軌跡と領域の求め方(媒介変数の消去と通過領域)
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日
軌跡の問題は「条件を満たす点の集まり」を方程式で表し、領域の問題は不等式で表します。どちらも、求める点を とおいて、条件を と だけの式にする点が共通です。この記事では、条件の式の立て方、媒介変数を消去するときの範囲の扱い、直線が通過する領域の求め方を例で整理します。
軌跡: 求める点を とおいて条件を式にする
2点 、 からの距離の比が となる点 の軌跡を考えます。 とおくと、条件は です。両辺を2乗すると、次の式になります。
整理すると 、つまり で、中心 、半径 の円です。線分 を に内分する点 と外分する点 が、この円の直径の両端になります。
距離の比が一定の点の軌跡は、比が でなければこのような円になり、アポロニウスの円とよばれます。答案では最後に「逆に、この円上の点は条件を満たす」と確認します。両辺が 以上なら2乗しても同値なので、この例では除外する点はありません。
媒介変数を消去するときは範囲に注意する
点の座標が媒介変数 や で表されるときは、媒介変数を消去して と の関係式を導きます。このとき、 や のとりうる値の範囲を確認しないと、実際より広い図形を解答してしまいます。
、 の場合、2倍角の公式から です。ところが は の値しかとらないので、軌跡は放物線 全体ではなく、そのうち の部分です。
、( は実数)なら、 が得られます。 なので、相加平均と相乗平均の関係から です。軌跡は双曲線 のうち の部分(右側の曲線)になります。媒介変数を消去したら、「この関係式を満たす点は、すべて実際に現れるか」を確認してください。
領域: 境界線を引いて、どちら側かを判定する
不等式 の表す領域は、曲線 の上側です。円の不等式 は円の内部を表します。複数の不等式が「かつ」で結ばれていれば共通部分、「または」なら和集合です。
領域上で式の最大値・最小値を求める問題(線形計画法)では、式の値を とおいて図形とみなします。、、、 の領域で の最大値を求める場合、 は傾き の直線で、 はこの直線の 切片です。領域と共有点をもつ範囲で直線を平行移動すると、 が最大になるのは直線が領域の頂点を通るときです。
頂点は 、、 と、2直線 、 の交点 です。 の値はそれぞれ なので、最大値は での になります。直線 の傾き が、2本の境界線の傾き と の間にあることからも、最大になる頂点が だと判断でき、検算になります。
通過領域: 「その点を通る直線が存在する」と言い換える
がすべての実数値をとるとき、直線 が通過する領域を求めます。点 がこの領域に含まれることは、 を満たす実数 が存在することと同じです。 について整理すると、次の式になります。
この の2次方程式が実数解をもつ条件は、判別式から 、つまり です。求める領域は放物線 とその上側になります。
このように、点を固定して媒介変数の方程式とみなし、解の存在条件に言い換える方法を逆像法とよびます。 の範囲が制限されている問題では「その範囲に解をもつ条件」になるので、2次方程式・2次不等式で扱う解の配置の考え方が必要です。 を固定して、 を変化させたときの の値の範囲を求める方法(順像法)で解ける問題もあります。
つまずきやすいところ
軌跡では、媒介変数の範囲による制限の見落としが最も多い誤りです。分母が になる点など、除外する点がないかも確認してください。領域では境界線を含むか含まないかを、不等号の等号の有無にしたがって必ず明記します。通過領域では、 と を定数、媒介変数を変数とみなす立場の切り替えが、最初の関門です。
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軌跡と領域には、基礎のアポロニウスの円から、応用の媒介変数で表された点の軌跡と直線の通過領域、難関の線形計画法(x+yの最大)、最難関編の線分の族の通過領域まで、この記事の型の問題があります。直線や円の方程式の基本は図形と方程式、図形の問題の解法の選択は図形の問題で初等幾何・座標・ベクトル・複素数平面を使い分けるを参照してください。