数学A / 場合の数

組合せ nCr

★ 基礎組合せ

問題

8人の生徒の中から、掃除当番を3人選ぶ。3人に役割の区別はない。選び方は何通りあるか。

ヒントを見る

役の区別がない=選ぶ順番は関係ない。だから順列ではなく組合せ。 人から 人を『選ぶだけ』の数を考えよう。

解答・解説

方針

この問題は、委員長・副委員長…のような役の区別がなく、「ただ3人を選ぶ」だけだ。

このときは、選ぶ順番は関係ない。たとえばAさん・Bさん・Cさんの3人を選ぶのに、どの順で選んでも、できあがる3人組は同じだからだ。

順番を区別しないこういう選び方を組合せといい、 で計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 人に役割の区別はない」— この一言が組合せを指名している。

を選ぶのも を選ぶのも、同じ 人組。順番は関係ない。

もし順番をつけて数えると(順列)、 人組 つを 回も数えてしまう。だから で割って 回にする

分母は ではなく ここを間違えないこと。

「選ぶだけか、並べるまでか」 — 問題文にその答えは必ず書いてある。

公式組合せ (選ぶだけ=順番は関係ない)

3人に役の区別がないので、選ぶ順番は関係ない。こういうときは組合せ を使う。

分母の で割る意味を確かめておこう。もし役を区別して並べるなら 通り。でも同じ3人組は、並べ方が 通りあって、その6通りが全部ダブって数えられている。この順番の違いを消すために6で割る。

まとめ:「順番を区別すれば順列、区別しなければ組合せ( で割る)」。この対応が、場合の数の背骨になる。

発展 — 一歩先へ。 組合せの数 は、数IIで学ぶ二項定理の係数として再登場する。

なぜ組合せが出てくるのか。 を展開するとき、 個の からどの 個で を選ぶかを決めれば、 の項が つできる。その選び方は 通り — だから の係数は になる。

「展開の係数」と「選び方の数」が同じものだと分かると、代数と数え上げが一本につながる。だから 二項係数とも呼ばれる。

パスカルの三角形の各段が の係数になっているのも、この対応の帰結だ。 の係数そのものである。

数える(組合せ)・展開する(代数)・足し上げる(パスカル) つの顔を持つ数が、高校数学のあちこちで待ち構えている。

56通り

別解

組合せの計算には、割り算をまったく使わない道がある。特定の 人に注目して、入るか入らないかで場合分けするやり方だ。

さん 人に注目する。 掃除当番の 人組は、次の 種類しかない。

(i) が当番に入る場合。 はもう決まったので、残り 人から を選べばよい。

(ii) が当番に入らない場合。 を除いた 人から を選ぶ。

この つに重なりはなく、これで全部である( は入るか入らないかのどちらか)。だから足す。

本解と一致した ✓。

この関係を式にすると

一般に

これがパスカルの法則だ。上の段の隣り合う 数を足すと、下の段の数になる — パスカルの三角形が、まさにこの式で組み上がっている。

掛け算も割り算も使わず、足し算だけで組合せの値が出る — 手計算でも、コンピュータでも(桁あふれしにくいので)重宝する方法である。

もう つ、計算を楽にする性質。

人から当番 人を選ぶ」ことは、「 人から居残らない 人を選ぶ」ことと同じ — 選ぶ側を数えても、選ばれない側を数えても、通り数は変わらない。だから

たとえば を計算するとき、まともにやると大変だが、 と読みかえれば一瞬だ。大きいほうの が出てきたら、ひっくり返す — 実戦で効く小技である。

ポイント

  • 順番を区別しない選び方は組合せ
  • 分母の は「同じ組の並べ替えのダブり」を割り落とすもの
  • 役があるか(順列)ないか(組合せ)で見分ける

よくある間違い

  • 順列 のまま答えてしまう( で割り忘れ)
  • 分母を だけにする( で割るのが正しい)
  • 分子を 全部にしてしまう(使うのは の3個ぶん)