数学A / 場合の数

重複順列

★ 基礎重複順列

問題

A, B, C の3人が、それぞれ赤・青・黄・緑の4色のカードから好きな色を1枚選ぶ。同じ色を何人が選んでもよい。色の選び方は全部で何通りあるか。

ヒントを見る

同じ色を何人が選んでもよい=前の人の選択に左右されない。 それぞれが独立に 通り — 各自の数をかける。

解答・解説

方針

この問題のポイントは、「同じ色を何人が選んでもよい」という一文だ。

順列では、1人選ぶたびに残りが減った。でもここでは減らない。Aが赤を選んでも、Bはまた赤を選べる。

つまり、A・B・Cのそれぞれが、いつも4色から自由に選べる。だから4通りずつを人数分かける。こういうのを重複順列という。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 順列との違いは、たった 行の条件だ。

「同じ色を何人が選んでもよい」 — つまり、 が赤を選んでも、 の選択肢は減らない

だから順列のように とはならない。

  • : 通り
  • : が何を選ぼうと 通り
  • : やはり 通り

選択肢が減らないので、同じ数を掛け続ける — これが重複順列だ。

で迷ったら、こう考える。 通りの選択が、 回起こる」。だから 回掛ける。下(底)が選択肢の数、肩(指数)が選ぶ回数である。

公式重複順列: 通りから重複を許して 回選ぶと 通り

「同じ色を何人が選んでもよい」ので、誰かが色を選んでも、次の人はまた4色から選べる。選択肢は減らない。

だからA・B・Cはそれぞれ4通りずつ自由に選べる。かけ算して

これは4個から3個を選ぶ重複順列だ。順列 とは違って、かける数が減らない。選んでも選択肢が元に戻る(同じ色をまた選べる)からだ。

「選択肢が毎回元に戻るか、1つずつ減るか」を見分けるのが、重複順列と順列の分かれ道になる。

まとめ:式の形は「(選択肢の数)の(選ぶ回数)乗」で 。どちらが色の数(4)で、どちらが人数(3)か、意味に戻って確かめよう。

発展 — 一歩先へ。 重複順列 の指数関数的な増え方は、想像を超えて速い。

色・ 人なら 通りだが、 色・ 人なら 万通りを超える。人が 人増えるたびに、場合の数は 倍になるからだ。

この爆発は、暗証番号の強さの根拠でもある。 桁の数字の暗証番号は 通り。桁を つ増やして 桁にすれば 万通り — 桁で 倍安全になる。パスワードに英大小文字と記号を混ぜて選択肢を 通りに増やせば、 文字で 通りになる。

「長さを足すと、場合の数は掛け算で増える」 — 足し算的な努力が、掛け算的な効果を生む。これが指数の力だ。

逆に言えば、総当たりで解ける問題の限界もここで決まる。 個のものの並べ方 は指数よりさらに速く増え、 — 現代のコンピュータでも全部は調べきれない。数え上げの数学は、計算機の限界と隣り合わせにある。

64通り

別解

の取り違えは、この単元で最も多い事故だ。二度と迷わないための考え方を つ渡しておく。

考え方1: 「人」を主語にして、 人ずつ配る。

さんの前に立って聞く。「何色にしますか?」— 答えは 通り。 さんにも聞く。 通り。 さんにも。 通り。

質問した回数 回(人数)。毎回の答えの数 (色数)。

「人の数だけ掛け算が並び、色の数が掛けられる数になる」 — 主語を人にすれば、迷いようがない。

考え方2: 対比して覚える。

同じ「 人と 色」でも、条件が変われば答えは変わる。

条件 数え方 答え
同じ色を何人選んでもよい
人とも違う色

「重複してよい 減らない 累乗」「重複ダメ 減る 順列」。 この対比を頭に入れておけば、問題文の「同じ色を選んでもよい」という一言が、公式を指名してくれる。

もし ならどんな問題か。 色のカードそれぞれを、 人の誰かに 枚ずつ配る」なら 通りだ。配られる側と配る側が入れかわっている。 「何が選ばれる側で、何が選ぶ側か」を取り違えると、この つが逆になる。

見分けの決定打。 つの選択が終わったとき、次の選択肢は減っているか? 減っていなければ累乗。減っていれば順列。この 問だけを自分に投げかければよい。

もっと高い視点から。 この数え方は「 人のそれぞれに 色のどれかを対応させる方法は何通りか」— つまり 個の要素から 個の要素への対応(写像)の総数を数えている。一般に 個から 個への対応は 通り。肩に乗るのは出発点の個数である。 択が 回で 、サイコロ 個の目の出方が — すべて同じ骨格をしている。

ポイント

  • 同じものを何度選んでもよい → 選択肢が減らない → 毎回同じ数をかける
  • 個から重複を許して 個 → (選択肢の数の、選ぶ回数乗)
  • 順列 (減る)との違いは「同じものを選べるか」の1点

よくある間違い

  • 順列 で計算してしまう(選択肢が減らないのに減らしている)
  • を取り違える(下=選択肢の数、肩=選ぶ回数)
  • 組合せ で計算してしまう(誰がどの色かの区別があるので組合せではない)