物理 / 直流回路

電池の組み合わせ方で外部抵抗に流れる電流は変化する

★★★★ 難関電池の接続内部抵抗電力

問題

起電力 、内部抵抗 の同じ電池が 個ある。これらをすべて用いて、 個を直列に接続した列を 列つくり()、それらの列を並列に接続する。この組み合わせを、抵抗値 の外部抵抗に接続する。導線の抵抗は無視する。

……⋮R=1.5 Ω1列に m 個n 列
m 個の電池(各 E=1.5 V、r=0.50 Ω)を直列にした列を n 列並列にし、外部抵抗 R に接続する

(1) 12 個をすべて直列に接続したとき(、)、外部抵抗に流れる電流を求めよ。

(2) 12 個をすべて並列に接続したとき(、)、外部抵抗に流れる電流を求めよ。

(3) 一般の 、 について、組み合わせた電池の起電力と内部抵抗を求め、外部抵抗に流れる電流を 、 で表せ。

(4) 外部抵抗に流れる電流が最大になる 、 と、そのときの電流を求めよ。

(5) (4)のとき、組み合わせた電池の内部抵抗と外部抵抗の大小を比較せよ。また、外部抵抗で消費される電力と、電池全体がする仕事率を求めよ。

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直列にすると起電力と内部抵抗はどうなるか。同じ列を並列にすると、それぞれどうなるか。直列の個数を増加させたとき、電流を大きくする量と小さくする量は何か。

解答・解説

方針

個を直列にすると起電力は 、内部抵抗は になり、同じ列を 列並列にすると起電力はそのままで内部抵抗は になる。電流は で、 を代入すると だけの式になる。直列の個数を増加させると起電力が増加するが、内部抵抗も増加するので、その兼ね合いで最大が定まる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 直列の電池を増加させると起電力は増加するが、内部抵抗も増加する。並列の列を増加させると内部抵抗は減少するが、起電力は増加しない。

外部抵抗に流れる電流は、組み合わせた電池を1つの電池とみなして で求まる。 の制約のもとで、この値が最大になる組み合わせを特定すればよい。

① すべて直列。 起電力は 、内部抵抗は である。

② すべて並列。 起電力は のままで、内部抵抗は である。

内部抵抗はほぼ になるが、起電力が小さいので電流は小さい。

③ 一般の組み合わせ。 1列の起電力は 、内部抵抗は で、同じ列を 列並列にすると、起電力は のまま、内部抵抗は になる。

④ 電流が最大になる組み合わせ。 の組み合わせについて電流を計算すると、次のようになる。

内部抵抗 [Ω]
電流 [A]

、 のとき、電流は最大の になる。

mIO6123.0m=6, n=2 で最大
1列の個数 m と、外部抵抗に流れる電流 I [A]。点は mn=12 となる組み合わせで、m=6 のとき最大になる

⑤ 最大のときの内部抵抗と電力。 、 のときの内部抵抗は で、外部抵抗と等しい。外部抵抗の電力と電池全体の仕事率は次のとおりである。

電池がした仕事の半分が外部抵抗で、もう半分が内部抵抗で熱になる。

重要同じ電池を組み合わせて外部抵抗に流す電流を最大にするには、組み合わせた電池の内部抵抗を外部抵抗に等しくする

まとめ 直列は起電力を、並列は内部抵抗の小ささを得る組み合わせである。電池の総数が一定のとき、電流は組み合わせた電池の内部抵抗が外部抵抗に等しいときに最大になる。

発展。 電気自動車では、多数の電池を直列に接続して電圧を、並列に接続して流せる電流と容量を確保している。外部の負荷に応じて組み合わせ方を定める考え方は、ここでの計算と同じである。

答

(1) (2) 約 (3) 起電力 、内部抵抗 、電流 (4) 、 で (5) 内部抵抗は で外部抵抗と等しい。外部抵抗の電力 、電池全体の仕事率

別解

別解: の式にして最大値を求める。 を代入すると、内部抵抗は になる。

分母の2つの項の積 は によらないので、相加平均と相乗平均の関係から、分母は2つの項が等しいときに最小になる。 から 、 となり、④と一致する。2つの項が等しいことは、内部抵抗 が に等しいことと同じである。

ポイント

  • 個直列で起電力 ・内部抵抗 、同じ列を 列並列にすると内部抵抗は
  • 電流は 。総数が一定なら だけの式になる
  • 電流が最大になるのは、組み合わせた電池の内部抵抗が外部抵抗に等しいとき

よくある間違い

  • すべて直列にすれば起電力が最大なので、電流も最大になると考える。内部抵抗も最大になり、電流は最大にならない
  • 並列にすると起電力も 倍になると考える。同じ列を並列にしても、起電力は1列分のままである
  • 列を並列にしたときの内部抵抗を とする。並列にすると内部抵抗は になり、 である