物理 / 直流回路

検流計の内部抵抗を半偏法で測定するときの誤差

★★★★ 難関検流計分流器測定の誤差

問題

内部抵抗 が未知の検流計 G(最大目盛り )の内部抵抗を、次の方法で測定する。起電力 、内部抵抗が無視できる電池、抵抗 、G を直列に接続すると、G はちょうど最大目盛りを指した。次に、G と並列に可変抵抗 S を接続し、G の指示値が になるように S を調整して、そのときの S の値を の測定値とする。G の実際の内部抵抗は であるとする。

GER₀S
検流計 G と抵抗 R₀ を直列に接続し、G と並列に可変抵抗 S を接続する

(1) S を接続する前に流れる電流が になることを、 を用いて確認せよ。

(2) S を接続しても回路全体の電流が変化しないと近似すると、S の値はいくらになるか。

(3) 実際には、S を接続すると回路全体の電流がわずかに変化する。G の指示値がちょうど になる S の値を求め、測定値の誤差は何 % かを求めよ。

(4) (3)の S の値が と表されることを導け。

(5) 電池を起電力 のものに交換し、 を にして同じ測定をすると、誤差はどうなるか。

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S を接続すると、回路全体の合成抵抗と電流はどうなるか。全体の電流が増加したとき、G の電流を半分にするには、S は より大きくするか小さくするか。

解答・解説

方針

S を接続しても全体の電流が変化しないなら、G と S に半分ずつ流れるので である。実際には S を接続すると合成抵抗が小さくなって全体の電流がわずかに増加するので、G の電流を半分にするには S を より小さくする必要がある。誤差の大きさは で、 を大きくすると小さくなる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) G の指示値が半分になったとき、全体の電流が変化していなければ、G と S には等しい電流が流れているので である。この方法を半偏法という。

ところが、S を接続すると G と S の並列の分だけ回路の合成抵抗が小さくなり、全体の電流はわずかに増加する。このずれが測定値の誤差の原因になる。

① S を接続する前の電流。

② 全体の電流が変化しないと近似したとき。 全体の のうち G に が流れるので、S にも が流れる。G と S の電圧は等しいので である。

③ 実際の S の値。 S を接続したとき、全体の電流は で、そのうち G に流れるのは 倍である。

これが に等しいとすると、 より次のようになる。

R₀誤差O14.9149.90.671.5 V の場合15 V の場合
R₀ [kΩ] と測定値の誤差の大きさ [%](検流計の内部抵抗 100 Ω)。R₀ を大きくするほど誤差は小さくなる

測定値は実際の値 より小さく、誤差は である。

④ 一般の式。 S を接続する前の電流は で、G の電流がその半分になる条件は次のとおりである。

整理すると で、 となる。 は と の並列の合成抵抗に等しく、常に より小さい。

重要半偏法の測定値は で、実際の値より小さい。誤差の割合は

⑤ 電池と を大きくしたとき。 最大目盛りの電流は で変化しない。

誤差は約 で、 になる。 が より十分大きいほど、S を接続したときの全体の電流の変化が小さくなり、誤差も小さくなる。

まとめ 半偏法では、S を接続すると全体の電流がわずかに増加するので、測定値は実際の内部抵抗より小さくなる。測定値は と の並列の合成抵抗に等しく、起電力と を大きくするほど誤差は小さくなる。

発展。 誤差の原因が判明すれば、④の式を逆に解いて と補正できる。測定の方法に固有の誤差(系統誤差)は、原因を特定すれば計算で補正できる点が、偶然に生じる誤差との違いである。

答

(1) (2) (3) 約 、誤差は約 (4) G の電流が S 接続前の半分になる条件 を解くと (5) で、誤差は約 に小さくなる

別解

別解:電流の増加の割合から考える。 S を に近い値とすると、G と S の並列は約 で、回路の合成抵抗は から に減少する。全体の電流は約 増加する。

G の電流を に保つには、S に流す電流を全体の増加分だけ多くする必要がある。S の電流は約 多くなり、同じ電圧で電流が 多いので、S は より約 小さくなる。③の結果と一致する。

ポイント

  • 半偏法では、G の電流が半分になる S の値を内部抵抗とみなす
  • S を接続すると全体の電流が増加するので、測定値は で実際より小さい
  • 誤差の割合は 。起電力と を大きくすると小さくなる

よくある間違い

  • S を接続しても全体の電流は変化しないと考えて、測定値に誤差はないとする。並列の分だけ合成抵抗が小さくなり、全体の電流は増加する
  • 全体の電流が増加するので、S は より大きくなると考える。G の電流を半分に保つには S に多く流す必要があり、S は小さくなる
  • 誤差を小さくするには を小さくすればよいと考える。 が大きいほど S による電流の変化が小さく、誤差は小さい