物理基礎 / 運動の表し方

記録タイマーによる実験の解析

★★★ 応用記録タイマー実験等加速度直線運動

問題

( 秒間に 回打点)の記録タイマーで台車の運動を記録し、テープを 打点ごとに切って並べたところ、区間の長さが順に であった。

3.0 cm5.0 cm7.0 cm5打点ごとの区切り運動の向き
50 Hz の記録テープ。5 打点(0.10 s)ごとの区間の長さが 2.0 cm ずつ増えている

(1) 打点分の時間を求めよ。

(2) 台車の加速度を求めよ。

(3) 番目と 番目の区間の境目での台車の速さを求めよ。

ヒントを見る

50 Hz なら 1 打点は何秒か。区間の長さが 2.0 cm ずつ増えている規則は、前問までに学んだ「変位の差」の式で読み解ける。

解答・解説

方針

5 打点=0.10 s。等時間区間の変位差=aT² から加速度。境目の瞬間の速さは、その前後 2 区間の平均の速度に等しい。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 記録タイマーの実験は、「連続する等時間の変位」の理論をそのまま現実の紙テープにしたものだ。

区間の長さが ずつ一定の割合で増えている — これが等加速度の証拠で、増え幅 から加速度が測れる。

① 区間の時間。

打点は 打点で

② 加速度。

変位の差は 。差 より

③ 境目の速さ。

等加速度では、区間の平均の速度=区間の中央時刻の瞬間の速度。境目は第 1 区間の中央と第 2 区間の中央のさらに真ん中…と考えるより、境目をまたぐ 2 区間()の平均を使うのが早い。この平均は 2 区間の中央時刻=ちょうど境目の瞬間の速度に等しい。

まとめ 実験データの解析は「差をとって 」「またいで平均して瞬間の速さ」の 2 本立て。単位換算(cm → m)を最初にやってしまうのが事故防止のコツだ。

発展 — 一歩先へ。 実際の実験ではテープの読み取りに誤差がある。区間差が のようにばらつくとき、平均をとってから で割ると誤差が均される。測定を複数回使って平均する発想は、物理実験すべてに通じる基本作法だ。

(1) (2) (3)

別解

棒グラフとして見るルート(苦手な人向け)。 テープの各区間は「 の間に進んだ距離」だから、テープを縦に並べればそのまま v-tグラフの棒グラフになる(高さ ∝ 平均の速さ)。

棒の高さが と一直線に増える → 等加速度。直線の傾きから 、棒の高さから各区間の平均の速さ()が読める。境目の速さは隣り合う棒の平均 。テープ=グラフ、という見方は実験プリントの定番だ。

ポイント

  • 50 Hz・5 打点=0.10 s
  • 区間の変位差=aT²
  • 境目の瞬間の速さ=またぐ 2 区間の平均の速度

よくある間違い

  • cm のまま計算して a=200 m/s² などの異常値を出す(0.020 m に直してから割る。答えの桁の異常さに気づけるようにする)
  • 1 区間を 5 打点=0.10 s でなく 1/50 s と混同する
  • 境目の速さを第 2 区間の平均 0.50 m/s とする(それは第 2 区間の中央時刻の速さ。境目は 2 区間をまたいで平均する)