数学A / 図形の性質

方べきの定理(接線と割線)

★★ 標準方べきの定理接線

問題

円の外部の点 から接線 ( は接点)を引く。また から円を貫く割線を引き、円との交点を近いほうから とする。 とする。

PABT3PT
外部の点 P からの接線 PT と割線 PAB。PT² = PA·PB

(1) 接線 の長さを求めよ。

(2) 弦 の長さを求めよ。

ヒントを見る

接線の長さの2乗が、割線側の に等しい。まず を求めよう。 の差だ。

解答・解説

方針

接線と割線が引かれているときの方べきの定理は 。接線のほうは2乗になるのがポイント。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 外の点から接線と割線。この配置の方べきの定理は だ。

接線側が2乗になる。「接線は、割線の2交点が1点に重なった特別な場合」と考えると、 の形で自然に覚えられる。

。(2)の は、割線上の引き算 だ。

定理方べきの定理(接線型):( は接線、 は割線)

(1) 定理に数を入れる。

(2) に近いほう、 は遠いほうで、 はこの順に一直線上にある。だから

発展 — 一歩先へ。 を固定すると、どの割線を引いても の値は同じになる(それが「方べき」の名の由来だ)。この一定値は、中心との距離 と半径 と書ける。接線の場合 は三平方の定理そのものだ。

「方べき=」という座標寄りの見方は、数学IIの円の方程式(円の外・内の判定)や、2円の根軸の話へまっすぐつながる。

(1) (2)

別解

定理の中身は「相似」だ。素手で導くと、2乗になる理由が見える。

を見比べる。 は共通。そして接弦定理から、(接線と弦 のなす角)は円周角 に等しい。

2角が等しいから 。対応する辺の比をとると

分母を払えば 。数値では で、相似比 の三角形が入れ子になっている。

方べきの定理は3つの型(2弦・2割線・接線と割線)があるが、どれも正体は「相似な三角形のペア」である。忘れたら相似を探せばよい。

ポイント

  • 接線がからむ方べきは、接線だけ2乗:
  • は一直線。弦

よくある間違い

  • の2乗を忘れて としてしまう(接線は2乗)
  • とする( が近い側なので )
  • に、 の長さを入れてしまう( からの距離で統一)