数学I / 数と式

数と式 ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 整式の整理と加法・減法の応用
  2. 組み合わせと置き換えで工夫する展開
  3. たすき掛けによる因数分解の応用
  4. 複2次式の因数分解(置き換えと平方の差)
  5. 符号の統一と置き換え・共通因数
  6. 最低次の文字で整理する因数分解
  7. 展開を用いた等式の証明と平方の和への応用
  8. 対称式・交代式の因数分解

問1整式の整理と加法・減法の応用

★★★ 応用整式の整理加法・減法

問題

(1) 整式 を、 に着目して降べきの順に整理せよ。また、そのときの についての次数と定数項を答えよ。

(2) 2つの整式 、 が

を満たすとき、、 を求めよ。

ヒントを見る

(1)は について ・・定数部分に仕分けるだけ(係数が の式になる)。(2)は ・ をどう組み合わせると片方が消えるかを考える。消したい文字の係数に注目して、うまい倍率で足す。

解答・解説

方針

(1)は について整理するだけ。 が入っていても、 から見れば は数の仲間(定数)としてあつかう。

(2)は 、 の連立だ。数の連立方程式と同じように、うまく足し引きして片方を消す。 と を組み合わせて、まず (または )だけの式を作る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)は、中心に考える 以外の文字を、数として扱う訓練だ。 が混じっていても、 から見れば はただの数と思えばよい。

(2)は 、 についての連立だ。中身が整式でも、やることは数の連立と変わらない。足し引きで片方の文字を消す、という消去の考え方がそのまま使える。そう見抜くのが発想だ。

(1) について整理する。 の項の係数は 、 の項の係数は 、 を含まない項は 。

についての次数は2、定数項は 。 が入っていても、 から見れば定数だ。

(2) 、 の連立を、足し引きで解く。 を消すために、 を作ると、 と が消えて だけになる。

両辺を5で割って

は を について解く()。

確かめに を計算すると

となり、問題の式と合う。整式の連立も数の連立とまったく同じ要領で解ける。

発展。 (2)で 、 が一通りに求まったのは、 と という つの組み合わせが「独立」だったからだ。

一般に、、 の つの 次結合が与えられたとき、そこから 、 を復元できるかは係数の作る行列式で決まる。今回は で でないから、ちょうど一組に定まった。

もし つの組み合わせが と のように比例していると、行列式が になり、、 は復元できない。連立が解ける・解けないの境目が、この行列式に表れている。

答

(1) 、 についての次数は 、定数項は (2) 、

別解

別解:代入法で解く(連立のもう一つの基本の解き方)。 本解は足し引きで片方を消す加減法だった。ここでは、片方を表してもう一方の式に入れる代入法で解く。

まず を について解く。

これを に入れると、 が消えて だけの式になる。

左辺を整理すると 。これが右辺に等しいので

両辺を で割って 。あとは 。本解は を先に取り出したが、代入法では が先に出る。消去と代入、どちらの筋でも同じ答えに着く。

ポイント

  • に着目 → は定数あつかいで整理
  • 整式の連立は、数の連立と同じく足し引きで片方を消す
  • 求めた後は、もとの式に代入して確かめる

よくある間違い

  • (2)で消したい文字の係数をそろえずに足し引きし、 も も残ってしまう。
  • (1)で の 次の係数を とすべきところ、かっこ前のマイナスを配り忘れて符号を落とす。
  • だけ求めて安心し、 を出す・求めた式をもとに戻して検算する、を省いてミスに気づかない。

問2組み合わせと置き換えで工夫する展開

★★★ 応用展開置き換え

問題

次の式を展開せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は4つのうち2つずつ組むと、『同じかたまり』が両方に出る組がある。それを置き換える。定数項の和を見て相性のいいペアを探そう。(2)は を軸に『和と差の積』が繰り返せる形。

解答・解説

方針

(1)は4つのカッコを、共通のかたまりが出るようにペアで組む。定数の和が同じになる と を組むと、どちらも を含む。(2)は和と差のかけ算 を、くり返し使う。 を『』『』の積とみると、この形が使える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) つの積は、組む相手しだいで共通のかたまりが生まれる。

だから(1)はいきなりかけずに定数項を観察する。和がそろうペアを見つけてから組むのが第一歩だ。(2)は手前の つの因数が、和と差の積の形になっている。順にかたまりを処理していけば、公式が連鎖的に使える。

重要定数の和が同じペアを組むと同じかたまりが出る → それを とおく

(1) 定数の和が同じ(、)ペアを組む。まず

どちらにも が現れた。 とおくと、和と差のかけ算になる。

(2) 和と差のかけ算を、くり返し使う。まず を、 をひとかたまりとして『』『』の積とみる。

残りの をかける。今度は と の和と差のかけ算だ。

最後に展開して

まとめ:どちらも『和と差のかけ算の形を見つける』ことが決め手だ。まん中の項をはさんで対称な形は、この形にできないか疑ってみよう。

発展。 (2)で使った は、整数の性質の問題にも出てくる。

に を入れると、いつも という つの整数の積に分かれる。どちらの因数も より大きいから、 ではけっして素数にならない。たとえば なら 、 なら 。「和と差のかけ算に直せる式」は、素数か合成数かを見抜く道具にもなる。

答

(1) (2)

別解

別解:根と係数の関係で係数を直接読む(得意な人向けの高い視点)。 (1)は組み合わせの工夫をしなくても、答えの係数を「根」からすぐに出せる。

の値が になるのは のとき。この 数が 次式の係数をすべて決める。

の係数は 。 の係数は 数の和にマイナスをつけた 。 の係数は つずつの積の和で 。 の係数は つずつの積の和にマイナスをつけた値で、これは 。定数は 数の積 。

よって 。組み方を探さなくても、根から係数がそのまま読める。本解と同じ答えだ。

ポイント

  • (1)は定数の和が同じペアを組み、共通の を置きかえる
  • (2)は和と差のかけ算 をくり返す
  • のように、対称な形は和と差のかけ算にできる

よくある間違い

  • (1)で組む相手を誤り、 のように和がそろわないペアにして、共通の が現れず行き詰まる。
  • (2)で和と差のかけ算の形に気づかず、 つのかっこを最初から総当たりで展開して項が非常に多くなる。
  • 置きかえた を最後にもとへ戻し忘れ、答えを のまま書いてしまう。

問3たすき掛けによる因数分解の応用

★★★ 応用因数分解たすき掛け

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は係数が大きいたすき掛けだ。 と の係数の分け方を粘り強く試す。(2)は2文字に1次の項がついた式だ。まず1つの文字で整理し、定数部分を先に因数分解してから、全体をたすき掛けする。

解答・解説

方針

(1)は2文字のたすき掛け。 と をたてに分け、たすきの和が になる組を探す。(2)は文字が2つで項も多いが、やることは決まっている。 について整理し、定数項(= の式)をたすき掛けで分解して、全体をたすき掛けにかける。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)は係数の大きいたすき掛けだ。候補が多いときこそ、やみくもに試さない。

積が負なら 因数は異符号、と符号の情報で候補をしぼってから試す。(2)は項が つある。多変数で項が多いときは「 つの文字について整理」という原則に立ち返るのが第一歩だ。

(1) 、 と分けて、たすきの和が になる組を探す。

合った。だから

12x²−18xy10xy−15y²2x−3y6x5y
(2x−3y)(6x+5y) = 12x²−18xy+10xy−15y² = 12x²−8xy−15y²

(2) まず について整理する。

定数項 を、たすき掛けで因数分解する。

次に、全体を の2次式としてたすき掛けする。 を 、定数項を と分け、たすきの和が の係数 になる組を探す。

合った。だから

まとめ:2段のたすき掛け(定数項で1回、全体で1回)になる。各段で『和が合うか』を必ず確かめよう。

発展。 (1)のたすき掛けは長方形の面積として見ると腑に落ちる。縦 、横 の長方形は つの部屋に分かれ、面積は 、、、 となる。

まん中の 部屋の和 が、ちょうど の係数になる。これが「たすきの和」の意味だ。一般に を展開すると、まん中の項は 。たすき掛けとは、この「 部屋の和」が与えられた係数に合うように、 数 を逆算する作業にほかならない。

答

(1) (2)

別解

別解:変数を取り替えて 次式に直す(得意な人向けの高い視点)。 (2)は最高次 に着目し、、 とまとめて置く。

すると 次部分 もこの だけで書ける。実際 だ。だから与式全体が の式になる。

これは 項ずつまとめると、 を共通因数としてくくれる。

、 を戻して 。 文字で整理してたすき掛けする本解とは別筋の、変数変換で 次式を 次のかけ算に直す見方だ。本解と同じ答えに着く。

ポイント

  • 2文字のたすき掛けは、 と の項をたてに分ける
  • 項が多い式は について整理し、定数項( の式)を先に因数分解
  • 全体をたすき掛けし、たすきの和が の係数と合うか確認

よくある間違い

  • たすきの和の符号を取り違え、 にすべきところを に合わせてしまう。
  • (2)で定数項 を先に因数分解せず、 項全体をいきなりたすき掛けしようとして手が止まる。
  • 係数の大きい(1)で、 と の分け方を 通り試しただけで「できない」と早合点する。

問4複2次式の因数分解(置き換えと平方の差)

★★★ 応用因数分解複2次式

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は で普通に。(2)は ではうまくいかない。 を展開して元の式とのずれを見ると、そのずれが『何かの2乗』になっていて、平方の差が作れる。

解答・解説

方針

(1)は とおけば、ふつうの2次式の因数分解になる。 を戻したあと、さらに分解する。(2)は の式()が因数分解できない。そこで2乗を作る。 を にすれば が作れるので、そのぶん増やした分()を引く。すると2乗 − 2乗の形になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)は を 文字とみる置きかえで済む。

ところが(2)は、置きかえた 次式 が因数分解できない。ここで手が止まる。そこで「平方の差を作る」に切り替える。複 次式には『置きかえ』と『平方作り』の つの道がある。片方が塞がったらもう片方、という地図を持っておくのが発想だ。

(1) とおくと 。因数分解して を戻す。

、 をさらに分解して

(2) は、 とおいても となり因数分解できない。そこで2乗を作る。 と から が作れるので、まん中を にして、差の分()を調整する。

2乗 − 2乗の形になったので、和と差のかけ算を使う。

まとめ:『 の因数分解ができないときは、2乗を作って差にする』は複2次式の大事な手だ。まん中の項を、2乗が作れる値に合わせて調整するのがポイント。

発展。 複 次式 が「どこまで割れるか」は、 の 次式 の解で決まる。

(1)は とどちらも平方数だから、 すなわち と つの 次式にまで割れた。(2)は で、平方数どころか有理数ですらない。だから 次式には割れず、 つの 次式で止まる。 の解の形から、因数分解の最終的な形が分かる。

答

(1) (2)

別解

別解:因数の形を仮定して係数を合わせる(得意な人向けの系統的ルート)。 (2)は「平方の差」を思いつかなくても、答えの形を仮定すれば係数比較で押し切れる。

には奇数次の項がない。だから左右対称な の形になると見当をつける。展開すると

もとの式と見比べて 、。 だと で整数にならない。 なら 、。

よって 。平方の差を作る本解と同じ答えに、形を仮定するルートから着く。

ポイント

  • 複2次式はまず 。分解できれば戻してさらに分解
  • の式が分解できないときは、2乗を作って差 にする
  • まん中の項を、2乗が作れる値に合わせて調整する

よくある間違い

  • (2)を「 にすると割れない」で止め、平方の差を作る工夫に進めずあきらめる。
  • 平方の差を作るとき引く量を誤り、 を にした差 を や と取り違える。
  • (1)で まで出して満足し、さらに 次式へ分解するのを忘れる。

問5符号の統一と置き換え・共通因数

★★★ 応用因数分解共通因数置き換え

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は と が符号違いの同じものなので、そろえて1文字に置き換える。(2)は の符号を にそろえると共通因数 が出て、残りが2乗の差。

解答・解説

方針

どちらも『符号をそろえる』のが決め手だ。(1)は の中身が、 の中身と符号が逆。 と直すと、 が共通のかたまりになり、置きかえで2次式になる。(2)は の が、 の と符号が逆。 と直すと、共通因数 が見える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) つの式に共通するのは「符号が逆のかたまり」だ。

(1)なら と 、(2)なら と 。どちらも で向きをそろえられる。 と書きかえると、バラバラに見えた式の形がそろう。まず「同じ向き」にそろえる、という下ごしらえが発想だ。

重要符号をそろえて共通のかたまりを作る: で に統一

(1) の中身を、 に合わせる。 なので

とおくと、見なれた2次式だ。

を戻して

(2) を、 に符号を合わせる。 なので

共通因数 でくくると

カッコの中 は和と差のかけ算でさらに分解できる。

まとめ:符号が逆のかたまりを見たら、 でそろえる。これが両方に共通のコツだ。

発展。 (1)の答え を とおくと、 と という 本の直線を表す。どちらも が一定の、平行な直線だ。

という置きかえは、この平行な直線の族を「 軸上の 点 」に押しつぶして見る操作にあたる。 変数の話が 変数に落ちるのは、この平行性があるからだ。

共通のかたまりを 文字におく手筋は、こうして「同じ方向をもつ図形」を見つける目とも結びついている。

答

(1) (2)

別解

別解:展開して の 次式として組む(苦手な人向けの正攻法)。 置きかえが思いつかないときは、(1)をぜんぶ展開して で整理してしまえばよい。

。 について整理すると

定数部分は と割れる。この つの和 が、 の係数とぴたり合う(たすき掛け)。よって 。ブロックの置きかえ(本解)に気づかなくても、展開して整理すれば同じ答えにたどり着く。

ポイント

  • 符号が逆のかたまりは、 で符号をそろえる
  • (1)は を置きかえて2次式に、(2)は共通因数でくくる
  • くくった後の もさらに分解する

よくある間違い

  • 符号をそろえないまま進め、 と を別のかたまりと思って共通部分を見つけられない。
  • (2)で共通因数 でくくった後、残りの をさらに割れることに気づかず途中で止める。
  • 符号を でそろえるとき、 を一部の項にだけかけて全体の符号がずれる。

問6最低次の文字で整理する因数分解

★★★ 応用因数分解文字が複数の式

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

文字が複数あるときは、次数がいちばん低い文字について整理すると1次式になって扱いやすい。(1)は 、(2)は について並べ替える。整理後に現れる共通因数を見つけよう。

解答・解説

方針

2文字の式は次数の低いほうの文字について整理する。(1)は が1次で低いので、 について整理。(2)は が1次で低いので、 について整理する。整理すると共通因数が現れる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 多変数・項数多めの因数分解の合言葉は「最低次の文字で整理」。(1)は 、(2)は について 次だ。その文字で整理すれば、くくれる形が自然に現れる。

重要次数の低い文字について整理してから因数分解する

(1) について整理する。

を含まない部分 は に分解できる。

すると共通の が見える。

くくって

(2) が1次で低いので、 について整理する。 を含む項は 、 を含まない項は 。

、そして と符号をそろえると

共通の でくくって

確かめに展開すると

となり、もとの式に戻る。次数の低い文字で整理すると、共通因数が見つけやすい。

答

(1) (2)

別解

(1)は について整理してもよい。

定数項 で、たすき掛けを考える。かけて 、たして になる2つを探すと、 と だ(、)。だから

と、同じ答えになる。

ポイント

  • 2文字の式は、次数の低い文字について整理する
  • 整理すると共通因数( や )が現れる
  • 符号が逆のかたまりは でそろえてからくくる

よくある間違い

  • 次数の高い文字で整理して、複雑にする
  • (2)で の符号をそろえ忘れる

問7展開を用いた等式の証明と平方の和への応用

★★★ 応用展開証明

問題

(1) 次の等式が常に成り立つことを、左辺と右辺をそれぞれ展開して証明せよ。

(2) 、 である。(1)の等式を利用して、積 を「2つの自然数の2乗の和」の形で2通りに表せ。

ヒントを見る

(1)は左辺・右辺をそれぞれ展開して、同じ式にたどり着くことを示すだけ。(2)は与えられた数を『2つの平方の和』の形にして(1)に当てはめる。 と の順を入れかえると、別の表し方がもう1通り出る。

解答・解説

方針

(1)は等式の証明。左辺と右辺をそれぞれ展開して、同じ式になることを示せばよい。どちらも になる。

(2)は(1)の公式に、 を当てはめるだけ。 の割り当てを入れかえると、別の2乗の和が得られ、2通りの表し方が出る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)の等式証明は、両辺を別々に展開して一致を見るのが最短。(2)は(1)をただの計算問題と切り離さず、「証明した等式は道具として使うためにある」と読む。数の当てはめ先を探す姿勢が問われている。

(1) 左辺と右辺を、それぞれ展開する。

左辺:

右辺:

まん中の と が消えて、左辺と同じ形になった。よって等式は成り立つ。(証明終わり)

(2) 、 なので、(1)で とする。

だから

次に、 と の割り当てを入れかえて とすると、別の表し方が出る。

よって2通りに表せて

(1)で証明した公式がこんな数の性質にも使える、という例だ。

答

(1) 証明は解答参照(両辺とも に等しい) (2)

別解

(1)の公式には符号違いのもう1つの形もある。

(展開すれば同じく確かめられる。)これに を入れると

となり、こちらでも の表し方が得られる。

ポイント

  • 等式の証明は、左辺・右辺を別々に展開して同じ形を示す
  • と が消えるのがポイント
  • (2)は公式に数を当てはめる。 の順を変えると別の表し方が出る

よくある間違い

  • 証明で左辺と右辺を混ぜて変形する(別々に展開して比べる)
  • (2)で の入れかえに気づかず、1通りしか出せない

問8対称式・交代式の因数分解

★★★ 応用因数分解対称式・交代式

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は を1つと見れば『2乗の差』を作れる形。(2)は交代式だ。1つの文字(例えば )について整理すると が共通因数として現れる。答えの符号(全体のマイナス)に注意。

解答・解説

方針

(1)は 。まん中を にすれば が作れるので、2乗を作って差にする。(2)は3文字の交代式。1つの文字()について整理すると、共通因数 が現れる。整理 → 共通因数 → 残りを分解、の流れだ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1)は惜しい形だ。まん中が なら完全平方 になる。

そこで足して引く調整で、平方の差を作りにいく。(2)は交代式だ。展開して押し切らず、 つの文字について整理する原則に立ち返れば、共通因数が自然に現れる。

公式平方の差を作る:

(1) は、まん中を にすると が作れる。だから2乗を作って、増やした分()を引く。

2乗 − 2乗の形になったので、和と差のかけ算を使う。

(2) について整理する。まず展開して でまとめる。

どの項にも共通の がある。くくって

カッコの中は、かけて ・たして の2数が と なので

まとめて

答えの形をそろえると(符号を整理して)

まとめ:とも書ける。交代式は『1文字で整理 → 共通因数 → 残りを分解』できれいな積になる。

発展。 (1)の つの因数 と は、 でありさえすれば、どちらも必ず正になる。実際 で、これが になるのは かつ 、つまり のときだけだ。

だから は、 ではつねに正。正の因子 つの積だからだ。 とおけば という見なれた形になる。

「 乗の和に近い式を、正の因子の積に開く」見方は、不等式の証明や最小値の議論でも役に立つ。

答

(1) (2)

別解

別解:因数の形を仮定して係数を合わせる(得意な人向けの系統的ルート)。 (1)は平方の差を思いつかなくても、答えの形を仮定して押し切れる。

は と を入れかえても変わらず( について対称)、各項の次数はそろって 次だ。そこで

と仮定して展開する。 の係数は 、 の係数は になる。もとの式と見比べて 、。

これを解くと 、 より 、。よって 。平方の差を作る本解と同じ答えに、形の仮定から着く。

ポイント

  • (1)は2乗を作って の差にする
  • (2)は1つの文字について整理すると共通因数 が出る
  • 残った2次式をさらに因数分解して、対称・交代の積の形にする

よくある間違い

  • (1)でまん中を にそろえる工夫に気づかず、 項のまま因数分解しようとして詰まる。
  • (2)を展開して について整理する途中で、 の符号を落として共通因数 を見失う。
  • (2)で まで出して、 という整った形にそろえ直すのを忘れる。