物理基礎 / 運動の表し方

停止距離(空走距離+制動距離)

★★ 標準等加速度直線運動文章題v-tグラフ

問題

で走行中の自動車の運転手が前方の障害物に気づいた。気づいてからブレーキを踏むまでの反応時間は で、その間は のまま走る(空走)。ブレーキを踏むと、大きさ の一定の加速度で減速する。

(1) 空走距離(反応時間の間に進む距離)を求めよ。

(2) 制動距離(ブレーキを踏んでから止まるまでの距離)を求めよ。

(3) 停止距離(気づいてから止まるまでの全距離)を求めよ。

ヒントを見る

気づいてから止まるまでを 2 つの区間に分けよう。前半と後半で運動の種類がどう違うだろうか。

解答・解説

方針

運動を「等速の区間」と「等加速度の区間」に分ける。空走は距離=速さ×時間、制動は v²−v₀²=2ax。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 現実の運動は 1 種類の式では書けないことが多い。「等速区間」と「等加速度区間」に切って、区間ごとに式を選ぶ

この切り分けが身につくと、文章題は一気に見通しがよくなる。

① 空走距離(等速区間)。

② 制動距離(等加速度区間)。

時間が不要なので を使う。

③ 停止距離。

tvO0.54.520空走制動
v-tグラフ。長方形(空走 10 m)+三角形(制動 40 m)=停止距離 50 m

まとめ v-tグラフでは、空走は長方形、制動は三角形。停止距離はその合計面積だ。制動距離は の形から速さの 2 乗に比例する。速さ 2 倍で制動距離 4 倍 — 車間距離を「速さの 2 乗」の感覚で取るべき理由がここにある。

発展 — 一歩先へ。 空走距離は速さの 1 乗、制動距離は 2 乗に比例する。だから停止距離は という「1 次+2 次」の式になる。実際の運転免許の教本にある停止距離の表は、ほぼこの式で再現できる。

(1) (2) (3)

別解

すべて v-tグラフの面積で押すルート(苦手な人向け)。 グラフを描くと、 までは高さ の水平線、そこから傾き で下り、 に止まる。

  • 長方形:
  • 三角形:

合計 。ブレーキ時間 ()もグラフから読める。公式が思い出せないときはいつでも面積に逃げられる。

ポイント

  • 運動を等速区間と等加速度区間に分ける
  • 制動距離は速さの 2 乗に比例(v₀²/2a)
  • v-tグラフなら長方形+三角形の面積

よくある間違い

  • 空走距離を足し忘れて 40 m を停止距離とする
  • 制動距離の計算で加速度の符号を誤り、負の距離が出て混乱する(左辺は で負、右辺の も負でつじつまが合う)
  • 反応時間の間も減速していると考えてしまう(空走中は等速)