数学A / 図形の性質
円に内接する四角形
問題
四角形 が円に内接している。、 とする。
と を求めよ。
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円に内接する四角形では、向かい合った2つの角をたすといつも同じ値になる。 の向かいは 、 の向かいは だ。
解答・解説
方針
円に内接する四角形では、向かい合う角の間に決まった関係がある。 と 、 と がそれぞれ向かい合っている。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「四角形が円に内接している」— この条件から言えることは つ。
(i)が主役だ。 向かい合う角(対角)は と 、 と 。
隣り合う角と足してはいけない。 の相手は、 つ飛ばした である。
検算: 四角形の内角の和は 。 ✓ — 必ずこれを確かめる。
と は向かい合っているので、和は 。
同じく と も向かい合うので
発展 — 一歩先へ。 どんな四角形でも円に内接できる、わけではない。 ここが面白いところだ。
三角形なら、どんな形でも必ず外接円がある( 点を通る円は必ず つ引ける)。しかし四角形になると、円に内接できるものと、できないものに分かれる。
点目が「たまたま」円の上に乗るかどうか — その条件が、対角の和が なのである。
- 長方形・正方形 → 内接できる(対角は ✓)
- 等脚台形 → 内接できる
- 平行四辺形(長方形以外) → 内接できない(対角が等しいので、和が になるのは長方形のときだけ)
- ひし形(正方形以外) → 内接できない
平行四辺形が円に内接できないという事実は、意外に感じるかもしれない。しかし対角が等しい()ので、和が になるには両方 — つまり長方形しかありえない。
「 点が同じ円の上に乗る」ことは、特別な事件なのだ。だからこそ、それが示せたときの見返り(円の定理が全部使える)が大きい。
点、 点と増えれば、共円はさらに珍しくなる。 それでも、正多角形はすべて共円だし、有名な九点円(三角形の つの特別な点が つの円に乗る!)のような驚異も存在する。
「たまたま円の上に乗る」ことの不思議さ — 幾何学者が何千年も惹きつけられてきた理由が、ここにある。
別解
「なぜ対角の和が なのか」 — 円周角の定理から、 行で導ける。理由を知れば、「隣り合う角と足す」という誤りは起こらない。
と は、それぞれどの弧を見ているか。
- ()は、 を含まない弧 に対する円周角
- ()は、 を含まない弧 に対する円周角
この つの弧を合わせると、円を 周する。
中心角で言えば、 つの中心角の和は 。
円周角は中心角の半分だから
「 つの弧を合わせると 周する。だから角の和は の半分」 — これが の正体だ。
同じ理由で 。 対角どうしのペアだけが、円を 周ぶん分け合っている — 隣り合う角では、こうならない(弧が重なったり足りなかったりする)。
そして、この定理の逆こそが強力である。
「 点が同じ円の上にあることを示せ」という問題が、角度の計算に化ける。
点が共円だと分かると、円の道具箱がまるごと開く。
- 円周角の定理(同じ弧の角は等しい)
- 方べきの定理(交点からの長さの積が等しい)
- 接弦定理
「共円を示す」ことは、道具を手に入れることなのだ。
外角の性質(ii)も、この から出る。 の外角は で、これは に等しい。
つの性質は、同じことの言いかえである。片方を覚えれば、もう片方は自動で出る。
円に内接する四角形は「対角がつながっている」。 向かい合う 角が、円周を分け合って を守る — そう思うと、この定理は忘れにくくなる。
ポイント
- 内接四角形は「向かい合う角の和 = 180°」。
- 隣どうしではなく、向かい(対角)の関係であることに注意。
よくある間違い
- 対角ではなく隣り合う角と足して としてしまう( の相手は1つ飛ばした )
- 四角形の内角の和 での検算をしない
- どんな四角形でも対角の和が になると思い込む(円に内接するときだけ)