数学A / 場合の数
指定の点を通る最短経路
問題
横に4区画、縦に3区画の格子状の道路がある。左下の A から右上の B まで、右または上にだけ進んで最短で行く。途中の交差点 P(A から右へ2区画、上へ1区画進んだ点)を必ず通る経路は何通りあるか。
ヒントを見る
『 を必ず通る』は、経路を と の2区間に分けて考える。各区間の最短経路数を求めてかける。
解答・解説
方針
「指定の点 P を通る」経路は、A→P と P→B の2つに分けて考える。
それぞれの区間の経路数を求めて、かけ合わせればよい。P で必ず1回通るので、前半の道と後半の道を自由に組み合わせられるからだ。
各区間は、ふつうの最短経路(同じものを含む順列)として数える。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「指定の点 P を通る」経路は、A→P と P→B の2つの区間に分けて考える。
どの経路も P を必ず1回だけ通るから、前半の道と後半の道は自由に組み合わせられる。だから区間ごとの経路数の掛け算になる。
各区間は、ふつうの最短経路として数える。右への移動と上への移動の並べ方、つまり同じものを含む順列だ。
P を通る経路は「A から P へ行き、続けて P から B へ行く」経路だ。だから2区間の経路数をかけ合わせて求める。
A → P: 右へ2区画、上へ1区画進むので
P → B: 残りは右へ2区画、上へ2区画進むので
前半3通りのそれぞれに対して後半6通りが選べるので、かけ算して
まとめ:「点を通る」をかけ算に分けられるのは、P で必ず1回通り、前半と後半を別々に選べるからだ。逆に「点 P を通らない」経路がほしいなら、全経路 からこの18を引いて17通り、と裏返して求められる。
発展 — 一歩先へ。 全経路は 通りで、P を通るのはそのうち 通り。この比 は、「でたらめに最短経路を選んだとき P を通る確率」として、確率の単元でそのまま再登場する。
書き込み法の数の並びはパスカルの三角形で、組合せの数 の足し算の関係()を目で見ていることになる。
18通り
別解
図に数を書き込む「足し算ルート」も、確実で分かりやすい。
各交差点に「A からそこまで行く経路の数」を書き込んでいく。どの交差点へも、左か下からしか来られないので、「左の数+下の数」を書けばよい。
A の行(下端)と列(左端)はすべて 。あとは足し算を繰り返すだけで、P には が入る。
P を通る経路だけを数えたいので、次は P を新しい出発点( に を置いたまま)にして、同じ足し算を B まで続ける。B に入る数が答えの になる。
計算式を立てずに機械的な足し算だけで進むので、途中に通行止めや複数の指定点がある複雑な問題ほど、この書き込み法が強い。書き込まれる数の並びは、実はパスカルの三角形そのものだ。
ポイント
- 指定の点を通る経路 = (前半の経路数) × (後半の経路数)
- 各区間の右・上の区画数を正しく読み取る
- 「点を通らない」は 全経路 − 通る経路(裏返して数える)
よくある間違い
- A→P と P→B の区画数を数え間違える
- 2区間の経路数を足してしまう(前半と後半の組合せなので掛け算)
- 「P を通らない」問題と混同する(通らないなら全体から引く。通るなら区間の積)