数学A / 確率
格子上の点の移動
問題
座標平面上の原点に点 P がある。コインを投げて、表なら P を右に 1(x 方向に +1)、裏なら上に 1(y 方向に +1)だけ動かす。コインを6回投げたとき、P が点 (4, 2) にある確率を求めよ。
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に着くには右4回・上2回。合計がちょうど6回と合うか確認。あとは『6回中どの4回が右か』の反復試行。
解答・解説
方針
平面の上の移動も、位置の条件を『表・裏の回数』に置きかえれば、反復試行に持ち込める。
点 (4, 2) に着くには、右への動き(表)が4回、上への動き(裏)が2回必要だ。合計6回とちょうど一致するので、あとは表が4回出る確率を求めるだけ。
最短経路の数え方と、本質は同じだ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平面の移動も、数直線と同じ翻訳で落ちる。位置の条件を、回数の条件に変えるのだ。
に着くには、右(表)が 回、上(裏)が 回必要。合計 回で、投げる回数とちょうど一致する。だからこの点に着ける。
あとは「表がちょうど4回」の反復試行だ。翻訳の連鎖「到達条件 → 回数の条件 → 反復試行」を、2次元でも同じように通す。
点 (4, 2) に着くには、右への動き(表)が4回、上への動き(裏)が2回必要だ。表4回 + 裏2回 = 6回で、投げる回数とちょうど一致するので、この場所に着ける。
6回中ちょうど4回表が出る確率は、反復試行より
は『6回のうちどの4回で表(右への動き)が出るか』の並び方で、これは原点から (4, 2) への最短経路の数と全く同じだ。点の移動の確率は『最短経路の数 × (各経路の確率)』とも見られる。各経路の確率は で共通だから、 となる。位置を回数に置きかえる考えは、直線でも平面でも同じように効く。
発展 — 一歩先へ。 場合の数で学んだ最短経路と、確率の反復試行が、同じ で結ばれた。パスカルの三角形は「道順の数」の表であると同時に「確率分布の形」の表でもある。
表の確率が でないコインなら、道順の数は同じでも各道順の確率が変わり、山の頂上の位置がずれる。分布の頂上(最頻値)を探す問題は、この単元の別の問題で扱った「隣どうしの比」の出番になる。
別解
6回後の「行き先ぜんぶ」を一望すると、この問題の座標が見える。
6回後に P がいられる場所は、 上の7点 だけ。それぞれへの道順の数は
これはパスカルの三角形の6段目そのものだ。合計は で、全部の列を過不足なく数えられている(これが検算になる)。
への道順は 通りだから、確率は 。
1点だけ見るのでなく分布ごと見ると、「真ん中の がいちばん行きやすく、端ほど行きにくい」という山の形も同時に手に入る。二項分布の形を、格子の上で目視したことになる。
ポイント
- 平面の到達条件を「表(右)・裏(上)の回数」に置きかえる
- (4,2) に着くには右4回・上2回、合計が投げる回数と一致すること
- は、原点から (4,2) への最短経路の数と同じ
よくある間違い
- 右・上の必要回数を取り違える( なら右4・上2)
- 必要回数の合計が投げる回数と一致するかを確認しない(一致しない点への確率は0)
- 道順の数 をかけ忘れて とする