数学A / 場合の数

同じものを含む順列

★ 基礎同じものを含む順列

問題

A, A, A, B, B, C の6文字を1列に並べる。並べ方は全部で何通りあるか。

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全部が異なるなら 通りだが、同じ文字( が3個、 が2個)は並べ替えても区別がつかない。その重複分で割ると本当の並べ方が出る。

解答・解説

方針

この問題では、同じ文字が混じっているのがポイントだ。Aが3個、Bが2個ある。

もし6文字が全部違えば 通り。でも、同じAどうしを入れ替えても見た目は変わらない。だから、そのぶんダブって数えている。

このダブりを、同じ文字の並べ替えの数で割って消す。これが「同じものを含む順列」の考え方だ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文字を並べるだけなら 通り。しかし つ、同じ文字だ。

つの にこっそり番号をつけて と区別すれば 通り。でも番号を消すと、 の並べ替え 通りは全部同じ見た目になる。

つまり は、同じ並びを 回ずつ数えている。だから割る。

分母は足し算ではなく掛け算( で割るのは誤り)。 の重複と の重複は独立に起きているので、重複の総数は積になるからだ。

公式同じものを含む順列:(同じもの 個・ 個…のダブりで割る)

6文字が全部違うなら 通り。でも実際はAが3個、Bが2個ある。

AAABBCA×3B×2
同じ文字のダブりで割る:6! ÷ (3! × 2!)

同じAどうしや、同じBどうしを入れ替えても並びは変わらない。そのぶん、同じ並びを何回もダブって数えている。

Aの3個の並べ替え 通り、Bの2個の並べ替え 通りが、それぞれ同じ並びを表す。だからこれらで割る。

Cは1個なので で割ることになり、影響しない(書かなくてよい)。分母は「同じ文字ごとに、その個数の階乗をかけ合わせたもの」だ。A用の 、B用の をかける。

まとめ:別の見方もできる。6か所のうちAを置く3か所を選び()、残り3か所からBを置く2か所を選ぶ()、最後の1か所にCを置く、と考えても で同じになる。

発展 — 一歩先へ。 という数は多項係数と呼ばれ、二項係数 の自然な拡張になっている(グループが つなら二項、 つ以上なら多項)。

これは を展開したときの の係数でもある。 個の から、どの 個で を、どの 個で を選ぶか — 文字の並べ方と、展開の係数が同じ数なのだ。実際、その係数はぴったり になる。

日常の言葉で言えば、この数は「 個のものを、 個・ 個・ 個の名前つきグループに分ける方法の数」である。トランプを配る、チームを分ける、荷物を仕分ける — 現実の分配問題は、たいていこの形をしている。

なお「 人を 人・ 人・ 人の名前のない組に分ける」なら話が変わる。組に区別がないと、さらに割る必要が出てくる場合があるからだ(同じ人数の組が複数あるとき)。「区別があるか、ないか」— 場合の数は、最後までこの問いに尽きる。

60通り

別解

割り算を使わず、「どの場所に置くか」を選んでいくやり方がある。こちらのほうが、じつは直感的かもしれない。

発想の転換。 「文字を並べる」のではなく、 つの席のうち、どの席に を座らせるか」を選ぶと考える。

手順1: 席から、 席を選ぶ。

つとも同じ文字だから、どの がどこか、は気にしなくてよい。ただ「 席を選ぶ」だけ。

手順2: 残り 席から、 席を選ぶ。

手順3: は、残った 席に入るしかない。

掛け合わせる。

割り算を 度も使わずに、同じ にたどり着いた ✓。

この方法の何がいいか。 「同じものだから割る」という引け目のある操作が消える。同じ文字はもともと区別しないまま、席だけを選んでいるからだ。「 通りを一度作ってから、重複を割って消す」より、「最初から重複を作らない」ほうが気持ちがいい。

そして、この見方は次の問題(最短経路)に直結する。 「右へ 回・上へ 回、合わせて 回の移動のうち、どの 回を『上』にするか」— まさに席選びそのものだ。

同じものを含む順列は、じつは組合せだった。 一般に

「割り算の式」と「選び方の積」は同じものである。どちらで計算してもよいが、意味が見えるのは後者だ。

ポイント

  • 同じものを含む順列
  • 同じ文字どうしの並べ替えのダブりを割り落とす
  • 「置く場所を選ぶ」組合せの積 でも同じ答えになる

よくある間違い

  • のまま答える(同じ文字のダブりを割っていない)
  • 分母を とたし算にしてしまう(正しくはかけ算 )
  • が1個だから を書き忘れる(値は1なので影響はないが、式の意味を見失う)