数学A / 確率
ちょうど半分が表になる確率の漸近(二項係数とウォリスの融合)
問題
硬貨を 回投げるとき、表がちょうど 回出る確率を とする。
(1) を確かめ、 を示せ。
(2) を求めよ。
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は の積。この積は と結びつく(ウォリス)。積分の大きさが 程度だと分かれば、 の極限が出る。
解答・解説
方針
(1) 二項係数を階乗で書いて連比を作る。(2) を積の形に開き、ウォリスの積分 の大きさの評価に橋渡しする。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 自体は に近づく。だが「 を掛けて極限をとれ」という問い方から、 は 程度の大きさだと予想がつく。
定数 を決めるには、 を分数の積の形に開くのが第一歩。この積はウォリスの積分 とぴったり結びつく。
積分側は部分積分の漸化式から大きさが評価できる。離散の確率を、連続の積分で測るのがこの問題の急所だ。
① 積の形と漸化式。 二項係数を階乗で書くと よって 、すなわち 。
② ウォリスの積分に橋渡し。 とおくと、部分積分の漸化式 から
③ の大きさを評価して極限。 で だから は減少列で 。 で割ると となり、はさみうちで 。よって 、すなわち 。 とすると 。②とあわせて
まとめ 中心二項確率 は積に開いてウォリスの積分 に橋渡しし、 の評価で大きさが分かる。。確率(二項係数)・積分(ウォリス)・極限の高度な融合。
発展 — 一歩先へ。 は、二項分布を正規分布で近似したときの“山の頂上の高さ”に他ならない(標準偏差 の正規分布の頂上は )。ウォリスの積分は、正規分布の計算と根っこでつながっている。
。ウォリスの積分 と から 。
別解
別解 — 単調な2つの列ではさんで、収束を先に確定する(得意な人向けの高い視点)。 漸化式 から、 の増減を直接調べられる。
なので は増加する。同様に は、比が だから減少する。
増加列 は減少列 より小さいまま進むので、上に有界で収束。差 より両者の極限は同じ値 で、 の存在が積分なしで先に確定する。
その値 を教えてくれるのがウォリスの積分(本解)である。収束の“存在”は単調性で、“値”は積分で、と役割分担する見方だ。
ポイント
- の積を、ウォリスの積分 に橋渡しする。
- と から 。
- より 。
よくある間違い
- だから答えも 、としてしまう( 倍という拡大鏡で見るのがこの問題)。
- が減少列であることから をはさみうちで示す段を飛ばし、 を根拠なしに使う。
- 一定の量 を作らず、 を漸化式で個別に追いかけて式が伸びるだけで終わる。