数学A / 確率
原因の確率(ベイズの考え方)
問題
ある製品は、機械 A で全体の 60%、機械 B で 40% が作られる。不良品の割合は、A の製品では 3%、B の製品では 5% である。製品を1個取り出したところ不良品であった。この製品が機械 A で作られたものである確率を求めよ。
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『不良品だった』前提で、それが 製である確率。母数は『不良品全体』の確率(= 由来の不良 + 由来の不良)。その中で 由来が占める割合。まず全体の不良率を組み立てる。
解答・解説
方針
『不良品だった』という結果から、『どちらの機械で作られたか』という原因をさかのぼる問題だ(原因の確率、ベイズの考え方)。
求めるのは 。条件付き確率なので、分子に『Aで作られ、かつ不良』、分母に『不良品全体』を置く。
分母は、A由来の不良とB由来の不良を足して求める。ここを漏らさないのがポイントだ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「不良品だった」という結果から、原因(どちらの機械か)をさかのぼる。時間の流れと逆向きの確率だ。
条件付き確率の定義に戻る。分母は「不良品になるすべてのルート」( 経由と 経由)。分子は「 経由」だ。
ルートの合流として図式化するのが発想の核になる。
求めるのは、不良品だったという条件のもとで、機械 A 製である確率 だ。条件付き確率なので
分子(A で作られ、かつ不良):
分母(不良品全体): 不良品には A 由来と B 由来があるので、両方を足す。
だから
まとめ:もとの生産の割合は A が60%と多いが、不良品にしぼると A 由来の割合は と半分以下に下がる。これは B のほうが不良率が高いためで、『不良品』という情報が原因の確率を書きかえたことを表す。原因の確率では、分母に『結果が起こる全部の道すじ』を漏らさず足すのが、いちばん大事だ。
発展 — 一歩先へ。 この更新は「オッズ( つの確率の比)」で見ると、もっと軽い。
はじめ の生産比は 。これが事前のオッズだ。ここへ、不良の起こりやすさの比 (尤度比)を、対応する側どうしでかける。
が、不良と分かった後のオッズになる。だから である確率は 。
「事前オッズ 尤度比 事後オッズ」。これがベイズの更新のいちばん素早い形で、証拠が増えるたびに尤度比をかけ足していけばよい。
別解
別解 — 実際の個数で数える(苦手な人向けの自然頻度ルート)。 割合のままだと分かりにくいので、製品を具体的に 個そろえたと考える。
機械 製は だから 個。そのうち不良は で 個。
機械 製は だから 個。そのうち不良は で 個。
不良品は全部で 個。この 個のうち、 製は 個だ。
条件付き確率の公式を使わなくても、「不良品の山の中で 製が占める割合」を数えるだけで出る。本解と同じ答えになる。
ポイント
- 結果から原因をさかのぼる = 原因の確率(ベイズの考え方)
- 、分母は結果 が起こる全部の道すじの和
- 得られた情報が、もとの確率を書きかえる
よくある間違い
- 分母を機械 の不良率 そのものにしてしまう(全体の不良率と取り違える)。
- 分母に 由来の不良 を足し忘れ、母数を 由来だけにする。
- 生産の割合( が )が大きいから 製が多いはずと決めつけ、不良率の差を無視する。