数学A / 整数の性質
x²−2y²=1 の自然数解
問題
を満たす自然数の組 を考える。
(1) がこの方程式を満たすならば、 も満たすことを示せ。
(2) が小さい方から4番目の組を求めよ。
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(1)は手を動かすだけ。勝負は(2)— 作った列の「間に別の解が挟まっていない」ことをどう言い切るか。(1)の写像を逆向きにたどると、解はどこへ運ばれ、大きさはどうなるか。
解答・解説
方針
(1)は代入して展開するだけ。(2)は最小解 から(1)の写像で と作れるが、「間に別の解がない」ことを言うために逆向きの写像 で任意の解が最小解まで降りることを確かめる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)の写像で から次々に解が作れる。だが「4番目」と言い切るには、この列がすべての解を尽くしていることが要る。
そこで逆向きの写像 を考える。これも解を解に移し、しかも( の解なら) を真に小さくする。どんな解もこの下降を繰り返すと、いつか最小解 に落ちる。つまり、逆に から昇る列がすべての解だ。
生成(作る)と下降(全部であることの保証)の両輪で、解の全リストが確定する。
① (1) の証明。 代入して展開する:
② 解の列を作る。 最小の解は を試して ( は で不適)。(1)の写像を繰り返すと
( は で真に増えるから、この列は の小さい順に並ぶ。)
③ この列で全部であること。 解 に対し とおくと、①と同じ展開で 。さらに を使うと
- : で常に成立
- : 、つまり なら成立
- : で常に成立
よって のどんな解も、下降するとより小さい自然数解に移る。下降を繰り返すと の解、すなわち に必ず到達する。つまりすべての解は、 から②の列を昇って得られるものに限る。
④ 答え。 4番目の組は 。(検算: 。)
まとめ: 「作れる」ことと「それで全部」は別の仕事だ。無限降下の親戚である下降の議論が「間に解はない」を保証して、はじめて「4番目」が確定する。
発展 — 一歩先へ。 は と小数第5位まで一致する。 の解は の最良クラスの近似分数を吐き出す機械で、この型の方程式はペル方程式と呼ばれ、連分数の理論とつながっている。
(1) 展開して確認(証明) (2)
別解
倍の正体(数の世界の掛け算)。 (1)の写像は、じつは「数を掛けているだけ」だ。
左辺は と因数分解できる。そこで解 を数 で代表させる。 は だ。掛け算してみると
— (1)の写像そのものが現れた。積 どうしを掛けても積は1のままだから、解が解に移るのは当然だったのだ。
この見方の御利益は計算にもある。4番目の解は で、2乗を2回すればよい:
3回の写像が、2回の平方に縮んだ。「解の変換=数の掛け算」という視点は、この型の方程式の全理論を貫く背骨である。
ポイント
- 写像 は解を保つ(展開で確認)。
- 逆写像 は の解を真に小さい解へ降ろす → 列で全部。
- 。
よくある間違い
- (1)の写像で列を作っただけで「これで全部」と断定する。間に別の解がないことは、下降の議論(③)で初めて言える。
- 最小解を探すとき ()の不適の確認を飛ばす。最小解の特定はリストの土台。
- 下降の不等式評価で の代入を忘れる。 と の比較は、方程式で結んで初めて進む。