物理基礎 / 運動の表し方
中間時刻の速度と中間地点の速度
問題
一直線上を等加速度で進む物体が、区間の始めを速度 、終わりを速度 で通過した。
(1) 時間の上でちょうど真ん中の時刻での速度 を求めよ。
(2) 距離の上でちょうど真ん中の地点(中間地点)での速度 を求めよ。
(3) と はどちらが大きいか。理由とともに答えよ。
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(1)は v が時間の 1 次式であることを使う。(2)は時間ぬきの公式で「距離が半分」を式にしてみよう。(3)は前半と後半のどちらに時間がかかるかを考える。
解答・解説
方針
時間の真ん中は v=v₀+at の 1 次性から算術平均。距離の真ん中は v²=v₀²+2ax の関係から v² の平均で決まる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 同じ「真ん中」でも、時間の真ん中と距離の真ん中は別の場所だ。ここを区別できるかがこの問題のすべて。
は時間に対しては 1 次式()、距離に対しては が 1 次式()。それぞれの 1 次性から「真ん中の値」が決まる。
① 中間時刻の速度。
は時間の 1 次式だから、真ん中の時刻での値は両端の算術平均。
② 中間地点の速度。
全区間の長さを とする。前半 に を使うと
③ 大小比較。
。
理由: 前半は速度が小さく、同じ距離に時間が余計にかかる。だから中間地点を通過するのは中間時刻より後で、加速中ゆえ速度はより大きくなっている。
まとめ は算術平均、 は「2 乗平均平方根」。一般に (等号は )が成り立つので、中間地点の速度は必ず中間時刻の速度以上になる。
発展 — 一歩先へ。 この 2 つの平均の不等式は、数学の「2 乗平均 ≥ 相加平均」そのもの。証明は差をとると に帰着する。統計で登場する標準偏差の計算にも同じ構造が現れる。
(1) (2) (3) 。前半は遅く時間がかかるため、中間地点の通過は中間時刻より後になり、そのぶん速度が大きい
別解
v² を距離の 1 次関数と見るルート(種明かし)。 は「 は距離 の 1 次式」と読める。1 次式なら、距離の真ん中での値は両端の算術平均:
つまり(1)と(2)は「 は時間の 1 次式・ は距離の 1 次式。だから真ん中の値は端の平均」という同じ論法を別の変数で使っているだけだ。公式の使い方でなく関数の形で見ると、2 問が 1 つの原理に統合される。
ポイント
- 時間の中間と距離の中間は別の点
- v は t の 1 次式、v² は x の 1 次式
- 2 乗平均 ≥ 算術平均により中間地点の速度が大きい
よくある間違い
- 中間地点の速度も 7.0 m/s と答える(v が距離に対して 1 次だと思い込んでいる。1 次なのは v²)
- を や と処理する()
- (3)の理由を「なんとなく後半が速いから」で済ませる(時間がかかるのは前半 → 中間地点の通過は中間時刻より後、という因果で説明する)