コンデンサーの極板操作 — 第一手は固定量の確定

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月6日

コンデンサーの極板を動かす、誘電体を入れる、金属板を挿入する、という「極板操作」の問題は、電磁気で最も定番の出題です。公式は の3本だけなのに、「電池をつないだままか、切ってからか」で答えが逆になり、多くの人がここで混乱します。この記事では、極板操作を「第一手は固定量の確定」という1つの原則で解く方法を説明します。

第一手: 何が固定されているかを書く

電池につないだままなら、極板間の電圧 が電池の起電力に固定されます。電池を切ってからなら、極板の電荷 が固定されます(電荷の逃げ場がないからです)。この「 固定か 固定か」を、操作をする前に1行書いてください。ここが決まれば、あとは公式に沿って変わる量を追うだけです。

たとえば、極板間隔 を2倍にする操作を考えます。 なので は半分になります。 固定なら、 が半分、 が半分です。 固定なら、 が2倍、 が2倍です。同じ操作で、エネルギーが半分にも2倍にもなります。電場と電位の標準「極板間隔を広げる(電池を切って)」と「(つないだまま)」は、この対比のための問題です。

エネルギーの式は固定量に合わせて選ぶ

の3つの式 は、固定されている量に合わせて選びます。 固定なら 固定なら を使うと、変わる量が だけになって、増減が一目でわかります。

電場は「Q 固定なら不変」

極板間の電場は ですが、 とも書けます。後者の形を見ると、 固定なら、極板間隔を変えても電場は変わらないことがわかります。 固定なら、間隔を広げると電場は弱くなります。「 固定なら 不変」は、極板を引き離す仕事を求めるときに使います。

誘電体と金属板

誘電体を入れると、容量が比誘電率 倍になります。 固定なら 倍、 固定なら 倍です(標準の誘電体を入れる(電池つなぎのまま))。

金属板を厚さ だけ挿入すると、金属板の中は電場が0(死んだ区間)になり、実質の極板間隔が になります。容量は で、金属板の位置(上寄りか下寄りか)にはよりません(応用の極板間に金属板を挿入する)。- グラフを描くと、金属板の区間で電位が一定(踊り場)になります。

エネルギーの4つの帳簿

操作の前後で、次の4つの量の収支を書きます。電池がした仕事(電池を通った電荷 × 起電力)、外力がした仕事、静電エネルギーの変化、抵抗で発生した熱です。エネルギー保存の式は「電池の仕事 + 外力の仕事 = 静電エネルギーの増加 + 熱」です。

電池を切っていれば電池の仕事は0、ゆっくり動かせば熱は0(運動エネルギーも0)、という判断で、問題ごとに消える項が決まります。 固定で極板を引き離すなら、外力の仕事がそのまま静電エネルギーの増加になります(応用の極板を引き離す仕事)。 固定で極板を引き離すと、静電エネルギーは減り、その分と外力の仕事の合計が電池に戻ります(電池が充電される)。この「電池に戻る」場合が、直感に反するので、帳簿を必ず書いてください。

充電済みのコンデンサーどうしを並列につなぐ問題(応用の電荷の再分配)は、電荷保存で共通の電圧を求め、失われたエネルギーが抵抗値によらず熱になる、という帳簿です。

直列・並列との組合せ

複数のコンデンサーがあるときは、並列は 共通で容量の和、直列は 共通(間の「島」の電荷が保存される)で容量の逆数の和です。直列で「 共通」になる理由は、極板操作の「 固定」と同じで、電荷の逃げ場がないからです。電場と電位の標準「並列接続」「直列接続」で、この理由から入ると、公式の丸暗記にならずに済みます。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは、「 固定か 固定か」を書かずに操作を始めることです。次に、 の式を固定量に合わせず、変わる量が2つある式で計算して混乱することです。3つ目は、「 固定で極板を引き離すと静電エネルギーが減る」ことを「外力が負の仕事をした」と誤解することです。外力は正の仕事をしていて、減った分と合わせて電池に戻っています。帳簿を書けば防げます。

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