物理基礎 / 電気とエネルギーの利用

変圧器(電圧比と電力保存)

★★ 標準変圧器交流

問題

理想的な変圧器の一次コイルの巻数は 回、二次コイルの巻数は 回である。一次側に の交流電圧を加えた。(1) 二次側の電圧を求めよ。(2) 二次側で の電力を取り出しているとき、一次側の電流を求めよ。

6000 VN₁=2000N₂=100600 W
変圧器。巻数比 20:1 で 6000 V→300 V。理想変圧器では P₁=P₂
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(1) 電圧の比は巻数の比。(2) 理想変圧器では電力が保存される。一次側の電力も 600 W のはず、と考えると電流が出せる。

解答・解説

方針

電圧は巻数に比例(V₁/V₂=N₁/N₂)。理想変圧器はエネルギーを失わないので、一次側の電力=二次側の電力から電流を出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 変圧器は交流の電圧を巻数の比で変える装置である。電圧は自由に変えられるが、エネルギーはただでは増えない。理想変圧器では一次側の電力と二次側の電力が等しい。この 2 本柱で解く。

公式(電圧は巻数に比例)、理想変圧器では

① 二次側の電圧。 巻数比は だから

② 一次側の電流。 電力の保存より一次側も だから

まとめ 電圧が になるかわりに、電流は 倍になれる(二次側は )。「電圧を下げると電流が増える」というシーソーの関係が、電力保存の中身である。

(1) (2)

別解

二次側から順に数えるルート。 二次側の電流は

電流は巻数の逆比()だから

電力保存から入るか、電流の逆比から入るか。同じ内容の言い換えなので、検算として両方できると強い。

ポイント

  • 電圧は巻数に比例、電流は巻数の逆比
  • 理想変圧器は電力が保存
  • 変圧器が使えるのは交流だけ

よくある間違い

  • 電圧の比を巻数の逆比にしてしまう
  • 一次と二次で電流が同じとする(同じなのは電力)
  • 直流でも変圧器が使えると考える(電磁誘導は変化する電流が前提)