数学A / 図形の性質

平行線と線分の比

★★ 標準平行線と比

問題

3本の平行な直線 に、2本の直線が交わっている。1本目の直線上では、上から順に長さ に分けられ、2本目の直線上では上の部分が である。

nmABCDEF346EF
平行線 ℓ・m・n は横断線を同じ比 3:4 に切る

2本目の直線の下の部分 の長さを求めよ。

ヒントを見る

平行線が横切る直線を切るとき、切られた部分の比はどの横断線でも同じになる。1本目でできた比を、2本目の と等しいとおいてみよう。

解答・解説

方針

平行な直線は、それを横切る直線を「同じ比」で切る。だから1本目でできた比 が、2本目にもそのまま当てはまる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平行な直線たちは、横切る直線を「同じ比」で切る。これがこの図のすべてだ。

1本目の直線でできた比は 。この比が、2本目の直線にもそのまま写る。

上が なら、。比例式を解いて となる。

定理平行線と線分の比:平行な直線は、2本の横断線を同じ比に切る

1本目の直線でできた比は 。平行線はどの横断線も同じ比で切るので、2本目の直線でも上下の比は

比の式を分数にして

たすきにかけて 。よって

発展 — 一歩先へ。 「平行線が比を保つ」は、三角形の中では「辺に平行な直線が他の2辺を同じ比で切る」という形になり、中点連結定理( の特別な場合)もここから出る。

この先の内分・外分、チェバ・メネラウスの定理まで、この単元の道具はすべて「比を図形の中でどう運ぶか」の技術だ。出発点のこの1問が、その原理のいちばん純粋な形である。

別解

「倍率」で読むと、比例式を立てるまでもない。

2本目の上の部分 は、1本目の上の部分 のちょうど 倍だ。

平行線で切られる限り、上下の伸び方は共通の倍率で決まる。だから下の部分も 倍で、

「対応する部分どうしの倍率は全部同じ」という見方は、相似の考え方そのものだ。比例式()と倍率()は同じ内容の2つの書き方で、数がきれいなときは倍率のほうが速い。

ポイント

  • 平行線は、横切る直線をどれも同じ比で切る。
  • 比の等式は「分数どうし」または「たすきがけ」で解ける。

よくある間違い

  • 比の向き(上:下)を1本目と2本目でそろえず、答えがずれる
  • 比例式の内項・外項の積を取り違える
  • 「平行だから比が写る」の根拠を、平行でない図にも使ってしまう(平行の確認が前提)