数学A / 確率

点の移動(原点に戻る)

★★ 標準点の移動反復試行

問題

数直線上の原点に点 P がある。コインを投げて、表なら正の向きに 1、裏なら負の向きに 1 だけ P を動かす。コインを6回投げたとき、P が原点にある確率を求めよ。

ヒントを見る

回・裏 回で、合計6回・差が (原点)の2式から表・裏の回数を出す。あとは反復試行の確率。

解答・解説

方針

6回動いて原点(合計の移動が0)に戻るには、右への動き(表)と左への動き(裏)が同じ回数でなければならない。

表の回数を 、裏を として、回数と移動の条件から連立方程式を立て、 を求める。

あとは反復試行で、表がその回数だけ出る確率を計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 6回動いて原点に戻る。位置の条件を、回数の条件に翻訳する。

右(表)を 回、左(裏)を 回とすると、(回数)と (位置)。解いて

「表がちょうど3回」の確率を反復試行で計算すればよい。移動の問題は、いつも「位置 → 回数」の翻訳が最初の一手だ。

x-6-4-20246原点
表で +1・裏で −1 に動く点 P(6回後に原点へ戻る確率)

表が 回、裏が 回出たとすると、投げた回数と移動の合計から

(表で ・裏で なので、移動の合計は 。原点に戻るには 。)これを解くと 、つまり表3回・裏3回のとき原点に戻る。

6回中ちょうど3回表が出る確率は、反復試行より

まとめ:位置の条件『原点に戻る』を、回数の条件 に置きかえるのがすべてだ。表と裏が同じ回数になればよいので、 通りの『どの3回で表が出るか』を、全体 で割った、と考えても同じ。奇数回投げると原点に戻れない、という見通しも持っておこう。

発展 — 一歩先へ。 この設定はランダムウォークと呼ばれ、確率論の看板役者だ。「奇数回後には絶対に原点に戻れない」(表裏同数になれないから)といった性質も、回数の翻訳から即座に読める。

「途中で一度も負の側に入らない」などの条件がつくと、経路の数え上げに反射の工夫が要る難問の世界になる。原点戻りの今日の計算は、その最初の一歩である。

別解

確率のかけ算を使わず、「同様に確からしい列」の数え上げに持ち込む道もある。

コイン6回の表裏の列は 通りあり、コインに偏りがないから、どの列も同じ確からしさだ。

原点に戻る列は「表3・裏3」の列。6回のうち表の3回の位置を選ぶと決まるから 通り。

反復試行の公式 は、この「列の数 ÷ 全列数」を書き直したものだ。確率が ずつのときは、数え上げに戻すほうが見通しがよいことも多い。

ポイント

  • 位置の条件を「表・裏の回数」の連立方程式に置きかえる
  • 原点に戻る = 表と裏が同じ回数()
  • 偶数回でないと原点に戻れない(移動の偶数・奇数)

よくある間違い

  • をかけ忘れて とする
  • 表・裏の回数を求めずに計算を始めてしまう
  • 「6回後に原点」と「途中で原点を通る」の条件を混同する