数学A / 整数の性質

整数解をもたないことの証明(無限降下)

★★★★ 難関合同剰余無限降下

問題

方程式 を満たす正の整数 は存在しないことを示せ。

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平方を で割った余りに注目。 の倍数になるのはどんなときか。 がすべて で割れると、割った組も解になる — これを繰り返すと。

解答・解説

方針

平方を で割った余りは 。左辺 の倍数になるには ともに の倍数。すると の倍数となり、 で割ったものも解になる。これを繰り返すと矛盾。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「解が存在しない」を示すには背理法(または無限降下法)。まず平方を で割った余りを調べる。

平方 だけ()。だから になるのは かつ 、すなわち ともに の倍数のときだけ。

すると で、 から の倍数。 で割った もまた解になる。これを繰り返すと、いくらでも小さい正の解ができて矛盾(無限降下)。

重要平方を で割った余りは に限られる。余り は元が の倍数のときだけ

の倍数。 最小の正の解 があると仮定する。平方の余りは だから、 で割った余りは のいずれか。これが (= の倍数)に等しいには余り 、すなわち かつ 。よって はともに の倍数。

の倍数。 とおくと 、すなわち 。よって の倍数、 の倍数。 とおくと

③ 無限降下で矛盾。 も正の整数解で、もとより小さい。これは「最小の解」という仮定に反する(いくらでも小さい正の解が作れる)。よって正の整数解は存在しない。(証明終)

まとめ: に解がないのは「平方の での余りが 」という制約から、解があれば が無限に で割れてしまうため。無限降下(最小の解を仮定して、より小さい解を作り矛盾)は、整数解の非存在証明の定番。

発展 — 一歩先へ。 に解がないのは、「 平方和で表せない素数()」の反映。無限降下法はフェルマーが の非存在を示すのに使った由緒ある手法で、フェルマーの最終定理の証明の原型でもある。「最小の解があれば、より小さい解が作れる」という矛盾の作り方だ。

平方を で割った余りは から ともに の倍数となり、 の倍数。より小さい解が無限に作れて矛盾(無限降下)。証明は解答参照

別解

別解 — の矛盾だけで(無限降下を使わずに)示す(得意な人向けの視点)。 無限降下を持ち出さなくても、「互いに素な最小解」を仮定するだけで矛盾が出る。

もし正の整数解があるなら、 となる解(共通因数を約分した“原始解”)が存在する。この原始解で考える。

平方 だから、 より 。すると の倍数で、 の倍数、 の倍数、 の倍数。

がすべて の倍数 — これは (原始解)に反する。矛盾。

無限に小さくしていく(本解の無限降下)代わりに、「最初から約分し切った原始解」を仮定すると、 回の 計算で矛盾が出る。無限降下と「原始解の仮定」は同じことの表裏で、後者の方が短く書ける。

ポイント

  • 平方 ともに の倍数。
  • の倍数 → も解 → 無限降下で矛盾。

よくある間違い

  • 平方 とする(実際は だけ)。
  • の倍数と分かった後、 の倍数になることを示さず矛盾に至らない。
  • 無限降下(または原始解の仮定)を使わず、「 の倍数」で止めてしまう。