数学A / 図形の性質
重心は中線を2:1に内分する
問題
三角形 の頂点を 、辺 の中点を とする。 本の中線が 点で交わり、その点は各中線を頂点側から に内分することを、座標を用いて示せ。
ヒントを見る
とおく。中線 ()を頂点から に内分する点は 。これが に一致?
解答・解説
方針
頂点の座標を文字でおき、座標の平均 が各中線上で頂点から の点であることを内分点の式で確認する。 が対称なので 中線すべてが を通る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「3本の線が1点で交わる」を直接示すのは面倒に見える。座標の強みは、候補の点を先に名指しできることだ。
候補は3頂点の座標の平均 。この式は について完全に対称だから、1本の中線で「 が上に乗り、 に分ける」を確かめれば、残り2本も同じ理屈で済む。
内分点の公式で、 と を に内分する点を計算し、それが に一致することを見ればよい。
① 候補の点。 とおく。 の中点は 。
② 上の の点。 中線 を から に内分する点は よって は中線 を に内分する。
③ 対称性。 は 頂点について対称だから、まったく同じ計算で中線 ( は他辺の中点)もそれぞれ を に通る。ゆえに 中線は 点 で交わり、各中線を に内分する。
まとめ 座標の平均 が各中線の頂点から の点に一致し、式が対称なので 中線が で交わる。重心・中線と座標の融合。対称な重心座標が決め手。
発展 — 一歩先へ。 は「てこの釣り合い」でも読める。 に重さ ずつを置くと、合わせた重心は中点 (重さ )。これと の重さ が釣り合う点は、重さの逆比 で 寄り、つまり を頂点側から に分ける点になる。この“質量をおく”見方は、チェバの定理やメネラウスの定理の比の計算を素早くする。
の座標の平均 が中線 上にあり、。 より 。対称性から他の中線でも同じ点。
別解
別解 — 中点連結定理で座標なしに示す(得意な人向けの高い視点)。 中線 と ( は の中点)の交点を とする。
はそれぞれ の中点だから、中点連結定理で 、。
平行線があれば相似が生まれる。 と は相似で、比は 。よって 。
つまり「どの2本の中線も、互いを頂点側から の点で切る」。中線 を に分ける点は1つしかないから、残りの中線もみな同じ点を通る。共点であることと が同時に手に入る、無駄のない証明だ。
ポイント
- 重心の候補 。
- の頂点から の点が に一致。
- は対称なので 中線すべてが通る。
よくある間違い
- 「頂点側から 」を取り違えて、 を に内分する点を計算する( は から中線の の位置)。
- 2本の中線の交点を求めただけで終える(3本目も通ることは、 の式の対称性から言うのが本問の要)。
- 特定の三角形(例: 頂点を具体的な数値)に固定して示した気になる(文字のまま進めるか、平行移動などで一般性を失わない断りを入れる)。