物理基礎 / 運動の表し方
停止距離(空走距離+制動距離)
問題
で走行中の自動車の運転手が前方の障害物に気づいた。気づいてからブレーキを踏むまでの反応時間は で、その間は のまま走る(空走)。ブレーキを踏むと、大きさ の一定の加速度で減速する。
(1) 空走距離(反応時間の間に進む距離)を求めよ。
(2) 制動距離(ブレーキを踏んでから止まるまでの距離)を求めよ。
(3) 停止距離(気づいてから止まるまでの全距離)を求めよ。
ヒントを見る
気づいてから止まるまでを 2 つの区間に分けよう。前半と後半で運動の種類がどう違うだろうか。
解答・解説
方針
運動を「等速の区間」と「等加速度の区間」に分ける。空走は距離=速さ×時間、制動は v²−v₀²=2ax。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 現実の運動は 1 種類の式では書けないことが多い。「等速区間」と「等加速度区間」に切って、区間ごとに式を選ぶ。
この切り分けが身につくと、文章題は一気に見通しがよくなる。
① 空走距離(等速区間)。
② 制動距離(等加速度区間)。
時間が不要なので を使う。
③ 停止距離。
まとめ v-tグラフでは、空走は長方形、制動は三角形。停止距離はその合計面積だ。制動距離は の形から速さの 2 乗に比例する。速さ 2 倍で制動距離 4 倍 — 車間距離を「速さの 2 乗」の感覚で取るべき理由がここにある。
発展 — 一歩先へ。 空走距離は速さの 1 乗、制動距離は 2 乗に比例する。だから停止距離は という「1 次+2 次」の式になる。実際の運転免許の教本にある停止距離の表は、ほぼこの式で再現できる。
(1) (2) (3)
別解
すべて v-tグラフの面積で押すルート(苦手な人向け)。 グラフを描くと、 までは高さ の水平線、そこから傾き で下り、 に止まる。
- 長方形:
- 三角形:
合計 。ブレーキ時間 ()もグラフから読める。公式が思い出せないときはいつでも面積に逃げられる。
ポイント
- 運動を等速区間と等加速度区間に分ける
- 制動距離は速さの 2 乗に比例(v₀²/2a)
- v-tグラフなら長方形+三角形の面積
よくある間違い
- 空走距離を足し忘れて 40 m を停止距離とする
- 制動距離の計算で加速度の符号を誤り、負の距離が出て混乱する(左辺は で負、右辺の も負でつじつまが合う)
- 反応時間の間も減速していると考えてしまう(空走中は等速)