物理 / 直流回路
はしご形の回路で電流が半分ずつに分流する
問題
抵抗値 の抵抗と の抵抗を、図のようなはしご形に接続する。上の導線の点 、、 の間には の抵抗があり、各点から下の導線へ の抵抗が接続されている。 の右側は、さらに の抵抗で下の導線に接続されている。 と下の導線の間に、起電力 、内部抵抗が無視できる電池を接続する。下の導線の電位を とする。
(1) と下の導線の間の、 から右側の部分の合成抵抗を求めよ。
(2) 電池に接続された回路全体の合成抵抗と、電池を流れる電流を求めよ。
(3) 、 の電位と、、、 から下の導線へ接続した の抵抗に流れる電流を、それぞれ求めよ。
(4) 同じ形の区画をさらに右へ追加していくと、各点から下の導線へ流れる電流はどのように変化するか。
(5) と から下の導線へ流れる電流だけを合計すると、いくらになるか。
ヒントを見る
右端の2つの の並列はいくらか。それに を直列に接続し、さらに と並列にすると、合成抵抗はどうなるか。各点で電流はどんな比で分流するか。
解答・解説
方針
右端から合成抵抗を順に求めると、どの点についても右側の合成抵抗は になる。そのため、各点で電流は「下へ流れる 」と「右側の合成抵抗 と直列の 」に等しく分流し、右へ進むごとに電流が半分になる。電位も1区画ごとに半分になる。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) はしご形の回路は、右端から合成抵抗を順に求めていくと扱いやすい。右端の2つの の並列は で、それに を直列に接続すると 、さらに と並列にすると再び になる。
どの点についても右側の合成抵抗が なので、各点での電流の分流の比はすべて同じになる。この規則性から、電流と電位が1区画ごとに一定の比で変化することが判明する。
① から右側の合成抵抗。 から下へ接続した と、右端の の並列である。
② 全体の合成抵抗と電池の電流。 から右側は、 と①の の直列 と、 の下の の並列で になる。 でも同じ計算で、全体の合成抵抗は である。
③ 電位と電流。 では、下の と、右側の (直列の と合成抵抗 )に等しく分流する。下の に流れる電流は で、右へ 流れる。
右へ流れる電流が を通過すると、電位は 低下するので、 の電位は である。 でも等しく分流するので、下へ 、右へ 流れ、 の電位は である。 の下の と右端の には、それぞれ が流れる。
④ 区画を追加したとき。 追加した区画の右端を で終えれば、どの点についても右側の合成抵抗は のままである。各点で電流は等しく分流するので、下の導線へ流れる電流は 、、、、……と、1つ右の点へ進むごとに半分になる。
⑤ と の電流の和。
まとめ はしご形の回路は右端から合成抵抗を求めると、どの点から先も になる。そのため電流と電位は1区画ごとに半分になり、各点の電流は の比になる。
発展。 ⑤のように、、、 の電流から選択したものを合計すると、 から までの電流を ごとに得られる。選択の有無を と で表すと、 と を選択した は2進数の にあたる。この回路は、デジタルの数値を電流や電圧に変換する回路(DA 変換器)に用いられている。
(1) (2) 、 (3) は 、 は 。電流は から 、 から 、 から (4) 1つ右の点へ進むごとに半分になる (5)
別解
別解:キルヒホッフの法則で電位を直接求める。 、 の電位を 、 とし、各点に流入する電流と流出する電流が等しいという式を立てる(単位は と )。
2番目の式から で、1番目の式に代入すると より 、 となり、③と一致する。電位が1区画ごとに半分になることも、この2式から確認できる。
ポイント
- はしご形の回路は右端から合成抵抗を求める。この回路ではどの点から先も
- 各点で電流は等しく分流し、右へ進むごとに電流も電位も半分になる
- の電流の組み合わせで、2進数の値に比例する電流が得られる
よくある間違い
- から右側を、下の だけと考えて とする。右端の との並列で である
- 全体の合成抵抗を、すべての抵抗の直列や並列で一度に計算する。はしご形の回路は直列と並列が交互に重なっているので、右端から順に求める
- で電流が と の比で分流すると考える。右へ向かう側は と右側の合成抵抗 の直列で なので、等しく分流する