数学A / 確率

2個のサイコロの最大値の期待値

★★★ 応用期待値

問題

大小2個のサイコロを同時に投げ、出た2つの目のうち大きいほう(同じ目のときはその値)を とする。 の期待値を求めよ。

ヒントを見る

『最大値がちょうど 』を直接数えるより、『最大値が 以下』(=2つとも 以下)から『 以下』を引くと出る。各 の確率を出して期待値へ。

解答・解説

方針

期待値を求めるには、 の確率が必要だ。

最大値が になる確率を数えるとき、『最大値 = 』を『2つとも 以下』『2つとも 以下』と、引き算でとらえると数えやすい。

この『以下の差』のやり方は、最大値・最小値の確率を求めるときの定番だ。各 の確率を求めて を計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「最大値 」は直接数えにくい。だが「全部 以下」なら、各サイコロが独立で一発だ。

そこで「ちょうど 」を、「 以下」から「 以下」を引いた差でとらえる。

累積(以下)を部品にして、差分で欲しい確率を作る。この数え方の設計が発想の核だ。

重要最大値の確率:(「以下」の差でとらえる)

最大値 となる場合の数を求める。『』は、『2つとも 以下(最大が を超えない)』から『2つとも 以下(最大が に届かない)』を除いたものだ。

だから ()。実際、 となり、合計は で、ちゃんと確率になっている。

期待値は

まとめ: だ。1個の目の期待値 より大きいのは、2つのうち大きいほうをとっているので当然。『最大値 = (以下)の差』という数え方が、この種の問題の突破口になる。

発展 — 一歩先へ。 最小値 (小さいほうの目)の期待値も、同じ道具で出せる。ただし対称性を使うと一瞬だ。

各サイコロの目 に置きかえると、大小がそっくり入れかわる。この置きかえで最大値と最小値が入れかわるから、

になるのは、 がつねに成り立つからだ。両辺の期待値をとれば となる。

別解

別解 — 最大値を「和と差」で書き直す(得意な人向けの恒等式の視点)。 の大きいほうは、次の恒等式で書ける。

(和の半分が中点、差の絶対値の半分が中点から端までの距離、と見ればよい。)期待値は和ごとに分けられるから

個のサイコロの目の期待値は 。差の絶対値 通りを数えて

よって

最大値の分布 を作らずに、目の平均と「差の平均」だけで期待値が出る。本解と同じ答えだ。

ポイント

  • 最大値の確率は『 以下』 以下』の差でとらえる
  • 確率の合計が1になることで、確認できる

よくある間違い

  • 「最大値 」を「少なくとも一方が 」と数え、両方が の場合を重複させる。
  • 以下」を 個ぶんの で計算し、 個ぶんの 乗にし忘れる。
  • 期待値を で重みづけせず、目の値 から を単純平均して にする。