数学A / 図形の性質

外心と中心角

★ 基礎外心中心角と円周角

問題

の外心(外接円の中心)である。 とする。

80°40°OABC
外心 O。∠BOC(中心角)は ∠BAC(円周角)の2倍

を求めよ。

ヒントを見る

は円の中心なので、 は弧 を中心から見た角、 は円周上から見た角だ。同じ弧を「中心から」と「円周から」見た角の大きさは、どちらが何倍になるか思い出そう。

解答・解説

方針

外心 は外接円の中心だ。すると は弧 の中心角、 は同じ弧の円周角。この2つには決まった関係がある。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 外心 外接円の中心だ。だから は同じ円の上にある。

すると は、弧 に対する円周角 は、同じ弧に対する中心角である。

「外心」という言葉に惑わされないこと。 外心 外接円の中心と読みかえた瞬間に、円周角の定理の問題に変わる。

用語を定義に戻して読む — 図形の問題では、これが第一手になることが多い。

定理中心角は円周角の2倍:同じ弧に対する中心角は、円周角の

外心 は外接円の中心だから、 は弧 の中心角。そして は同じ弧 の円周角。

よって中心角は円周角の 倍。

発展 — 一歩先へ。 外心と内心は、名前が似ているが役割がまったく違う。混同しないよう、性質を対にして整理しておきたい。

外心 内心
何の交点か 辺の垂直二等分線 角の二等分線
等しい距離 頂点から等距離 から等距離
外接円の中心( 頂点を通る) 内接円の中心( 辺に接する)
位置 鈍角三角形ではに出る 必ず内部

なぜ性質が対になるのか。

  • 点から等距離の点の集まり」 垂直二等分線 → だから外心は 辺の垂直二等分線上
  • 直線から等距離の点の集まり」 角の二等分線 → だから内心は 角の二等分線上

「点から等距離」なら垂直二等分線、「直線から等距離」なら角の二等分線。 この つの原理が、外心と内心を生んでいる。

丸暗記ではなく、"何から等距離か"で区別する。 外接円は 頂点(点)を通るのだから、中心は頂点から等距離 — 外心。内接円は 辺(直線)に接するのだから、中心は辺から等距離 — 内心

言葉の意味を追えば、性質は思い出せる。 幾何の用語は、よくできている。

別解

「中心角は円周角の 倍」— なぜ 倍なのか。 二等辺三角形と外角だけで、その理由が見える。証明を知れば、公式を疑わずに使える。

カギは「半径はすべて等しい」こと。

だから 二等辺三角形二等辺三角形の底角は等しい。

直線 を引いて、円と反対側で交わる点を とする。 そして と置く()。

を見る。 の二等辺三角形だから、底角も

三角形の外角は、隣り合わない つの内角の和だから

同じことを でやると

足す。

倍の正体は、二等辺三角形の外角だった。 つ集まって になる — 円周角の定理の「 倍」は、ここから来ている。

この証明のありがたみは、 つある。

つ目: 円周角がどこにあっても同じ理由が通る。 を弧の上で動かしても、 の値は変わるが、 は変わらない(中心角 が固定だから)。つまり同じ弧に対する円周角は、どこで測っても等しい — これも同時に証明されている。

つ目: 外心の特別な性質が見える。 外心が三角形の内部にあるとは限らない。 が鈍角なら、外心は三角形の外側に出る(そのときは上の証明を少し修正する必要がある)。直角三角形なら、外心は斜辺の中点にぴったり乗る(斜辺が直径になる — タレスの定理)。

「外心はどこにいるか」で、三角形の形が分かる。

  • 鋭角三角形 → 外心は内部
  • 直角三角形 → 外心は斜辺の中点
  • 鈍角三角形 → 外心は外部

図を描くとき、外心の位置は三角形の形が決める — 適当に真ん中へ置いてはいけない。

ポイント

  • 外心 = 外接円の中心。だから頂点から円の中心への角は中心角。
  • 中心角 = 円周角 × 2。同じ弧を見ていることが条件。

よくある間違い

  • 中心角を円周角の半分にしてしまう(中心角のほうが2倍で大きい)
  • 外心を内心(内接円の中心)と取り違える
  • 鈍角三角形でも外心が内部にあると思い込む(鈍角三角形では外心は三角形の外に出る)