物理基礎 / 運動の表し方

ビルの屋上からの投げ上げ

★★ 標準投げ上げ落体運動2次方程式

問題

高さ のビルの屋上から、小球を初速度 で真上に投げ上げた。重力加速度の大きさを とする。

投げた点9.8 m/s14.7 m地面
屋上から真上に投げ上げた小球が、やがてビルの横を落ちて地面に達する

(1) 小球が地面に達するのは投げてから何秒後か。

(2) 地面に達する直前の速さを求めよ。

ヒントを見る

上向きを正、投げた点を原点とすると、地面の位置は y がいくつの点だろうか。負の値になることを恐れずに式を立てよう。

解答・解説

方針

投げた点を原点、上向きを正とすると、地面は y=−14.7 m。y の式を立てて 2 次方程式を解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 上がってから落ちてくる運動だが、場合分けはいらない。上向きを正、投げた点を原点とすれば、 が上昇も下降もまとめて面倒を見てくれる。

急所は「地面」の座標。投げた点より 下だから、 だ。

① 地面に達する時刻。

両辺を で割って整理すると

より

② 直前の速さ。

負は下向きの意味。速さは

まとめ 座標と符号を最初に決めれば、「上がって下がる」運動も 1 本の式で処理できる。マイナスの位置・マイナスの速度を怖がらないことが、落体運動の卒業試験だ。捨てた解 は「もし過去から同じ放物運動をしていたら 秒前に地面にいた」という意味で、物理的に採れない。

(1) 後 (2)

別解

対称性で区切って足すルート(苦手な人向け)。 投げ上げの対称性から、小球は 後に同じ高さ(屋上の高さ)へ速さ で戻ってくる

そこからは「初速度 の投げ下ろしで 落ちる」問題になる。 を解くと より

合計 。往復を対称性で飛ばすと、2 次方程式が小さくなって計算が軽い。

ポイント

  • 投げた点を原点にすると地面は y=−h
  • 上昇も下降も 1 本の式 y=v₀t−½gt² で扱える
  • 2 解のうち負の時刻は捨てる(意味を考えて選ぶ)

よくある間違い

  • 地面を としてしまう(投げた点より下だから負)
  • 最高点で式を切り替えようとして場合分けの泥沼にはまる(1 本の式でよい)
  • も答えに含めてしまう(時刻は投げた後 のみ)