数学A / 確率
反復試行の確率(コイン)
問題
表と裏が等しい確率で出るコインを5回投げる。表がちょうど3回出る確率を求めよ。
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『5回中ちょうど3回表』。どの3回で表が出るかの選び方に、表・裏それぞれの確率をかける。表も裏も確率が同じなのが計算を軽くする。
解答・解説
方針
コイン投げも反復試行の代表だ。表が出る確率 、裏も 。
5回のうちどの3回で表が出るかが 通りある。反復試行の公式に当てはめて計算する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 コイン 回、表がちょうど 回 — 前問と同じ反復試行だ。
ただしコインは表も裏も確率 で対等なので、式がぐっと簡単になる。
成功と失敗の確率が同じなので、掛け算の部分が にまとまる。
つまり、表裏の並び 通りは、どれも同じ確率 である。あとは「表が 回の並びが何通りあるか」を数えるだけ — 通り。
確率が等しいときは、場合の数の問題に戻る。
表を『成功』とすると 。5回中ちょうど3回表が出る確率は、反復試行の公式より
表・裏とも確率が なので、 とまとまる。 だから
まとめ:表裏が同じ確率のときは、全部で 通りのうち『表が3回』の並びが 通り、と考えて としても同じだ。反復試行の公式は、この『場合の数 ÷ 全体』を、一般の確率 に広げたものだと思えばよい。
発展 — 一歩先へ。 コインを投げる回数を増やすと、分布の山はどうなるか。
なら 。 なら — 中央が高く、両端が低い、なめらかな山になっていく。
を大きくしていくと、この山は釣鐘型の曲線(正規分布)に限りなく近づく。これが中心極限定理だ。 回のコイン投げは「表か裏か」という無味乾燥な 択なのに、 回足し合わせると、美しい釣鐘が立ち上がる。
そして、山はどんどん細くなる。 なら、表の回数が 〜 に入る確率は を超える(割合で言えば 〜)。 なら、割合が 〜 に入る確率が 以上。回数を増やすほど、実際の割合は理論値 に張りついていく — これが大数の法則である。
「たくさん試せば、確率どおりになる」 — 保険会社が成り立つのも、カジノが儲かるのも、世論調査が当たるのも、すべてこの法則のおかげだ。 回のコイン投げは予測できないのに、 万回の集計は驚くほど正確に予測できる。偶然の中から、必然が立ち上がってくるのである。
別解
コインは表裏が対等だから、 通りを全部数えることができる。パスカルの三角形を使えば、書き出さずとも分布が丸ごと手に入る。
表の出る回数ごとに、並びの数を数える。 表を 、裏を として、 回ぶんの並びを分類しよう。
| 表の回数 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 並びの数 |
合計は ✓ — 全事象とぴったり一致する。
この は、パスカルの三角形の 段目だ。書き出さなくても、三角形を 段作れば読み取れる。
表が 回の並びは 通りだから
確率が等しいときは、「確率の計算」が「数え上げ」に戻る — これがこのルートの気持ちよさだ。
表から読める、もう つの事実。 分布が左右対称になっている()。当然だ — コインには表裏の区別しかなく、どちらも なのだから、「表 回」と「裏 回( 表 回)」の確率は同じでなければおかしい。
組合せの対称性 が、確率の対称性として現れている。
そしてもう つ。 回投げたとき、いちばん出やすいのは「表 回」か「表 回」で、どちらも 。 ちょうど半々の 回は存在しないので、山の頂上が つに割れているのだ。「表がちょうど半分」が最頻値になるという素直な事実が、 回という奇数のせいで少しひねられている — 分布を見ないと気づけない機微である。
ポイント
- コイン投げは の反復試行
- 表裏が同じ確率なら とも書ける
- は「どの3回で表が出るか」の選び方
よくある間違い
- をかけ忘れて とする
- 「ちょうど3回」を「3回以上」と読み違える
- を と取り違える(どの3回が表かを選ぶだけなので組合せ)