数学A / 図形の性質

接弦定理と三角形

★★ 標準接弦定理内角の和

問題

が円に内接している。点 での接線と弦 のなす角が であり、 である。

62°ABC
A での接線と弦 AB の角 = ∠ACB(接弦定理)

を求めよ。

ヒントを見る

接線と弦 のなす角は、弦 を反対側の弧から見た円周角 と等しい。これで が分かる。あとは三角形の内角の和。

解答・解説

方針

接線と弦 のなす角は、接弦定理から に等しい。 が分かれば、三角形の内角の和で が出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 接線と弦のなす角を見たら、接弦定理だ。「接線と弦 のなす角は、その弦が反対側に作る円周角 に等しい」。

だから が即座に手に入る。

あとは三角形の内角の和。 で仕上がる。

定理接弦定理:接線と弦のなす角は、その弦に対する反対側の弧の円周角に等しい

での接線と弦 のなす角は、弦 を反対側の弧から見た円周角 に等しい。よって

あとは の内角の和 から

発展 — 一歩先へ。 接弦定理は「円周角の定理の極限」と見ることもできる。弦 にどんどん近づけると、弦 は接線に近づき、円周角の定理がそのまま接弦定理の主張になだれ込む。

接弦定理の逆(角が等しければその直線は接線)は、接することの証明に使える。方べきの定理(接線と割線)の証明でも、接弦定理が相似を作る鍵として働く。次の問題でその共演が見られる。

別解

接弦定理を忘れたときのために、「中心を経由する」導き直しの道を知っておくとよい。

円の中心を とする。接線は接点で半径と直角に交わるから、

(半径)の二等辺三角形 で、頂角は

これは弦 の中心角だから、円周角はその半分で 。接弦定理と同じ値が、半径の直角と二等辺三角形だけから出てきた。

実はこれこそが接弦定理の証明である。「接線が出てきたら半径との直角を書き込む」は、接弦定理・接線の長さ・方べきのすべてに通じる、円の問題の第一の反射だ。

ポイント

  • 接弦定理で、接線と弦の角を「円周角」に置きかえる。
  • 角が2つそろえば、三角形の内角の和で3つ目が出る。

よくある間違い

  • 接弦定理の等しい相手を、同じ側の円周角と取り違える(等しいのは弦の反対側の円周角)
  • をそのまま と誤解する
  • 内角の和の計算で、どの2角が確定済みかの整理を怠る