物理 / 直流回路
2つの抵抗の電圧を電圧計で別々に測定すると和が電源の電圧より小さい
問題
起電力 、内部抵抗が無視できる電池に、抵抗 と を直列に接続する。内部抵抗 の電圧計を用いて、それぞれの抵抗の両端の電圧を1回ずつ測定する。
(1) 電圧計を接続しないとき、、 の両端の電圧をそれぞれ求めよ。
(2) 電圧計を の両端に接続すると、指示値は であった。電圧計の内部抵抗 を求めよ。
(3) 同じ電圧計を の両端に接続すると、指示値はいくらになるか。
(4) に接続したときの指示値 と、 に接続したときの指示値 の比 は、 の値によらず に等しいことを説明せよ。
(5) を電源の電圧 の 以上にするには、電圧計の内部抵抗はいくら以上必要か。
ヒントを見る
電圧計を接続した抵抗は電圧計とどんな接続になるか。その合成抵抗と、もう一方の抵抗で電圧がどう配分されるか。 と の式を同じ形に整理すると、何が共通になるか。
解答・解説
方針
電圧計を接続すると、その抵抗と電圧計の内部抵抗の並列になり、回路の電流と電圧の配分が変化する。並列の合成抵抗を用いて分圧を計算すれば、指示値から が求まる。2つの指示値の式は分母が共通になるので、比は によらない。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 電圧計には内部抵抗があり、接続すると電圧計にも電流が流れる。測定する抵抗と電圧計は並列になり、その部分の抵抗が小さくなるので、指示値は接続しないときの電圧より小さくなる。
指示値は並列の合成抵抗ともう一方の抵抗による分圧で求まる。2つの指示値の式を比較すると、何が共通で何が異なるかが判明する。
① 電圧計を接続しないとき。 電流は で、電圧は が 、 が である。
② 内部抵抗の算出。 と電圧計の並列の合成抵抗を とすると、 と で を分圧した 側の電圧が である。 と の電圧が等しいので である。
③ に接続したとき。 と電圧計の並列の合成抵抗は である。
2つの指示値の和は で、電源の電圧 より小さい。
④ 指示値の比。 と の並列は なので、 を整理すると次のようになる。
も同じように整理でき、分母は共通である。したがって で、 によらない。実際に である。
⑤ 必要な内部抵抗。 ④の2式の和をとると、次のようになる。
整理すると で、次のようになる。
測定する抵抗の並列の合成抵抗 の約 倍の内部抵抗が必要である。
まとめ 電圧計を接続すると、測定する部分の抵抗が小さくなり、指示値は本来の電圧より小さくなる。ただし、2つの指示値の比は抵抗の比を正しく表す。
発展。 実際の電圧計の内部抵抗は 程度のものが多いが、数 の抵抗の電圧を測定すると、この問題と同じ誤差が無視できなくなる。比が正しく表されることを用いると、内部抵抗が不明でも抵抗の比を測定できる。
(1) は 、 は (2) (3) (4) と の式の分母はどちらも で等しく、分子の比が だから (5) 約 ()以上
別解
別解:比が保たれることを、電流の比で説明する。 電圧計を に接続した回路と に接続した回路は、どちらも「、、電圧計」の3つの抵抗からなる。 に接続したとき、 を流れる電流 は、 と電圧計に流れる電流の和 に等しい。
同じように である。2式の比をとると括弧の部分が消去され、 となる。
ポイント
- 電圧計を接続すると測定する抵抗と並列になり、指示値は本来の電圧より小さくなる
- 2つの指示値の式は分母が共通で、比は抵抗の比に等しい
- 誤差を小さくするには、内部抵抗を測定する部分の抵抗より十分大きくする
よくある間違い
- 電圧計を接続しても回路の電流は変化しないと考えて、指示値を とする。電圧計にも電流が流れ、電圧の配分が変化する
- 2つの指示値の和が電源の電圧に等しいと考える。それぞれの測定で回路が異なるので、和は より小さい
- 内部抵抗の算出で、 と電圧計を直列とする。電圧計は測定する抵抗の両端に接続するので並列である