数学A / 図形の性質

チェバの定理と長さ

★★ 標準チェバの定理

問題

の内部で3本の線 が1点で交わっている( 上、 上、 上)。 とする。

ABCDEF
3本の線が1点で交わる。BD:DC=2:3、CE:EA=4:1

(1) を求めよ。

(2) のとき、 の長さを求めよ。

ヒントを見る

チェバの定理で を先に出す。比の式に を代入。長さは、 を出た比で分ければよい。

解答・解説

方針

3本が1点で交わる → チェバの定理。3つの比のかけ算 = 1 に、分かっている2つを入れて を出す。長さは比から配分する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 3本の線が1点で交わっている。この配置を見たら、チェバの定理が第一候補だ。

頂点から出発して三角形を一周する向きで、3つの比を掛けると になる。

分かっている2つの比を入れれば、残りの が逆算できる。(2)は比が出たあとの配分の計算だ。

定理チェバの定理:

(1) 値を入れる。

数の部分は なので

よって

(2) に分けた「 のほう」が 。合計は 個分。

発展 — 一歩先へ。 別解の面積比 は、交点 の「重心座標」と呼ばれるものの正体だ。3つの数の組が三角形内の点の位置を完全に決める、という見方は、数学Cのベクトル(点の存在範囲)で本格化する。

チェバの定理の逆(積が1なら3本は1点で交わる)は、三角形の五心の存在証明(3本の中線・角の二等分線が本当に1点で交わること)に使われる。定理と逆定理のセットで持っておきたい。

(1) (2)

別解

チェバの定理を使わず、「面積比」で直接解くこともできる。定理の中身を素手でなぞる道だ。

交点を とし、3つの小三角形の面積を とおく。

底辺の比は、同じ頂点を持つ三角形の面積比になる。

  • ( を共有する2三角形)
  • ( を共有)

を基準にすると 。求める比は

チェバの「積が1」は、この3つの面積比を掛けると が全部約分される、という仕組みだったと分かる。定理を忘れても面積比で必ず復元できる。

ポイント

  • チェバで比を出す → 長さは で配分。
  • 比を書く向きは、三角形を一周する順にそろえる。

よくある間違い

  • 一周する向きを途中で乱し、比の分子・分母が逆になる
  • (2)で の分母(比の合計 )を取り違える
  • チェバとメネラウスの使い分け(1点で交わる=チェバ、直線が横切る=メネラウス)を混同する