。 平方の差より

まとめ は を足し引きして の平方の差に。因数分解は 。 の 次で割れなくても平方の差で割れる。数と式(因数分解)の融合。

発展。 の根は「1の6乗根のうち、2乗根・1乗根でないもの」( かつ )。因子 の根が1の原始3乗根、 の根が原始6乗根だ。「 の因数分解を2通りに見比べる」技は、円分多項式の考え方の基礎になる。(前問)や など、見かけによらず割れる式の多くは、この考え方で説明できる。

答

。

別解

の2通りの因数分解から(思わぬ出自)。 は、 の中に住んでいる。 を2通りに割ってみる:

2つの右辺は同じものだから

で割れば

平方の差(本解)は手を動かす正攻法で、 経由は「この式の解が6乗根だ」という、式の由来を説明する方法だ。1つの式を2通りに分解して見比べる技は、恒等式づくりの高級な道具になる。

ポイント

  • (平方の差)。
  • を足して引くのが決め手。
  • 。

よくある間違い

  • の置き換えで が(実数の範囲で)割れないのを見て、因数分解不能と結論してしまう。
  • 足して引く項を とする( との差は )。
  • 答えの2因子 がこれ以上割れないことの確認(判別式 )に触れない。

問4対称式の値(x+1/x から高次へ)

実戦編数と式対称式式の値漸化式単元横断

問題

とする。(1) を で表せ。

(2) を で表せ。

ヒントを見る

とおくと 。 から順に。

解答・解説

方針

とおき、 から の漸化式で順に求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の形を と名付けると、見通しがよくなる。

積 を展開すると、 と が同時に現れる。つまり で、これは隣り合う をつなぐ漸化式だ。 から出発して、はしごを1段ずつ登れば が順に手に入る。

重要 について (積を展開)

① 最初の値。 。。

② 。 。よって 。

③ 。 よって 。

まとめ対称式 は の漸化式で の多項式に。。数と式(対称式)と漸化式の融合。

発展。 の列 は、実は とおくと 、 となる。つまり「 を の多項式で表す」チェビシェフ多項式の親戚だ。数IIの3倍角の公式 が、 の中にそのまま透けて見える。

答

は (積を展開)。 から 、。

別解

二項定理で上から降ろす(漸化式を使わない)。 を二項定理でまるごと展開してしまう。

(展開の係数 が、外側から に組みになる。)同様に だから 。これを上の式に代入して

漸化式(本解)は1段ずつ確実に登るはしご、二項展開は目的の へ天井から降りるロープ。5乗くらいまでなら二項定理が速く、もっと高次なら漸化式が安定する。使い分けの感覚も含めて、両方の方法を持っておきたい。

ポイント

  • 、。
  • 。
  • 。

よくある間違い

  • の を落とす( の展開の真ん中 )。
  • 漸化式を と符号違いで覚える(積の展開で は引く側)。
  • を飛ばして を直接作ろうとして、漸化式の段が噛み合わなくなる( なら が要る。 のような積の分解でも可)。

問5交代式の因数分解(次数と対称性で決める)

実戦編数と式因数分解交代式対称性単元横断

問題

を因数分解せよ。

ヒントを見る

を代入すると 。同様に でも 。だから を因数にもつ。 次どうしなので定数倍だけ。 の係数で決める。

解答・解説

方針

について整理して次数を下げ、 で になること(因数定理)から を因数にもつと見抜く。定数倍は 項の係数比較で決める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 3文字の入り組んだ式は、1つの文字(たとえば )についての多項式として整理し直すのが第一手。

さらに役に立つのが因数定理を使う見方だ。 を代入すると、式は となって消える。つまり を因数にもつ。対称性から も同じ。

与式は3次、 も3次。だから残りは定数 だけで、1つの項(たとえば の係数)を比べれば と決まる。

重要 で を因数にもつ(因数定理)。 文字入れ替えで符号が変わる交代式は を因数にもつ

① 因数を見抜く。 を代入すると式は 。同様に でも 。よって を因数にもつ。元の式も も について 次だから ② 定数 を決める。 両辺の の係数を比べる。左辺の の係数は (第 項 から)。右辺 を展開したときの の係数は 。よって 、。

③ 結論。

まとめ交代式は 等で になることから を因数にもつ。次数がそろうので定数倍だけを 項の係数比較で決める。答えは 。数と式(因数分解)と対称性の融合。

発展。 「 で消える ⟹ で割り切れる」という因数定理の使い方は、文字が増えてもそのまま使え、式の形をつかむのに役立つ。交代式(文字の入れ替えで符号が反転する式)は必ず差積 で割り切れ、商は対称式になる。本問はその最小の実例で、次の問題(3乗の版)では商が になる。

答

について整理すると で 、対称性から を因数にもつ。 次の交代式なので 。

別解

1文字について整理して、たすき掛けで直接割る(因数定理を使わない)。 の2次式として展開・整理する:

ここで第2項は 、第3項は なので、全部の項が を持っている。くくり出すと

中身は の2次式で、和が ・積が なので、たすき掛け(解と係数)で となる。よって

因数定理(本解)は「先に式の形を言い当てる」考え方、1文字整理は「手を動かせば3行で割り切れる」計算の型。答えの符号の整え方()まで、直接計算のほうが迷いにくい人も多い。

ポイント

  • で → を因数にもつ。
  • 次数がそろうので定数倍だけ。
  • の係数比較で 。

よくある間違い

  • 展開して6項をにらんだまま、整理の軸(どの文字について並べるか)を決めずに手が止まる。
  • 因数 まで当てたのに、定数 の決定(1項の係数比較)を忘れて符号が逆になる。
  • と が同じものだと気づかず、答えが合っていないと勘違いする()。

問6部分分数分解(係数を恒等式で決める)

実戦編数と式恒等式部分分数係数比較単元横断

問題

が についての恒等式となるように、定数 を定めよ。

ヒントを見る

両辺に を掛けると 。 を代入すると?

解答・解説

方針

両辺に分母を掛けて分子の恒等式にする。(各分母を にする値)を代入すると、 が つずつ求まる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 恒等式の係数決定は、両辺に分母を掛けて多項式の等式にしてから、「うまい値の代入」で1文字ずつ決める。

分母を払った式はどの でも成り立つ。そこで を入れると、 の項は係数 がゼロになって同時に消え、 だけの方程式が残る。

でも同様。各分母の根を代入すると、その項だけが残る。部分分数の係数は、この代入を3回行って求めるのが速い。

重要恒等式は「分母を払って」分子の恒等式にし、分母が になる値を代入すると係数が つずつ求まる

① 分母を払う。 両辺に を掛けると ② 代入して求める。

  • :、よって 。
  • :、よって 。
  • :、よって 。

③ 結論。 。すなわち

まとめ分母を払った恒等式に を代入すると が つずつ求まる。。恒等式と係数決定の融合(数列の和などに直結)。

発展。 この分解は数列の和で役に立つ。 として から まで足すと、2段分解の形が望遠鏡式に消えて が出る(数Bでよく出る形)。また分子が定数でなく1次式でも、同じ代入法で係数が決まる。部分分数は「積分・数列・恒等式」の3か所で使う、効率のよい技術だ。

答

両辺に を掛け、 を代入すると 。

別解

隣どうしの積の差に割る(2段の部分分数)。 3連続の積は2連続の積の差で書ける:

(通分すると分子が「外側の差 」になる。)よって

あとは2連続の積をいつもの で開けば

が読める。代入法(本解)は係数を狙い撃ちする実戦の型。2段分解は「数列の望遠鏡和 」でそのまま使う型で、この形の由来( で真ん中が倍)も分かる。

ポイント

  • 分母を払って分子の恒等式にする。
  • 分母が になる値 を代入。
  • 。

よくある間違い

  • 代入法で求めた の検算をしない( など代入していない値で1回確かめると安全)。
  • 「 を代入」を、分母を払う前の式にやってしまう(分母が になる。代入は払った後の多項式の恒等式に)。
  • 係数比較でやろうとして3元連立を展開し、計算量で自滅する(代入法なら3回の代入で済む)。

問7n³−n が6の倍数(因数分解と整数)

実戦編数と式因数分解整数の性質連続整数単元横断

問題

すべての整数 に対し、 が の倍数であることを示せ。

ヒントを見る

。これは連続する つの整数の積。連続整数に含まれる倍数は?

解答・解説

方針

を因数分解して連続 整数の積にする。連続する整数には必ず の倍数・ の倍数が含まれることを使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 整数の倍数証明は、まず因数分解から。 で、これは連続する3つの整数の積だ。

連続3整数には、2の倍数が少なくとも1つ、3の倍数がちょうど1つ、必ず含まれる。だから積は の倍数。「連続整数の積」に持ち込めた時点で、ほぼ解けている。

n−1nn+1連続する3整数
n³−n=(n−1)n(n+1) は連続3整数の積。必ず2の倍数と3の倍数を含む→6の倍数
重要連続する 個の整数の積は の倍数。特に連続 整数の積は の倍数

① 因数分解。 。これは連続する 整数 の積。

② の倍数を含む。 連続する 整数 のどちらかは偶数だから、積は の倍数。

③ の倍数を含む。 連続する 整数 のいずれか つは の倍数(整数を で割った余りは のどれかで、 連続すればすべて現れる)だから、積は の倍数。 と は互いに素なので、積は の倍数。

まとめ は連続 整数の積で、 の倍数と の倍数を必ず含むから の倍数。因数分解と整数(連続整数)の融合。

発展。 同じ設計図で は30の倍数になる(2・3の倍数は本問と同じ、5の倍数は が を拾う)。この「 が の倍数」という現象の一般形がフェルマーの小定理で、整数の単元で再会する。連続整数の積はそのいちばん基本の道具だ。

答

は連続する 整数の積。連続 整数には の倍数と の倍数が必ず含まれるので の倍数。

別解

差分をとって帰納法で(連続積をもう一度呼び出す)。 の隣どうしの差を見る。

は連続2整数の積で必ず偶数。だから差は の倍数だ。 は6の倍数。差がつねに6の倍数なら、 と順に6の倍数であることが遺伝する( へは で折り返す)。

連続3整数(本解)は1回の観察で済む見方、差分+帰納法は「1歩ごとの増分が6の倍数」という動的な見方だ。 で の6通りを全部代入する総当たりも、確実さでは劣らない第3の方法だ。

ポイント

  • (連続 整数の積)。
  • 連続 整数に の倍数、連続 整数に の倍数。
  • 互いに素で の倍数。

よくある間違い

  • 「 が偶数のとき・奇数のとき」の2分割だけで6の倍数を言おうとする(2の倍数は出るが、3の倍数の議論が別に要る)。
  • 連続3整数に「3の倍数が必ず含まれる」ことを自明扱いする(答案では一言: 3で割った余り0,1,2のどれかが に現れる)。
  • 負の整数や の場合に触れない(積が になる場合も は6の倍数、で回収)。

問83乗を含む交代式の因数分解

実戦編数と式因数分解交代式係数比較単元横断

問題

を因数分解せよ。

ヒントを見る

等で だから を因数にもつ。元は 次なので、残る因子は対称な 次式 の定数倍。 の係数で決める。

解答・解説

方針

で になることから を因数にもつ。元の式は 次で は 次だから、残りは対称な 次式 。係数比較で決める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 前問(2乗の版)と同じ型だ。 で消えるから、 を因数にもつ。

違いは次数だ。与式は4次、 は3次。残りは1次で、しかも の入れ替えで形が変わらない(対称)はずだ。1次の対称式は しかない。

あとは1つの項(たとえば )の係数を比べて 。「因数定理で主な因数、次数と対称性で残り、係数比較で仕上げ」の3段だ。

重要(交代式)(交代式 )(対称式)。残る次数から対称因子の形が決まる

① 因数を見抜く。 で だから を因数にもつ。元は 次、この因子は 次なので、残りは 次の対称式 。 ② 定数 を決める。 両辺の の係数を比べる。左辺の の係数は (第 項 )。右辺で を作るには、 から 、 から を取る… 展開して係数を求めると 。よって 。

③ 結論。

まとめ 次の交代式は「 次交代式 × 次対称式 」の形。定数 を係数比較で決めて 。数と式(因数分解)と対称性の融合。

発展。 指数を上げて にしても、因数 は変わらず、商が2次の対称式 になる(次数の勘定: )。「差積で割った商は対称式」という構造は何次でも続き、商の族は完全対称式と呼ばれる列になる。交代式の因数分解は1問解けば同じ手順で次数を上げていける型だ。

答

で だから を因数にもつ。元は 次、これは 次なので残りは 次対称式 。定数を係数比較で決めて 。

別解

1文字整理+組立除法で直接割り切る。 前問と同じく の多項式として整理する:

(、 で全項から をくくった。)中かっこは で (代入して確認)。組立除法で で割ると、商は となる。これをたすき掛けで

(積 、和 の分解。)まとめて

因数定理+次数の議論(本解)は「答えの形を先に確定」する見通しの良さ、直接割り算は「途中の商まで全部手の中」という安心感。4次でも1文字整理は破綻しない、と体で覚えておくと交代式が怖くなくなる。

ポイント

  • 等で → を因数にもつ。
  • 元 次 因子 次 残り 次、対称なので 。
  • 係数比較で 、。

よくある間違い

  • 残りの因数を定数と思い込む(与式4次 因数3次 1次。次数の勘定が先)。
  • 「1次の対称式は に限る」の対称性の根拠を書かない( の入れ替えで不変、から)。
  • 係数比較に使う項の選び方が悪く( の項など両辺で複数の出どころがある項)、連立が濁る( のような端の項を選ぶ)。