数学A / 整数の性質
整数解をもたないことの証明(無限降下)
問題
方程式 を満たす正の整数 は存在しないことを示せ。
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平方を で割った余りに注目。 が の倍数になるのはどんなときか。 がすべて で割れると、割った組も解になる — これを繰り返すと。
解答・解説
方針
平方を で割った余りは か 。左辺 が の倍数になるには ともに の倍数。すると も の倍数となり、 を で割ったものも解になる。これを繰り返すと矛盾。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「解が存在しない」を示すには背理法(または無限降下法)。まず平方を で割った余りを調べる。
平方 は か だけ(、)。だから になるのは かつ 、すなわち ともに の倍数のときだけ。
すると 、 で、 から 、 も の倍数。 を で割った もまた解になる。これを繰り返すと、いくらでも小さい正の解ができて矛盾(無限降下)。
① が の倍数。 最小の正の解 があると仮定する。平方の余りは だから、 を で割った余りは のいずれか。これが (= の倍数)に等しいには余り 、すなわち かつ 。よって はともに の倍数。
② も の倍数。 とおくと 、すなわち 。よって は の倍数、 も の倍数。 とおくと
③ 無限降下で矛盾。 も正の整数解で、もとより小さい。これは「最小の解」という仮定に反する(いくらでも小さい正の解が作れる)。よって正の整数解は存在しない。(証明終)
まとめ: に解がないのは「平方の での余りが 」という制約から、解があれば が無限に で割れてしまうため。無限降下(最小の解を仮定して、より小さい解を作り矛盾)は、整数解の非存在証明の定番。
発展 — 一歩先へ。 に解がないのは、「 は 平方和で表せない素数()」の反映。無限降下法はフェルマーが の非存在を示すのに使った由緒ある手法で、フェルマーの最終定理の証明の原型でもある。「最小の解があれば、より小さい解が作れる」という矛盾の作り方だ。
平方を で割った余りは か 。 から ともに の倍数となり、 も の倍数。より小さい解が無限に作れて矛盾(無限降下)。証明は解答参照
別解
別解 — の矛盾だけで(無限降下を使わずに)示す(得意な人向けの視点)。 無限降下を持ち出さなくても、「互いに素な最小解」を仮定するだけで矛盾が出る。
もし正の整数解があるなら、 となる解(共通因数を約分した“原始解”)が存在する。この原始解で考える。
平方 は だから、 より 。すると が の倍数で、 が の倍数、 が の倍数、 も の倍数。
がすべて の倍数 — これは (原始解)に反する。矛盾。
無限に小さくしていく(本解の無限降下)代わりに、「最初から約分し切った原始解」を仮定すると、 回の 計算で矛盾が出る。無限降下と「原始解の仮定」は同じことの表裏で、後者の方が短く書ける。
ポイント
- 平方 は → で ともに の倍数。
- も の倍数 → も解 → 無限降下で矛盾。
よくある間違い
- 平方 を とする(実際は だけ)。
- が の倍数と分かった後、 も の倍数になることを示さず矛盾に至らない。
- 無限降下(または原始解の仮定)を使わず、「 の倍数」で止めてしまう。