数学II / 軌跡と領域

軌跡と領域 ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 距離の2乗の差が一定
  2. 動く弦の中点の軌跡
  3. 直角を見込む点の軌跡
  4. 領域上の傾きの最大・最小
  5. 領域上の距離の最小
  6. 直線の通過領域
  7. 円板上の積の最大・最小
  8. 媒介変数で表された点の軌跡

問1距離の2乗の差が一定

★★★ 応用軌跡

問題

2点 、 について、 を満たす点 の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

『 乗の差』という形に注目。書き下ろして展開すると、 次の項がそっくり相殺される。何が残るか。

解答・解説

方針

とおいて差を計算する。2乗の『差』では 、 が消えて、直線の式になる(和のときは円だった)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は 乗の『差』だ。

とおいて書き下すと、 と が打ち消し合う。残るのは 次式で、軌跡は直線になる。和 なら円、差なら直線。この対比を見抜くのが核だ。

公式 が一定の点の軌跡は、 に垂直な直線

とおく。

、 が消える。

これが に等しいので 、。軌跡は直線 。

xyOAB
軌跡は直線 x=1

発展。 右辺の定数 を別の値 に変えると、軌跡は 。 を実数全体で動かすと、 に垂直な直線が平面をすき間なく埋めつくす。

のときは 、つまり線分 の垂直二等分線になる。差が正なら 寄り、負なら 寄りの直線だ。

「 一定」は、 点を中心とする円に対する「方べき」の差が一定という条件でもある。 円の方べきが等しい点の集合(根軸)がいつも直線になるのは、これと同じ理由だ。

答

直線

別解

別解:差を内積の形に書いて「直線」と見抜く(得意な人向けの視点)。 座標を展開する前に、 の構造を見る。

ベクトルで書くと 。これは差の 乗として因数分解できて

は定ベクトル。だから右辺は の 次式で、 を含まない。 が定数という条件は、 の 次方程式=直線を表す。しかも 方向のベクトル との内積だから、その直線は に垂直だ。

実際に代入すると 。これが で 。座標を丸ごと展開する本解と同じ直線 。「差が の 次式になる」ことを構造から見れば、 の項が消えるのは計算する前から分かる。

ポイント

  • 距離²の『差』が一定 → 直線(和なら円)。
  • 差では2乗項が消え、1次式になる。

よくある間違い

  • 差 が一定なのに、和のときと同じく円だと思い込む(差は直線)。
  • 展開で と が消えることに気づかず、 次の項を残して曲線にしてしまう。
  • に制限があると勘違いし、直線 の一部だけに答えを限ってしまう(全実数の で成り立つ)。

問2動く弦の中点の軌跡

★★★ 応用軌跡弦の中点

問題

が実数全体を動くとき、円 と直線 が2点で交わるならば、その2交点を結ぶ弦の中点 の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

中点を代数で追うと大変。中心から弦に下ろした垂線の足が弦の中点だった、という図形の事実を使うと の乗る直線がすぐに分かる。範囲の限定(どこからどこまでか)も忘れずに。

解答・解説

方針

弦の中点 は中心 から弦(直線)に下ろした垂線の足。だから は直線と垂直。直線の傾きは なので の傾きは 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 弦の中点 を代数で追うと大変だ。

図形の事実を使う。弦の中点は中心 から弦へ下ろした垂線の足。だから 弦。

弦の傾きが なら、垂直な の傾きは 。この幾何的性質から、 の満たす関係が決まる。

重要弦の中点は中心から弦へ下ろした垂線の足。 弦

弦の中点 は中心 から直線(弦)へ下ろした垂線の足。よって は弦に垂直。弦(直線 )の傾きは 。垂直なので の傾きは 。 は原点を通る傾き の直線上にある。

ただし、弦ができるのは直線が円と2点で交わるときだけなので、 は円の内部にある部分に限る。

xyO
弦の中点は原点を通る直線 y=-x/2 上(円の内部)

発展。 ここで得た直線 は、円の中心を通り、弦に垂直だ。一般に「傾きが等しい平行な弦」の中点は、どれもこの 本の直径の上に並ぶ(直径は平行な弦を二等分する)。

弦の向きを固定する代わりに、弦がすべて つの定点を通るように変えると、中点の軌跡は今度は円になる。中心と定点を結ぶ線分を直径とする円だ。

「中点=中心からの垂線の足」という一言が、これらをまとめて説明する。弦をどう動かすか(向き一定か、定点を通すか)で、中点の描く図形は直線にも円にもなる。

答

直線 (円の内部の部分)

別解

別解: 交点を求めて中点を座標で出す(得意な人向けの計算ルート)。 幾何の性質を使わず、交点そのものを追う。

直線 を円 に代入する。

交点の 座標を とすると、解と係数の関係で 。中点の座標は

を消すと 、すなわち 。 点で交わる条件は判別式 、つまり から 。このとき なので、 は円の内部を動く。垂線の足を使う本解と同じ直線 (円の内部)で、動く範囲まで式で確かめられる。

ポイント

  • 弦の中点=中心からの垂線の足 → 弦。
  • 傾きの積 から の傾きが決まる。

よくある間違い

  • 弦ができる範囲(円の内部)を書き忘れ、直線 の全体を答えにする。
  • の傾きを弦と同じ にしてしまう(垂直だから )。
  • 中点を求めるのに 交点を個別に解こうとして、 を含む座標の計算で行き詰まる。

問3直角を見込む点の軌跡

★★★ 応用軌跡円

問題

原点 を通る直線 と、点 を通り に垂直な直線 の交点を とする。 の傾きが変化するとき、 の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

直線がつねに垂直ということは、 から 定点を見込む角がつねに一定。この『見込む角』から連想される円があるはず。除外すべき点がないかも吟味を。

解答・解説

方針

なので、交点 から見て と は直角に見える()。直角を見込む点はその2点を直径とする円上にある。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) だから、交点 から と は直角に見える()。

直角を見込む点はその 点を直径とする円の上にある(タレスの定理)。「直角を見込む点は直径の円上」と言い換えると、座標の計算がほとんど要らなくなる。

定理線分 を直角に見込む点()は、 を直径とする円上にある

で、 は ( を通る)と ( を通る)の交点。よって 、つまり 。直角を見込む点は線分 を直径とする円上にある。直径 の中点 が中心、半径は 。

除外点を吟味する。 が 軸(傾き )のとき、 は直線 で、交点はちょうど 。つまり は軌跡に含まれる。一方、交点が になるには が を通る必要があるが、傾き の に対し は を通る傾き の直線で、 を通ると となり不可能。よって除くのは だけ。

xyOA
OA を直径とする円が軌跡

発展。 ここでは見込む角が だったので、軌跡は を直径とする円になった。見込む角を 以外の一定角 に変えると、軌跡は を弦とする円弧になる(同じ弧の上では円周角が一定、という定理)。

角 が小さいほど弧はふくらんで大きな円になり、 を に近づけると直線 の延長にせまる。 はちょうど半円で、円の直径が になる特別な場合だ。

端点 、 では「角を見込む」こと自体ができない。だが元の問題は「 直線の交点」で定義されているから、端点が軌跡に入るかは、交点として実現するかで別に確かめる。今回は が傾き の交点として現れ、 はどの傾きでも現れなかった。言い換えた条件(見込む角)と元の条件(交点)のずれを端点で埋めるのが、軌跡の仕上げの一歩だ。

答

円 (点 を除く)

別解

別解:いくつか実際に交点を打って円を見つける(苦手な人向けの実験ルート)。 定理を思い出す前に、手を動かして点を並べてみる。

の傾きをいろいろ変え、( を通り に垂直)との交点 を計算する。

  • 傾き :、。交点 。
  • 傾き :。
  • 傾き :、。交点 。
  • 傾き : は 軸、 は直線 。交点 。

これらはすべて中心 、半径 の円 の上に乗る(例:)。 自身も傾き の交点としてきちんと現れる。

では はどうか。交点が になるには が を通らなければならないが、 は を通る傾き の直線なので、 を通ると となって不可能。どんな傾きでも は に届かない。だから除くのは だけ。実験で見えた円はタレスの定理で解く本解の答えと一致する。

ポイント

  • 直角を見込む点 → 2点を直径とする円(タレスの定理)。
  • 直径の中点が中心、直径の半分が半径。

よくある間違い

  • 除外点の吟味を誤る(円をそのまま答えにして を残す、逆に、傾き で交点が になることを見落として まで除いてしまう)。
  • 直径 の中点 でなく、端点や原点を中心にしてしまう。
  • の傾き の式で押し切ろうとして、 の場合の確認を飛ばす。

問4領域上の傾きの最大・最小

★★★ 応用領域最大最小

問題

点 が長方形の領域 、 を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

に図形的な意味を与えられるか。原点と点 を結ぶ直線の何にあたるかを考える。そう読めれば、長方形のどの隅が極端かは図から選べる。

解答・解説

方針

は原点と点 を結ぶ直線の傾き。領域(長方形)を見わたして、原点から見て傾きが最も急な点・最もゆるい点をさがす。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を、原点と点 を結ぶ直線の傾きと読み替える。

すると問題は「原点から見て、長方形のどの点への傾きが最も急か・最もゆるいか」に変わる。 傾き、という図形的な言い換えで、最大最小が図で見える形になる。

重要 は、原点と点 を結ぶ直線の傾き

① の意味を読みかえる。 は原点 とその点を結ぶ直線の傾き。だから「原点から見て、領域のどの点への傾きが最も急か・最もゆるいか」を考えればよい。

② 傾きが極端になる隅をさがす。 原点から見て傾きが最大になるのは、 が大きく が小さい隅。最小になるのは、 が小さく が大きい隅。長方形なので4隅を調べれば足りる。

③ その隅で を計算する。

最大は隅 、最小は隅 でとる。(参考:4隅の傾きは 。この中に最大・最小がある。)

xyO(2,3)(4,1)
原点から見て傾き最大(2,3)・最小(4,1)

まとめ: は「原点からの傾き」。図で原点から領域を見て、いちばん急・いちばんゆるい方向の点(ふつう頂点)でとる。

発展。 のような分数一次式は、原点を通る半直線の上ではどこでも同じ値をとる。 で、値は「向き」だけで決まり、原点からの距離にはよらない。

原点を含まない凸領域の上で を動かすと、値の動く範囲は、原点から領域へ引いた 本の接する半直線(支持線)の傾きで挟まれる。今の長方形では、その接する半直線が対角の頂点 と をかすめている。

一般に を凸領域上で最大最小する問題は、値が等しい点の集まりがすべて直線になるため、頂点や境界だけを調べれば済む。 次式(線形計画法)と分数一次式に共通する、「凸領域の端で極値をとる」性質だ。

答

最大値 、最小値

別解

別解:分数を大きく/小さくするコツで隅を選ぶ(苦手な人向けの直感ルート)。 という分数を、そのまま大小で考える。

分数を大きくしたいなら、分子 をできるだけ大きく、分母 をできるだけ小さくする。長方形では の最大は 、 の最小は だから、最大は 。小さくしたいなら逆に、分子を小さく分母を大きく。 の最小 、 の最大 で、最小は 。

と は長方形の中でそれぞれ独立に動ける。だから分子と分母を別々に端へ寄せてよい(これは長方形だからできる技で、境界が斜めだと使えない)。最大 (隅 )・最小 (隅 )。原点からの傾きで見る本解と同じ答えで、「分子を大きく分母を小さく」と読むと隅がすぐ決まる。

ポイント

  • は原点からの傾き。図で傾きの急・ゆるを見る。
  • 傾きの端は領域の隅(頂点)で起こる。

よくある間違い

  • 最大と最小が同じ隅で起こると思い込み、片方の隅だけ調べる。
  • を のような差と混同し、平行移動する直線として扱ってしまう。
  • 分子・分母の端を取り違え、 のように計算する(最大は分母を小さく取る)。

問5領域上の距離の最小

★★★ 応用領域最大最小

問題

点 が三角形の領域 、、 を動くとき、 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

式の形を『ある定点からの距離の 乗』と読み替える。その定点は領域の中か外か。外なら、領域のどこがその定点に最も近いかを図で特定しよう。

解答・解説

方針

は定点 からの距離の2乗。定点は領域の外にあるので、最小になるのは領域の境界上で に最も近い点。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は、定点 から点 までの距離の 乗だ。

だから求めるのは「領域の中で に最も近い点」。定点 は領域の外にある。外にあるなら、最も近い点は境界の上(辺への垂線の足か頂点)にある。

重要 は点 からの距離の2乗。領域上の最小=最も近い点までの距離²

① 式の意味を読みかえる。 は、定点 から点 までの距離の2乗。だから「領域の中で に最も近い点」を探せばよい。

② 定点が領域の内か外かを確認する。 は なので、領域 の外にある。定点が外なら、最も近い点は領域の境界の辺の上にある。

③ 辺への垂線の足を求める。 いちばん近い辺は 。 からこの辺へ垂線を下ろすと、足は法線方向 に だけ戻った点 。この点は辺の端点 と の間にあるので、領域の点として採用できる。

④ 最小値を計算する。

xyO(3,3)(2,2)
点(3,3)に最も近い領域内の点は(2,2)

まとめ: は「定点からの距離の2乗」。定点が領域の外なら、最も近い辺へ垂線を下ろした足が最近点(足が辺からはみ出すときは端点でとる)。

発展。 定点から凸な領域への最短点はただ つに定まる(凸集合への「射影」)。その最近点は辺への垂線の足か、さもなくば領域の頂点のどちらかだ。

最近点 では、 を中心とする円がちょうど辺 に接している。距離を表す円の等高線が、境界に接する場所が最短点、という見方だ。

もし定点が領域の内側にあれば、最短距離は (その点自身)。「点から凸領域への最短距離」は最小二乗法や最適化で繰り返し現れる基本の操作で、射影という名で呼ばれる。

答

最小値 (点 のとき)

別解

別解:境界を 変数の 次式に落とす(得意な人向けの計算ルート)。 垂線の足を図で求める代わりに、境界の上で式を最小化する。

まず頂点での値を見る。、、。次に つの辺の内部を調べる。

いちばん小さくなるのは辺 の上だ。()を代入すると

これは下に凸の 次式で、頂点は 。値は 。 は範囲 の中にあり、点は 。

他の 辺(、)では最小が で、これより大きい。よって領域全体での最小値は 。垂線の足を幾何で出す本解と同じで、辺ごとに 次式へ落とせば図形の性質を使わずに詰められる。

ポイント

  • は定点からの距離²。最小=最も近い点。
  • 定点が領域外なら、境界(辺)への垂線の足が最近点。

よくある間違い

  • 定点 が領域の内か外かを確かめず、いきなり最小値を としてしまう。
  • 辺への垂線の足が線分からはみ出す場合を確かめず、直線までの距離で済ませる(はみ出せば頂点が最近点)。
  • 最小値(距離の 乗) と、最小の距離 を取り違える。

問6直線の通過領域

★★★ 応用領域通過範囲

問題

が実数全体を動くとき、直線 が通過する領域を求め、図示せよ。

ヒントを見る

発想を逆転する。点 を固定して『この点を通るような が存在するか?』と問い直す。存在条件を の方程式の言葉にすれば、領域の式が現れる。

解答・解説

方針

点 がこの直線群のどれかにのっている ⟺ を満たす実数 が存在する。これを の2次方程式とみて、実数解をもつ条件()を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 発想を逆転する。点 を固定して「この点を通る直線が族の中にあるか」と問い直す。

点 を通る を満たす実数 が存在する。これを の 次方程式とみて、実数解をもつ条件(判別式 )を考える。通過領域=パラメータの解の存在条件、という見方が核だ。

重要通過領域:点 を通るパラメータ が存在する条件(判別式など)を求める

点 がこの直線群のどれかを通る ⟺ を満たす実数 が存在する。 について整理する。

これが実数解 をもつ条件は、判別式 。

よって通過領域は放物線 の上ではなく下側(および放物線上)、。

xyOこの下側
放物線 y=x² の下側(境界含む)が通過領域

発展。 通過領域を「点を固定して、パラメータの方程式が実数解をもつ条件」で捉えると、境界の意味が分かる。 の方程式 の実数解の個数は、判別式の符号で決まる。

内部の点()は 個の で通る。つまり、その点を通る直線が族の中に 本ある。境界 の点は重解でちょうど 本、外側()は 本も通らない。

「点を固定して、それを実現するパラメータが在るか」と問い直す発想は、通過領域だけでなく、値域を求める問題や不等式の成立条件など幅広い場面で使える。族が直線でなく曲線でも、パラメータの実数解の存在条件に読み替えるのは同じだ。

答

放物線 の下側および放物線上()

別解

別解:縦の 本の直線上で、届く高さを調べる(苦手な人向けのルート)。 判別式を使わず、 を つ固定して考える。

の縦線の上で、直線 が届く高さ を見る。 の関数とみて平方完成すると

を動かすと、 で最大 、そこから下は までいくらでも取れる。

つまり縦線 の上で、直線群は のすべての高さを覆い、 には決して届かない。 を動かせば通過領域は 。判別式で解く本解と同じ結論に、「各縦線でどこまで届くか」を見るだけで着く。

ポイント

  • 通過領域=『その点を通すパラメータが存在する』条件。
  • パラメータの2次方程式とみて、判別式 。

よくある間違い

  • 点を固定して の方程式とみる発想に切りかえられず、 の式のまま手が止まる。
  • 実数解の条件を とし、境界 (重解)を答えから落とす()。
  • 判別式の不等号の向きを誤り、放物線の上側 を通過領域にしてしまう。

問7円板上の積の最大・最小

★★★ 応用領域最大最小

問題

点 が円板 を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

を で抑えたい。 や が 以上であることから、その橋を架けられないか。等号が成り立つ点が本当に円板の中にあるかの確認まで。

解答・解説

方針

の端は円周上でとる。 のもとで を考えると、 のとき最大、 のとき最小になる。、 が 以上であることからも出せる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 円板の上で の最大最小を求める。

道具は「 乗は 以上」という、いつでも成り立つ不等式だ。 と から を上下に挟む。 乗の非負性で積を評価する。これは 、 で端をとる幾何とも一致する。

重要円上の は で最大、 で最小(境界でとる)

① 最大側の不等式を作る。 実数の2乗は 以上なので 。展開すると 、つまり 。

② 円板の条件と組み合わせる。 領域は 。上の式とつなぐと なので

等号は かつ 、すなわち などのとき。

③ 最小側も同じ要領で。 今度は から 、つまり なので

等号は のとき。まとめると最大値 、最小値 。

xyO
xy が最大/最小になるのは y=x・y=-x と円の交点

まとめ: の最大最小は から を作り、円板の条件 とつなぐ。等号成立( / )が最大・最小をとる点。

発展。 座標軸を 回して 、 とおくと、、 になる。

円板 の上で は、 で最大 、 で最小 。回した軸で見ると、 の最大最小が素直に読める。

の等高線は直角双曲線で、 が のとき円 に接する。この は 次形式 の固有値 に円の半径の 乗 を掛けた値でもある。「回して主軸に直す」見方を使うと、 次形式の最大最小をまとめて扱える。

答

最大値 、最小値

別解

別解:円周上を角度で表して 倍角にする(得意な人向けの視点)。 最大最小は境界の円周でとる。中心から遠いほど積の絶対値が大きくなるからだ(半径 の点を円周まで 倍に伸ばすと、 は 倍に増える)。

そこで円周を 、 と表す。

は から まで動くので、 は から まで。最大 (、すなわち )、最小 ()。 乗の非負性で挟む本解と同じ答え。円周を角度で表すと、 という つの三角関数になり、最大最小が振れ幅からすぐ読める。

ポイント

  • から を使う。
  • の端は (最大)・(最小)、境界の円周上。

よくある間違い

  • 最大最小が円板の内部で起こると思い、境界の円周でとることを見落とす。
  • と の片方だけ使い、最大か最小の一方しか出さない。
  • 等号成立の点 などが本当に円周上にあるかを確かめずに答える。

問8媒介変数で表された点の軌跡

★★★ 応用軌跡媒介変数

問題

実数 に対して点 を考える。 が実数全体を動くとき、 の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

媒介変数の軌跡は『 を消す』に尽きる。どちらの式から を表すのが楽か。消したあと、 の動ける範囲に制限が生じないかも確認しよう。

解答・解説

方針

、 とおく。 の式から を求め、 の式に代入して を消去する。残った 、 の関係式が軌跡。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 媒介変数表示の軌跡は、パラメータ を消すことに尽きる。

、 の 式がある。 の式は について簡単に解けて 。これを に代入すれば が消え、 と の関係式が残る。消しやすい式から を解く、という定跡を確認する問題だ。

重要媒介変数の軌跡:、 をパラメータ()で表し、 を消去する

、 とおく。 の式から

これを に代入して を消す。

は実数全体を動くので、 も実数全体をとる。よって軌跡は放物線 全体。

xyO頂点
軌跡は放物線 y=(x-1)²

発展。 媒介変数表示 、 から を消すと、 と の関係式(陰関数)が得られる。ここでは が実数全体を動き、 も実数全体をとるので、放物線が丸ごと現れた。

注意が要るのは、消去のときに動ける範囲が狭まる場合だ。たとえば なら に限られ、軌跡は放物線の一部になる。式だけ見て「全体」と早合点せず、 のとれる範囲を必ず確かめる。

逆に、、 を つのパラメータで表すと、円・楕円・サイクロイドなど、陰関数のままでは動かしにくい曲線も点の動きとして描ける。媒介変数と陰関数を行き来する感覚は、この先の曲線の問題で役に立つ。

答

放物線

別解

別解:基本の放物線 を右へずらしたものと見る(得意な人向けの視点)。 を消す計算をせず、図形の移動として捉える。

点 は放物線 の上の点そのものだ( が 座標)。いまの点は で、 座標だけが 大きい。つまり は 上の点を右へ だけ平行移動した点。 が実数全体を動くと、放物線 が丸ごと右へ ずれる。

移動後の式は 。 を代入で消す本解と同じ放物線。「 を右へ 」と見れば、頂点が から に動くことも一目で分かる。

ポイント

  • 媒介変数表示は を消して 、 の式にする。
  • のとる範囲(ここでは実数全体)も確認する。

よくある間違い

  • から を消すのに と 通り出し、符号の場合分けで混乱する。
  • を消したあと、 のとれる範囲(ここでは全実数)の確認を飛ばす。
  • を と展開ミスし、頂点の位置を間違える。