数学A / 図形の性質
外心と中心角
問題
は の外心(外接円の中心)である。 とする。
を求めよ。
ヒントを見る
は円の中心なので、 は弧 を中心から見た角、 は円周上から見た角だ。同じ弧を「中心から」と「円周から」見た角の大きさは、どちらが何倍になるか思い出そう。
解答・解説
方針
外心 は外接円の中心だ。すると は弧 の中心角、 は同じ弧の円周角。この2つには決まった関係がある。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 外心 は外接円の中心だ。だから 、、 は同じ円の上にある。
すると は、弧 に対する円周角。 は、同じ弧に対する中心角である。
「外心」という言葉に惑わされないこと。 外心 外接円の中心と読みかえた瞬間に、円周角の定理の問題に変わる。
用語を定義に戻して読む — 図形の問題では、これが第一手になることが多い。
外心 は外接円の中心だから、 は弧 の中心角。そして は同じ弧 の円周角。
よって中心角は円周角の 倍。
発展 — 一歩先へ。 外心と内心は、名前が似ているが役割がまったく違う。混同しないよう、性質を対にして整理しておきたい。
| 外心 | 内心 | |
|---|---|---|
| 何の交点か | 辺の垂直二等分線 | 角の二等分線 |
| 等しい距離 | 頂点から等距離 | 辺から等距離 |
| 円 | 外接円の中心( 頂点を通る) | 内接円の中心( 辺に接する) |
| 位置 | 鈍角三角形では外に出る | 必ず内部 |
なぜ性質が対になるのか。
- 「 点から等距離の点の集まり」 垂直二等分線 → だから外心は 辺の垂直二等分線上
- 「 直線から等距離の点の集まり」 角の二等分線 → だから内心は 角の二等分線上
「点から等距離」なら垂直二等分線、「直線から等距離」なら角の二等分線。 この つの原理が、外心と内心を生んでいる。
丸暗記ではなく、"何から等距離か"で区別する。 外接円は 頂点(点)を通るのだから、中心は頂点から等距離 — 外心。内接円は 辺(直線)に接するのだから、中心は辺から等距離 — 内心。
言葉の意味を追えば、性質は思い出せる。 幾何の用語は、よくできている。
別解
「中心角は円周角の 倍」— なぜ 倍なのか。 二等辺三角形と外角だけで、その理由が見える。証明を知れば、公式を疑わずに使える。
カギは「半径はすべて等しい」こと。
だから も も二等辺三角形。二等辺三角形の底角は等しい。
直線 を引いて、円と反対側で交わる点を とする。 そして 、 と置く()。
を見る。 の二等辺三角形だから、底角も 。
三角形の外角は、隣り合わない つの内角の和だから
同じことを でやると
足す。
倍の正体は、二等辺三角形の外角だった。 が つ集まって になる — 円周角の定理の「 倍」は、ここから来ている。
この証明のありがたみは、 つある。
つ目: 円周角がどこにあっても同じ理由が通る。 点 を弧の上で動かしても、 と の値は変わるが、和 は変わらない(中心角 が固定だから)。つまり同じ弧に対する円周角は、どこで測っても等しい — これも同時に証明されている。
つ目: 外心の特別な性質が見える。 外心が三角形の内部にあるとは限らない。 が鈍角なら、外心は三角形の外側に出る(そのときは上の証明を少し修正する必要がある)。直角三角形なら、外心は斜辺の中点にぴったり乗る(斜辺が直径になる — タレスの定理)。
「外心はどこにいるか」で、三角形の形が分かる。
- 鋭角三角形 → 外心は内部
- 直角三角形 → 外心は斜辺の中点
- 鈍角三角形 → 外心は外部
図を描くとき、外心の位置は三角形の形が決める — 適当に真ん中へ置いてはいけない。
ポイント
- 外心 = 外接円の中心。だから頂点から円の中心への角は中心角。
- 中心角 = 円周角 × 2。同じ弧を見ていることが条件。
よくある間違い
- 中心角を円周角の半分にしてしまう(中心角のほうが2倍で大きい)
- 外心を内心(内接円の中心)と取り違える
- 鈍角三角形でも外心が内部にあると思い込む(鈍角三角形では外心は三角形の外に出る)