数学B / 統計的な推測

統計的な推測 ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 独立な確率変数の和(さいころ)
  2. 二項分布の正規近似(確率)
  3. 信頼区間の幅と標本の大きさ
  4. 母比率の推定と必要な標本数
  5. 仮説検定(両側)
  6. 仮説検定(片側)
  7. 正規分布の応用(標準化)
  8. 分散の性質(総合)

問1独立な確率変数の和(さいころ)

★★★ 応用期待値分散独立

問題

個のさいころを同時に投げ、出た目の和を とする。 の期待値 と分散 を求めよ。

ヒントを見る

まず 個のさいころの目の期待値と分散を出す。 個の和については期待値と分散それぞれの加法性(分散は独立が条件)で組み立てる。

解答・解説

方針

個のさいころの目 について 、 を先に求める。 個の目 、 は独立なので、 の期待値は和、分散も和(独立だから)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 個のさいころの和 を、いきなり 通り数えにいかない。

まず 個の目 の期待値と分散を求める。部品を先に調べるのだ。 個の目は独立だから、 の期待値も分散も、部品の和になる。

「和の期待値・分散は、独立なら部品の和」。この分解の発想が主題だ。

公式独立なら 、

① 個の目の期待値。

② 個の目の分散。 。

③ 個の和にする。 個は独立。

23456789101112平均
2個のさいころの和 S の分布(三角形)。E(S)=7

まとめ:さいころの和は「 個ぶんを求めて独立性で足す」。期待値は和、分散も和(独立だから)。 であって ではない( とは違う。 は別々の変数の和)ことに注意。

発展。 「独立なら分散も足せる」のは、共分散という量が消えるからだ。

一般には が成り立つ。 は つの変数が連動する度合いを測る。 個のさいころは互いに影響しないので 。だから余分な項が消え、分散がそのまま足せた。

もし片方の目がもう片方に影響するなら となり、和の散らばりは単純な足し算からずれる。独立という条件を使っている。

答

、

別解

別解:和の分布を直接作って計算する(苦手な人向けの直接ルート)。 独立性を使わず、 の分布そのものからも が出せる。

個の目の出方は全部で 通り。和 が になる場合の数は、順に (合計 )。この左右対称な三角形の分布から計算する。

期待値は左右対称の中心だから 。分散は「 乗の期待値 期待値の 乗」で求める。

よって 。部品に分けて独立性で足す本解と同じ 、。分布を直接使うと計算は増えるが、独立性の公式を思い出せなくても答えにたどり着ける。

ポイント

  • 独立な和は も も足せる。
  • (別々の和)と (同じものの 倍)は分散が違う。

よくある間違い

  • 和の分散を と考え、 を と取り違える。
  • 期待値は足せるが分散は足せないと思い込み、 を 個の目の分散のままにする。
  • 個の目の分散を のように、引くほうを 乗にして計算を誤る。

問2二項分布の正規近似(確率)

★★★ 応用二項分布正規近似

問題

枚の硬貨を 回投げて表が出る回数を とする。 が 回以上になる確率を正規分布で近似して求めよ。ただし とする。

ヒントを見る

二項分布を正規分布で近似する型。近似先の平均・標準偏差を出し、境界の値を標準化する。『以上』の確率は全体の半分から表の値を引く形。

解答・解説

方針

。平均 、標準偏差 。 で近似し、 を標準化して右のすそ野の確率を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は試行回数が多い。こういう大きな二項分布は、正規分布で近似できる。

近似先は 。平均 、標準偏差 をまず出す。あとは を標準化し、右のすそ野の面積(確率)を読む。

「大きな二項分布 → 正規近似 → 標準化 → 表」という流れに乗せる。

重要。標準化して右すそは

① 平均・標準偏差を出す。 。

よって 。

② 標準化する。 。

③ 確率を求める。 右のすそ野。

xyO2
N(50,5^2)を標準化。Z≧2 の右すそ 0.5-0.4772=0.0228

まとめ:正規近似は「 で近似して標準化」。 を正確に。 のような右すそは、全体の右半分 から中央〜 の面積を引く。約 という小さい確率だ。

発展。 二項分布は本来とびとびの値をとるのに、なめらかな正規分布で近似している。ここに小さなずれの原因がある。

より正確にするには、 の左端 を境目に使う「半整数補正」がある。 となり、確率は約 。二項分布の正確な値(約 )にぐっと近づく。

この近似の精度がよいのは、 と がどちらも 以上のとき。今回は で十分大きく、近似の精度も高い。

答

約

別解

別解:中央の帯から左右対称のすそを取り出す(苦手な人向けの視覚ルート)。 右すそを直接読むかわりに、真ん中の帯から攻める。

は平均 から標準偏差 個ぶん上、 はちょうど 個ぶん下。標準化すると にあたる。表より、中央 の帯の面積は 。釣鐘全体は だから、両側のすそ野を合わせると 。

硬貨は公正で分布は左右対称だから、この を半分ずつに分ける。片側のすそが

右すそを直接引く本解と同じ 。「中央の帯 → 残りを対称に二等分」という見方は、左右対称な分布でミスが起きにくい。

ポイント

  • 。
  • 右すそ 。

よくある間違い

  • 正規近似の標準偏差を でなく、分散 のまま使ってしまう。
  • を表の値 そのものとし、 から引くのを忘れる。
  • 「以上」の境目に神経質になりすぎて場合分けを増やし、標準化の一手が進まなくなる。

問3信頼区間の幅と標本の大きさ

★★★ 応用推定信頼区間

問題

母標準偏差 の母集団で、母平均を信頼度 で推定したい。信頼区間の幅を 以下にするには、標本の大きさ を少なくともいくつにすればよいか。信頼度 では を用いる。

ヒントを見る

信頼区間の幅を の式で書き、『幅が 以下』という不等式を解く。 の不等式になるので、 乗してから最小の自然数を選ぶ。

解答・解説

方針

信頼区間の幅は 。これが 以下という不等式を立て、 について解く。 は自然数なので、条件を満たす最小の整数を答える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) ふつうの推定は から幅を出す。この問題は逆で、幅の条件から を決める。

信頼区間の幅は 。まずこれを式で書く。「幅を 以下に」を、 についての不等式で表す。

解いて出た値を超える最小の自然数が答えだ。信頼区間を逆から使って標本サイズを設計する。

定理信頼区間の幅 。これが目標以下になる を求める

① 幅の不等式を立てる。 幅 。

② について解く。 左辺は 。

③ について解く。 両辺を 乗する。

④ 最小の自然数を選ぶ。 は 以上の最小の自然数。

まとめ:「幅を◯◯以下に」は幅 の不等式を について解く。 を 乗する段階で が出るので、これを超える最小の整数 を選ぶ( では幅がわずかに を超える)。

発展。 この計算は、母標準偏差 があらかじめ分かっているという前提に立っている。

だが現実には も未知で、標本から推定することが多い。推定したぶんだけ不確かさが増える。そのときは正規分布ではなく、少しすそが広い 分布という分布を使って区間を作る。標本が大きくなるほど、 分布は正規分布に近づいていく。

だから が大きい今回のような場合は、 を推定値で置きかえても、正規分布による見積もりでほぼ間に合う。

答

別解

別解: と を直接あてはめて確かめる(苦手な人向けの確認ルート)。 不等式を解くのが不安なら、境目あたりの を実際に代入して幅を比べればよい。

幅は 。 のとき、 で幅は 。わずかに を超えてしまう。 のとき、 で幅は 。 以下におさまる。

だから条件を満たす最小の標本は 。不等式を解く本解と同じ答えだ。 では届かず で足りる、という境目が数値で見える。

ポイント

  • 幅 。
  • → 最小の自然数 。

よくある間違い

  • 幅の式に、半分の幅(誤差) を使い、全体の幅なのに 倍を忘れる。
  • を 乗するとき、 を切り捨てて としてしまう。
  • が出た時点で「約 」と丸め、 では幅が を超えることを見落とす。

問4母比率の推定と必要な標本数

★★★ 応用推定母比率

問題

母比率を信頼度 で推定するとき、誤差(信頼区間の半分の幅)を 以下にしたい。標本比率がどんな値でも成り立つように、標本の大きさ を少なくともいくつにすればよいか。信頼度 では を用いる。

ヒントを見る

標本比率が未知でも成り立たせるには、ばらつきの式 を最悪の場合(最大値)で見積もる。最大になるのはどんな のときか。そこを押さえてから不等式を解く。

解答・解説

方針

誤差は 。 は で最大 。最悪の場合(最大)でも誤差 となる を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 誤差は 。ところが肝心の標本比率 がまだ分からない。

そこで「どんな でも成り立つ」ように、いちばん誤差が大きくなる場合で押さえる。 は で最大の 。この最悪値で評価する。「未知の を最悪評価で押さえる」。これが必要標本数の発想の核だ。

定理 は で最大 。最悪の場合で誤差を評価する

① 誤差の最大を考える。 誤差 。 は のとき最大で 。標本比率がどんな値でも成り立たせるには、この最大の場合で押さえる。

② 不等式を解く。 これが 以下。

③ について解く。 乗する。

④ 最小の自然数を選ぶ。

まとめ:母比率の必要標本数は「 の最大 で最悪評価」すればよい。標本比率が事前に分からないので、いちばん誤差が大きくなる で見積もる。 を超える最小の整数 。

発展。 この見積もりは、母集団が標本よりずっと大きい(あるいは元に戻しながら抽出する)ことを暗に仮定している。

母集団の大きさ が標本 とくらべてそれほど大きくないときは、 という補正係数を掛けると誤差はさらに小さくなる。この係数は が大きいほど に近づく。

たとえば 、 なら係数は約 。そのぶん実際の誤差は見積もりより小さく、必要な標本も少なくてすむ。全国規模の調査で母集団がとても大きいときは、この補正はほとんど影響しない。だから「 億人の国でも 人前後」で足りる、という話につながる。

答

別解

別解: の最大を平方完成で導く(得意な人向けの視点)。 「最大が 」を暗記せず、 次関数として自分で確かめられる。

を変数とみると 。平方完成すると

だから、この式は のとき最大値 をとる。どんな でも だと分かる。あとは最悪値 を使い、 を解いて 、、。

最大を天下り式に使う本解と同じ答え。放物線の頂点として最悪値をとらえると、なぜ が最悪なのかまで腑に落ちる。

ポイント

  • (最悪評価)。
  • → 。

よくある間違い

  • 「どんな でも成り立たせる」条件を忘れ、都合のよい を選んで を小さく見積もる。
  • の最大値を でなく と取り違え、必要な標本数を誤る。
  • を切り捨てて とし、条件を満たすには切り上げが要ることを見落とす。

問5仮説検定(両側)

★★★ 応用仮説検定

問題

ある硬貨を 回投げたところ、表が 回出た。この硬貨は「表と裏が同じ確率で出る」といえるか。有意水準 で両側検定せよ。両側 の棄却域の境界は とする。

ヒントを見る

『表と裏が同じ確率』を仮説として立て、その仮説のもとで観測値がどれほど珍しいかを標準化した値で測る。両側の棄却域と比べて結論を述べる。結論の言い回しまで含めて答案だ。

解答・解説

方針

帰無仮説「表の確率 」を立てる。この仮定のもとで表の回数 は とみなせる。観測値 を標準化した が棄却域()に入るかを調べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 検定では、示したい主張の反対を仮説として立てる。ここでは帰無仮説「硬貨は公正 」だ。

この仮説が正しいと仮定すると、表の回数 は とみなせる。観測値 を標準化して、平均からどれだけ離れているかを で測る。両側で なら「珍しすぎる」として仮説を棄却する。

定理両側検定(有意水準 ): なら帰無仮説を棄却する

① 帰無仮説を立てる。 「硬貨は公正」すなわち表の確率 。

② 仮説のもとで分布を出す。 を正規近似。

③ 観測値を標準化する。 表 回。

④ 棄却域と比べる。 両側 の棄却域は 。 なので、棄却域に入る。

xyO1.96-1.96
両側5%の棄却域(|Z|>1.96)。Z=3.0 は棄却域内

結論。 帰無仮説「公正」は棄却される。この硬貨は表と裏が同じ確率で出るとはいえない。

まとめ:仮説検定は「まず『差はない』(公正)と仮定 → その仮定でどのくらい珍しい結果か で測る → 珍しすぎ()なら仮定を捨てる」。 は を大きく超え、偶然とは考えにくい。

発展。 有意水準 とは、じつは「正しい仮説を誤って棄却してしまう確率」を まで許す、という約束だ。

公正な硬貨でも、 回投げれば偶然 となることが約 起きる。そのときは公正なのに「公正でない」と誤って結論してしまう。これを第一種の誤りという。

水準を に厳しくすればこの誤りは減る。だが今度は、本当に偏った硬貨を「公正」と見逃す第二種の誤りが増える。 種類の誤りは、片方を抑えると片方が膨らむ関係にある。

だから「棄却されなかった」は「公正だと証明された」ではなく、あくまで「公正を否定するほどの証拠はなかった」という控えめな結論にとどまる。

答

Z=3.0 は棄却域にあり、「同じ確率」とはいえない(公正でない)

別解

別解:回数のものさしで棄却域を作る(苦手な人向けの直接ルート)。 標準化せず、表の回数 のまま「ありうる範囲」を先に決めてしまう。

仮説が正しいなら平均 、標準偏差 。偶然の範囲(中央 )は平均から標準偏差 個ぶんの内側だ。

観測値は 回。この受容域 〜 の外側にはみ出している。だから仮説は棄却される。 に直す本解と同じ結論だ。回数のものさしのままだと、 が「ありうる範囲」からどれだけ外れたかが直に見える。

ポイント

  • 帰無仮説()のもとで標準化。
  • 両側 は で棄却。

よくある間違い

  • 帰無仮説を「硬貨は公正でない」と立ててしまい、疑う対象と仮定する対象を逆にする。
  • 標準偏差を でなく分散 で標準化し、 などと誤る。
  • と大きな値が出ても「棄却」の一言を書かず、結論の言い切りを省いてしまう。

問6仮説検定(片側)

★★★ 応用仮説検定

問題

ある工場の製品は不良率が とされている。改善のため製法を変え、 個を調べたところ不良品は 個だった。「不良率は より高くなった」といえるか。有意水準 で片側検定せよ。片側 の棄却域の境界は とする。

ヒントを見る

片側検定の型。仮説のもとでの平均・標準偏差から観測値を標準化し、片側の棄却域と比べる。両側のときと境界の値が違う理由も考えてみよう。

解答・解説

方針

帰無仮説「不良率 (変わらない)」を立てる。この仮定で不良品数 は 。観測値 を標準化し、片側の棄却域()に入るか調べる。「高くなった」を疑うので右側だけの片側検定。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 問われているのは「不良率が高くなったか」だけ。片方向の変化だけを見るので片側検定になる。

帰無仮説は「不良率は変わらず 」。これが正しいと仮定する。観測値を標準化し、右側の棄却域 に入るかを調べる。

一方向の主張は片側検定。境界が両側の と変わる点が主題だ。

定理片側検定(有意水準 ):(右片側)なら帰無仮説を棄却する

① 帰無仮説を立てる。 「不良率は変わらず 」。対立仮説は「(高くなった)」なので右片側検定。

② 仮説のもとで分布を出す。 を正規近似。

③ 観測値を標準化する。 不良 個。

④ 棄却域と比べる。 片側 の棄却域は 。 なので棄却域に入る。

xyO1.64
片側5%の棄却域(Z>1.64)。Z=2.5 は棄却域内

結論。 帰無仮説は棄却される。不良率は より高くなったといえる。

まとめ:「高くなったか」だけを問うので片側検定(右側だけ)。棄却域の境界は両側の より内側の 。同じ有意水準でも、片側のほうが棄却されやすい(境界が甘い)。問題文が『高い/低い』の一方向なら片側、と判断する。

発展。 片側検定は調べたい方向をあらかじめ絞るぶん、その向きの変化に敏感になる(境界が と甘い)。かわりに反対向きの変化はまったく検出できない。

だからどちらを使うかはデータを見る前に問いの立て方で決めておく必要がある。結果を見てから「片側にすれば棄却できる」と後出しで選ぶのは、有意水準をこっそり甘くする反則になる。

今回は「高くなったか」という一方向の問いなので片側で正しい。もし「 と変わったか」を両方向で問うなら、境界は になり、判定がより慎重になる。問いの向きが棄却域の形をそのまま決めている。

答

Z=2.5 は棄却域にあり、「不良率が高くなった」といえる

別解

別解:珍しさを確率そのもので測る(得意な人向けの視点)。 「 が境界を超えるか」ではなく、「仮説が正しいとき、これほど不良が多くなるのは偶然どれくらい珍しいか」を確率で直接見る。

仮説のもとで不良数は平均 、標準偏差 。観測値 の標準化は 。片側なので、右すその面積を読む。

この確率 は有意水準 よりずっと小さい。「偶然では起こりにくい」ので仮説を棄却する。境界 と を比べる本解と、棄却するという結論は同じ。境界と比べるかわりに「珍しさ 」という数字で見ると、どれほど例外的かが直感でつかめる。

ポイント

  • 一方向の主張(高くなった)は片側検定。
  • 片側 は で棄却(両側 より内側)。

よくある間違い

  • 「高くなったか」という一方向の問いなのに、両側の境界 で判定して結論を鈍らせる。
  • 対立仮説の向きを と取り違え、右すそでなく左すそで判定してしまう。
  • 結果を見てから片側に切り替えるなど、棄却しやすいほうへ後出しで基準を動かす。

問7正規分布の応用(標準化)

★★★ 応用正規分布

問題

ある試験の得点 は正規分布 に従う。得点が 点以上の受験者は全体の何 か。ただし とする。

ヒントを見る

得点を標準化して、表の値と『全体の半分』の関係から右すその確率を出す。最後に百分率へ直すのを忘れずに。

解答・解説

方針

を標準化して に直し、右のすそ野の確率 を求める。それを百分率にする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 点以上は何 %か」は、割合を問う問題だ。

正規分布では、割合はすそ野の面積(確率)にあたる。そこで を標準化し、右のすそ野の確率 を求める。最後にそれを百分率へ直す。標準化して面積を読み % にする、という実用的な使い方だ。

重要標準化して右すそ 、最後に百分率に

① 標準化する。 、、。

② 右すその確率を求める。

③ 百分率にする。

xyO1.5
N(100,20²)を標準化。Z≧1.5 の右すそ 0.5−0.4332=0.0668

まとめ:「◯点以上は何 」は、標準化して右すその面積を出し、 倍する。 点は平均より標準偏差 個ぶん上で、上位約 にあたる、と読める。

発展。 正規分布には、覚えておくと見当がつく目安がある。平均から標準偏差 個ぶんの中に約 、 個ぶんに約 、 個ぶんに約 が入る。

これを使うと、いちいち表を引かなくても大きさが読める。 点は平均より標準偏差 個ぶん上。 個ぶんより外(上位約 )と、 個ぶんより外(上位約 )の中間にあたる。

実際の はこの と のちょうど間におさまっている。答えの桁を取り違えていないかの見当づけに使える。

答

約

別解

別解:偏差値に読みかえる(苦手な人向けの身近な視点)。 標準化した値 は試験で見慣れた偏差値と同じものだ。偏差値は で定義される。

点は だから、偏差値は 。偏差値 とは平均より標準偏差 個ぶん上の位置。その上側の割合は、標準化して右すそを読むのと同じ計算で

のまま解く本解と同じ 。「偏差値 は上位約 」という、模試でおなじみの数字と一致する。標準化が偏差値そのものだと分かると、正規分布がぐっと身近になる。

ポイント

  • 標準化 → 右すそ 。
  • 確率を 倍して百分率に。

よくある間違い

  • 得点 を標準化しないまま正規分布表を引こうとして、手が止まる。
  • 求めた確率 を百分率に直し忘れ、 と答える。
  • を表の値 のままとし、 から引く一手を飛ばす。

問8分散の性質(総合)

★★★ 応用分散独立

問題

独立な確率変数 、 について 、 のとき、 を求めよ。

ヒントを見る

引き算でも分散は『足し算』になる。係数の 乗が符号を消すからだ。なぜ引き算なのに散らばりは増えるのか、意味も考えてみてほしい。

解答・解説

方針

独立なら 。係数は 乗になり、符号(引き算の )も 乗で消えて正になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 独立な変数の分散は、係数を 乗してから足す。

だから となる。引き算の も 乗されて 。符号は消え、結果は足し算になる。「分散では符号が消え、係数は必ず 乗で入る」。引き算を含む形で総仕上げする。

公式独立なら (係数は 乗、符号も 乗で消える)

係数は 、。分散では係数が 乗になる。

まとめ:引き算 でも、分散は足し算になる( で符号が消えるから)。独立な変数の分散は「係数の 乗をかけて足す」。 の に惑わされて引いてしまわないこと。

発展。 分散が「係数の 乗で足す」なら、標準偏差はどう合わさるのか。

だから標準偏差は 。これは の標準偏差 と の標準偏差 を、直角三角形の斜辺のように合成した値だ()。標準偏差はそのまま足すのではない。単純に足せば だが、実際は で、それより小さい。独立な散らばりは直交して重なるからだ。

この「 乗して足し、最後に平方根」という合成は、測定の誤差を見積もる誤差伝播でもそのまま使われる考え方だ。

答

別解

別解:具体的な を作って定義から確かめる(苦手な人向けの実験ルート)。 「引き算なのに足すの?」が不安なら、条件に合う変数を実際に作って計算してみる。

は を等確率でとるとする。平均 、分散は で条件どおり。 は を等確率でとると平均 、分散 。

独立なので 通りの組が等確率 。 の値は で、平均は 。

公式で出す本解と同じ になる。実際に作ってみると、 の引き算がむしろ値のふり幅を広げ、散らばりが増える様子が見てとれる。

ポイント

  • (独立)。
  • 引き算でも分散は足す()。

よくある間違い

  • と引いてしまい、負の分散を出す。
  • 係数の 乗を忘れ、 のように 乗で足す。
  • 独立でないときにも同じ式を使い、共分散の項が加わることを見落とす。