数学A / 場合の数
部屋割り(重複順列と空室の条件)
問題
5人を、区別できる3つの部屋 A, B, C に入れる。
(1) 空室があってもよいとき、入れ方は何通りか。
(2) どの部屋にも少なくとも1人が入るとき、入れ方は何通りか。
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(1)各人が独立に3部屋から選ぶ(重複順列)。(2)『どの部屋も空でない』は直接数えにくい — 全体から『少なくとも1部屋が空』を引く(空く部屋の選び方で足し引き=包除)。
解答・解説
方針
(1)は「各人が3部屋から1つ選ぶ」重複順列で、 とすぐ出る。
(2)の「空室なし」は正面から数えると場合が多くて大変だ。そこで裏返して、全体から「空き部屋ができてしまう」場合を引く。
このとき、2部屋が空く場合を引き過ぎてしまうので、あとで足し戻す。この「引く→引き過ぎを足し戻す」がポイントだ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)は「各人が3部屋から1つ選ぶ」だけ。5人が独立に選ぶから 通り(重複順列)。
(2)の「空室なし」は、正面から数えると場合が多くて大変だ。そこで裏返す。全体から「空き部屋ができる」場合を引く。
ただし「A が空く」と「B が空く」を単純に引くと、2部屋空く場合を引き過ぎる。あとで足し戻す。この「引く → 引き過ぎを足し戻す」が肝である。
(1) 5人それぞれが、3つの部屋から自由に1つ選ぶ。各人3通りなので、かけ合わせて
(2) 「どの部屋にも1人以上」を最初から数えるのは大変なので、裏返して数える。全体243通りから、「空き部屋ができる」入れ方を引く。
まず「特定の1部屋を使わない(残り2部屋に全員入れる)」入れ方は 通り。空にする部屋の選び方が 通りあるので、いったん を引く。
でもこれでは、「2部屋が同時に空く(全員が1部屋に集まる)」場合を2回引いてしまっている。この場合は 通りで、空にする2部屋の選び方が 通り。引き過ぎた分を足し戻す。
まとめ:「引く→引き過ぎを足し戻す」という流れは、3つの集合の個数定理とまったく同じだ。数える対象が「倍数」から「部屋割り」に変わっただけで、道具は同じだ。
発展 — 一歩先へ。 「どの部屋にも1人以上」は、数学の言葉では「5人から3部屋への割り当てで、全部屋が使われる」対応の個数だ。この型の数は、部屋数が増えると包除原理の一般形(足す・引くを交互に繰り返す)で数える。
包除ルートと内訳ルートの答えの一致は、強力な検算になる。数え上げでは「別の道で同じ答え」がいちばんの安心材料だ。
(1) 243通り (2) 150通り
別解
(2)は、人数の内訳で場合分けして直接数えることもできる。空室なしで5人を3部屋に入れる内訳は、 型と 型の2つしかない。
型: 3人組になる人を選び()、その組の部屋を選び( 通り)、残り2人を残り2部屋へ()。 通り。
型: 2人・2人・1人に分ける方法は 通り(同じ人数の2組の入れ替えで割る)。できた3つの組を3部屋へ割り当てて 。 通り。
合わせて 通り。包除ルートと一致する。
ちなみに定番の誤答「先に1人ずつ配ってから残りを自由に」()は、同じ入れ方を何度も数えてしまう。直接ルートで内訳を固定すると、その重複が起きない理由も見えてくる。
ポイント
- 空室ありの部屋割りは重複順列
- 空室なしは裏返して
- 引き過ぎ(2部屋空く)を足し戻すのがポイント
よくある間違い
- (1)を と、底と指数を取り違える(底=部屋数3、指数=人数5)
- (2)で足し戻しを忘れ としてしまう
- 「各部屋に先に1人ずつ配り、残りを自由に」と数えて大幅な重複を生む(定番の誤答で540通りになる)