物理基礎 / 電気とエネルギーの利用

送電と電力損失

★★ 標準送電電力損失

問題

発電所から電力 を、抵抗 の送電線で送る。(1) 送電電圧が のとき、送電線で失われる電力を求めよ。(2) 送電電圧を にすると、失われる電力はいくらになるか。

発電所利用先送電線 r=0.50 ΩI
発電所から送電線(抵抗 0.50 Ω)を通して電力を送る
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送電線で失われるのはジュール熱で、電流の 2 乗で効く。まず「同じ電力を送るのに必要な電流」が電圧によってどう変わるかを計算しよう。

解答・解説

方針

送る電流は I=P/V。送電線での損失は p=rI²。電圧を 10 倍にすると電流が 1/10 になり、損失は 1/100 になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 送る電力 が同じでも、高い電圧で送れば電流は小さくて済む。送電線の損失はジュール熱 で電流の 2 乗で効くから、電流を減らせるかどうかが勝負になる。

公式送る電流 、送電線の損失

① 100 V で送る場合。

送った電力の半分が送電線の発熱で消える。

② 1000 V で送る場合。

損失はわずか %。電圧を 10 倍にしただけで、損失は になった。

まとめ これが「送電は高電圧で行う」理由である。電圧 倍 → 電流 倍 → 損失 倍。実際の送電線が数十万 V なのは、この 2 乗の効果を最大限使うためだ。

(1) (半分が損失) (2) ( %)

別解

損失の式を 1 本にまとめるルート(得意な人向け)。 に代入すると

送る電力 と線の抵抗 が同じなら、損失は に反比例。 の 10 倍で 、と代入前に構造から読める。

ポイント

  • 損失は p=rI²(電流の 2 乗)
  • 同じ電力なら高電圧ほど電流が小さい
  • 電圧 n 倍で損失 1/n²

よくある間違い

  • 損失を rI と 1 乗で計算する
  • 送電線に 100 V 全部がかかるとして p=V²/r を使う(送電線の電圧降下は一部だけ)
  • 電流を求めずに電圧だけで比較しようとする