数学A / 場合の数
組合せ nCr
問題
8人の生徒の中から、掃除当番を3人選ぶ。3人に役割の区別はない。選び方は何通りあるか。
ヒントを見る
役の区別がない=選ぶ順番は関係ない。だから順列ではなく組合せ。 人から 人を『選ぶだけ』の数を考えよう。
解答・解説
方針
この問題は、委員長・副委員長…のような役の区別がなく、「ただ3人を選ぶ」だけだ。
このときは、選ぶ順番は関係ない。たとえばAさん・Bさん・Cさんの3人を選ぶのに、どの順で選んでも、できあがる3人組は同じだからだ。
順番を区別しないこういう選び方を組合せといい、 で計算する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 人に役割の区別はない」— この一言が組合せを指名している。
を選ぶのも を選ぶのも、同じ 人組。順番は関係ない。
もし順番をつけて数えると(順列)、 人組 つを 回も数えてしまう。だから で割って 回にする。
分母は ではなく 。 ここを間違えないこと。
「選ぶだけか、並べるまでか」 — 問題文にその答えは必ず書いてある。
3人に役の区別がないので、選ぶ順番は関係ない。こういうときは組合せ を使う。
分母の で割る意味を確かめておこう。もし役を区別して並べるなら 通り。でも同じ3人組は、並べ方が 通りあって、その6通りが全部ダブって数えられている。この順番の違いを消すために6で割る。
まとめ:「順番を区別すれば順列、区別しなければ組合せ( で割る)」。この対応が、場合の数の背骨になる。
発展 — 一歩先へ。 組合せの数 は、数IIで学ぶ二項定理の係数として再登場する。
なぜ組合せが出てくるのか。 を展開するとき、 個の からどの 個で を選ぶかを決めれば、 の項が つできる。その選び方は 通り — だから の係数は になる。
「展開の係数」と「選び方の数」が同じものだと分かると、代数と数え上げが一本につながる。だから は二項係数とも呼ばれる。
パスカルの三角形の各段が の係数になっているのも、この対応の帰結だ。 は の係数そのものである。
数える(組合せ)・展開する(代数)・足し上げる(パスカル) — つの顔を持つ数が、高校数学のあちこちで待ち構えている。
56通り
別解
組合せの計算には、割り算をまったく使わない道がある。特定の 人に注目して、入るか入らないかで場合分けするやり方だ。
さん 人に注目する。 掃除当番の 人組は、次の 種類しかない。
(i) が当番に入る場合。 はもう決まったので、残り 人から 人を選べばよい。
(ii) が当番に入らない場合。 を除いた 人から 人を選ぶ。
この つに重なりはなく、これで全部である( は入るか入らないかのどちらか)。だから足す。
本解と一致した ✓。
この関係を式にすると
一般に
これがパスカルの法則だ。上の段の隣り合う 数を足すと、下の段の数になる — パスカルの三角形が、まさにこの式で組み上がっている。
掛け算も割り算も使わず、足し算だけで組合せの値が出る — 手計算でも、コンピュータでも(桁あふれしにくいので)重宝する方法である。
もう つ、計算を楽にする性質。
「 人から当番 人を選ぶ」ことは、「 人から居残らない 人を選ぶ」ことと同じ — 選ぶ側を数えても、選ばれない側を数えても、通り数は変わらない。だから 。
たとえば を計算するとき、まともにやると大変だが、 と読みかえれば一瞬だ。大きいほうの が出てきたら、ひっくり返す — 実戦で効く小技である。
ポイント
- 順番を区別しない選び方は組合せ
- 分母の は「同じ組の並べ替えのダブり」を割り落とすもの
- 役があるか(順列)ないか(組合せ)で見分ける
よくある間違い
- 順列 のまま答えてしまう( で割り忘れ)
- 分母を だけにする( で割るのが正しい)
- 分子を 全部にしてしまう(使うのは の3個ぶん)