数学A / 整数の性質
2のべき乗+1が素数になる条件
問題
を自然数とする。
(1) が3以上の奇数の約数をもつならば、 は素数でないことを示せ。
(2) の範囲で、 が素数となる をすべて求め、そのときの の値を答えよ。
ヒントを見る
が を割り切るのは がどんなときだったか。 のもつ奇数の約数 を使って、 を「何かの 乗」の形に見立てられないか。
解答・解説
方針
が奇数のとき は で割り切れる。( は3以上の奇数)なら と読み替えて を代入すると、真の約数 が現れる。よって素数になり得るのは が2のべきのときだけ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「素数でない」ことを示すには、1と自分以外の約数を実際に見つける。つまり因数分解を作るのが本筋だ。
鍵は、 が奇数のときの恒等式 ( を代入すると0になるから、 を因数にもつ)。
が奇数の約数 をもつなら と書けて、。 を代入すれば、因数 が浮かび上がる。
① (1) の証明。 ( は3以上の奇数、 は自然数)とする。 とおくと
ここで より だから
つまり は の真の約数で、 は素数でない。
② 素数になり得る の形。 (1)の対偶から、 が素数なら は3以上の奇数の約数をもたない。すなわち は の形()だ。
③ (2) の答え。 で2のべきの形は 。値を確かめる:
3, 5, 17 は素数。257 は だから 2, 3, 5, 7, 11, 13 で割れないことを確かめればよく、実際どれでも割れないので素数。ほかの ()はすべて3以上の奇数の約数をもつので、(1)より不適。
まとめ: 素数性の議論は「合成数になる仕組み=因数分解」から攻める。指数の奇数因子がそのまま因数分解を生むので、 が素数になり得るのは が2のべきのときに限られる。
発展 — 一歩先へ。 の形の数はフェルマー数と呼ばれる。 と5連続で素数だったため、フェルマーは「すべて素数」と予想した。だが次の は で割り切れる(オイラーの発見)。その先、新しい素数は1つも見つかっていない。
(1) 証明(奇数乗の因数分解) (2) (値は )
別解
合同式で1行に畳む(得意な人向け)。 因数分解の恒等式を、合同式の言葉に翻訳するとさらに短くなる。
( は3以上の奇数)とする。法を に取ると
(これは定義そのもの。)両辺を 乗すれば、 が奇数だから
すなわち 。つまり は を割り切る。あとは で真の約数と確認するだけだ。
恒等式の長い第2因子を書かずに、「 の奇数乗は 」の一言で同じ約数に到達する。因数分解と合同式は、同じ事実の2つの言語である。
ポイント
- 奇数乗の恒等式で という真の約数を作る。
- 素数になり得るのは の形だけ。
- では 、値は 。
よくある間違い
- (1)の逆「 が2のべきなら素数」と読み違える。 が反例(発展)。(1)は片方向の主張。
- 恒等式を が偶数のときにも使う。 は で割り切れない( で )。奇数限定。
- を「奇数の約数1をもつから不適」と誤って除外する。条件は「3以上の」奇数の約数。 は立派な素数。