数学A / 確率

当たりを引くまでの回数の期待値

★★★ 応用期待値非復元

問題

当たりくじ2本、はずれくじ3本の合計5本のくじがある。当たりを1本引くまで、1本ずつくじを引き続ける(引いたくじはもとに戻さない)。引く回数の期待値を求めよ。

ヒントを見る

非復元なので、 の確率を順にかけ算で出す(当たり2本なので の最大に注意)。それぞれに回数をかけて足すと期待値。

解答・解説

方針

引く回数 は、最初の当たりが何本目に出るかで決まる。

となる確率は『最初の 本がすべてはずれ、 本目が当たり』。戻さない(非復元)ので、確率は毎回変わる。

の各確率を求めて を計算する。はずれは3本しかないので、遅くとも4本目までには必ず当たる()。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 回数 の期待値を出すには、まず の確率がいる。

は「最初の 本が全部はずれ、 本目が当たり」だ。これを乗法定理で順に作り、表にする。有限本のくじだから、場合は つで尽きる。

「確率分布の表を完成させてから期待値」。この手順を崩さないことが、確実さにつながる。

引く回数 は、最初の当たりが出る場所だ。戻さないので、確率を順に計算する。

(はずれは3本しかないので、4本目までには必ず当たりが出る。 はありえない。)確率の合計は で、ちゃんと確率になっている。

期待値は

まとめ:期待値がちょうど2回になるのは、偶然ではない。当たり 本を含む 本のくじで、最初の当たりまでの回数の期待値は という公式があり、ここでは と合う。戻さないときは、確率が毎回変わることをていねいに追うのがポイントだ。

発展 — 一歩先へ。 もし引いたくじを毎回もとに戻すと、当たりの確率は毎回 で一定になり、初めて当たるまでの回数は幾何分布になる。その期待値は 回だ。

戻さない今回は 回で、戻すより少ない。当たりを引かない限りはずれが減っていくので、後半ほど当たりやすくなり、早く当たるからだ。

一般に、当たり 本・全 本なら、戻さないとき期待値は 、戻すとき より、前者のほうがつねに小さい(か等しい)。

2回

別解

別解 — 「はずれ 本ずつ」に注目する(得意な人向けの対称性の視点)。 くじ 本を無作為に 列に並べ、左から引くと考える。引く回数 は、最初の当たりの位置だ。

を「(最初の当たりより前にあるはずれの本数)」と書く。そこで、はずれ 本ずつに注目する。

あるはずれ 本と、当たり 本の計 本だけを見る。この 本の並び順で、そのはずれが「 本の当たりより前」に来る確率は、どれが先頭かが等確率だから

はずれは 本ある。最初の当たりより前に来るはずれの本数の期待値は 。よって

分布の表を作らなくても、はずれ 本ごとの寄与を足すだけで期待値が出る。本解と同じ答えになる。

ポイント

  • 戻さないときは、確率が毎回変わる(分母・当たり数を減らす)
  • は『 本はずれ、 本目当たり』
  • 確率の合計が1になることで確認(最初の当たりまでの期待値 )

よくある間違い

  • 各回の当たる確率を で一定として、戻さないのに毎回同じ確率で計算する。
  • まであると誤る(はずれは 本なので遅くとも 本目で当たり、)。
  • 本目に当たりを引く因子を落とし、はずれが続く確率だけを答えにする。