数学A / 整数の性質

3つの平方数の和で表せない数

最難関編合同式存在しないことの証明

問題

方程式 を満たす整数 は存在しないことを示せ。

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解を実際に探すのは果てしないが、余りの世界なら候補は有限。平方数をある数で割った余りは驚くほど種類が少ない — 4で見て決まらなければ、もう一段細かい法で見るとどうか。

解答・解説

方針

平方数を8で割った余りは 0, 1, 4 の3種類しかない。3つ足しても余り7は作れないが、2023 を8で割った余りは7 — この食い違いで矛盾を出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「解が存在しない」ことの証明は、うまい法(割る数)を選んで両辺の余りを比べ、矛盾を出すのが定石だ。

平方数は法4で余り 0, 1 の2種類。だが で作れてしまい、矛盾が出ない。

そこで一段細かく、法8で見る。平方数の余りは 0, 1, 4 の3種類しかなく、3つ足しても余り7だけは作れない。 だから、これで勝負がつく。法の選び方(4でだめなら8)が急所だ。

重要平方数を8で割った余りは 0, 1, 4 のみ。とくに奇数の平方は必ず の形

① 平方数の余りを分類する。 整数 を偶奇で分ける。

  • のとき が偶数なら の倍数で余り0、 が奇数なら で余り4
  • のとき は連続2整数の積で偶数だから、 の形で余り1

よって の8で割った余りはどれも 0, 1, 4 のいずれか。

② 3つの和の余りを調べる。 0, 1, 4 から3つ(重複可)選んで足した和は

のいずれかで、8で割った余りとしては のどれか。余り7だけは決して作れない。

③ 矛盾。 一方、 だから、 の左辺の余りは7でなければならない。これは②に反する。よって整数解は存在しない。

まとめ: 「存在しない」は余りの世界へ持ち込む。平方数の余りの表(法8で 0, 1, 4)は、平方和の問題での定番の武器だ。実は の形の数はどれも3つの平方数の和では表せない。2023はその一例にすぎない。

発展 — 一歩先へ。 逆も知られている。 の形「以外」の自然数は、必ず3つの平方数の和で表せる(ガウスの三平方の定理)。表せない数の正体まで完全に分かっている、という美しい完結だ。

存在しない(8で割った余りを比較して矛盾)

別解

法4で追い込んでから、偶奇でとどめ(2段ロケット)。 法8の表を使わずに、法4と「連続整数の積」だけで落とす道もある。

まず法4。平方数の余りは 0 か 1 で、。余り3を作る組合せは しかない。つまり、解があるなら はすべて奇数だ。

そこで とおいて代入する。 だから

整理して

ここでとどめ。 は連続2整数の積で必ず偶数。3つ足しても偶数だ。ところが右辺505は奇数。矛盾。

法8の「余りの表」を暗記していなくても、法4 → 奇数を強制 → 連続積の偶奇、という自前の2段で同じ結論に届く。実はこの計算は、法8の表の「奇数の平方は 」を自分の手で再発見していることに他ならない。

ポイント

  • 平方数 (奇数の平方は )。
  • 3つの和の余りに7は現れない。
  • だから解なし。

よくある間違い

  • 法4で終わろうとする。 が作れるので矛盾が出ない。決まらないときは法を細かくする(4→8)。
  • 平方数の法8の余りを 0, 1, 4 以外も含めて書いてしまう。偶奇の場合分け(①)で自分の手で確かめる。
  • 「探しても見つからない」を証明の代わりにする。非存在は、余りなどの不変量で全候補を一括で消して初めて証明になる。