数学A / 確率

非復元抽出と条件付き確率

★★ 標準条件付き確率乗法定理

問題

赤玉5個、白玉3個が入った袋から、玉を1個ずつ2回続けて取り出す。取り出した玉はもとに戻さない。

(1) 1回目が赤である確率を求めよ。

(2) 2回目が赤である確率を求めよ。

(3) 2回目が赤であったとき、1回目も赤であった条件付き確率を求めよ。

ヒントを見る

(2)2回目が赤になる道すじは『1回目赤→2回目赤』『1回目白→2回目赤』の2通り、足す。(3)は条件付き — 『2回目赤』の前提で1回目も赤の割合。分母は(2)。

解答・解説

方針

戻さない(非復元)ので、2回目の確率は1回目で変わる。

(2)の『2回目が赤』は、1回目が赤の場合とはずれの場合に分けて足す。すると(1)と同じ値になる — これは『何回目に取り出しても赤の出る確率は同じ』という性質の表れだ。

(3)は条件付き確率。『2回目が赤』を分母にして計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 戻さない(非復元)ので、2回目の確率は1回目の結果に左右される。

(2)の「2回目が赤」は、1回目が赤の場合と白の場合に分けて足す。計算すると(1)と同じ になる。これは偶然ではなく、「何回目でも赤の出る確率は同じ」という公平性の表れだ。

(3)は条件付き確率。「2回目が赤」の世界に立って、その中で「1回目も赤」の割合を測る。分母が変わるのが条件付きの本質である。

(1) 8個中赤は5個なので

(2) 2回目が赤になるのは、次の2つに分かれる(同時には起きない)。

  • 1回目赤・2回目赤:
  • 1回目白・2回目赤:

足して

(1)と同じ になった。取り出す順番によらず赤の出る確率が同じなのは、くじ引きの公平さと同じ理屈だ。

(3) 『2回目が赤』という条件のもとで『1回目も赤』の確率を求める。条件付き確率なので、分母を『2回目が赤』にする。

まとめ:(3)は『結果(2回目赤)から原因(1回目赤)をさかのぼる』条件付き確率だ。分子は『両方赤』、分母は『2回目赤』。分母を(2)で求めた に取りかえるのがポイント。

発展 — 一歩先へ。 「何回目に引いても確率は同じ」は、くじ引きの公平性として次の問題でも主役になる。玉やくじを1列に並べて「位置の対等さ」で見る目は、計算を大幅に省く技術だ。

(3)のような「結果から原因をさかのぼる」条件付き確率は、ベイズの定理として応用問題で本格化する。検査と病気、迷惑メールの判定など、現実の推論の数学的な骨格である。

(1) (2) (3)

別解

(3)は、対称性で一撃で出す見方がある。

「2回目が赤」と分かったとする。このとき1回目に引いた玉は、残りの7個(赤4個、白3個)のどれかであり、しかもどの玉も同じ確からしさで1回目に来る(玉の立場はすべて対等だからだ)。

だから、1回目が赤である条件付き確率は

定義式 で計算した値と一致する。

「1個抜けた世界で残りは対等」という見方は、時間の順序(1回目→2回目)と確率の条件の向き(2回目→1回目)が逆でも使えるところが面白い。条件付き確率は時間をさかのぼれる、という感覚の入り口だ。

ポイント

  • 非復元の2回目は、1回目で場合分けして足す
  • 取り出す順番によらず、各回の確率は同じ(公平)
  • 条件付き確率 、分母を条件 にする

よくある間違い

  • (2)で1回目が白の場合を忘れ、 だけで答える
  • (3)で分母をもとの全体にしてしまい、「2回目が赤」という条件を使えない
  • (2)の答えが(1)と同じになったのを計算ミスと思い込む(公平性から当然の結果)