数学A / 場合の数
円順列
問題
6人が円形のテーブルに等間隔で座る。回転して同じ並びになるものは同じ座り方とみなす。
(1) 座り方は全部で何通りか。
(2) 特定の2人 A, B が隣り合う座り方は何通りか。
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円は回すと同じになるので、1人を固定して残りを並べると考える。(2)特定の2人が隣り合うなら、その2人を1つのかたまりにして円に並べ、中の2人の並びをかける。
解答・解説
方針
円形に並べるときは、1列に並べるときと1つだけ違う点がある。回転すると同じ並びになってしまうことだ。
たとえば6人が全員1つずつ席をずれても、円で見れば同じ並びだ。だから単純に とすると、同じ並びを何回も数えてしまう。
これを防ぐコツは、1人の席を先に固定してしまうこと。基準になる1人を決めれば、回転してもズレなくなる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 円卓では回転して重なる並びは同じものとみなす。 列に並べる 通りをそのまま答えにすると、同じ座り方を 回ずつ数えてしまう(円を 目盛りずつ回した 通りが全部同じだから)。
対処は つある。
- 割る:
- 固定する: 人の席を決めてしまう。 を「北」の席に固定すれば、もう回転の自由はない。残り 人を並べて
どちらでも同じだが、固定する考え方のほうが応用が効く。「誰か 人を基準にして、そこから見た並びを数える」— これが円順列の本質だ。
(2)も同じ発想で、 を固定してから の座れる席を考えればよい。
(1) 円で並べるときは、回転して同じになるものを1つと数えたい。そこで、まず1人の席を固定してしまう。すると、残りの5人を、固定した人から見た残りの席に並べる問題になる。
としないのは、6通りの回転がどれも同じ並びを表すからだ。だから と、数え過ぎた分を割り落とす。「1人を固定する」というのは、この割り算を先に済ませたのと同じことだ。
(2) A, Bをひもで結んで1つのかたまりにする。すると「かたまり + 残り4人」の5つを円形に並べる問題になるので 通り。さらに、かたまりの中でA, Bの並ぶ順が 通り。
まとめ:隣り合う条件は、1列のときと同じで「かたまりにして、中の並びも数える」。違うのは、かたまりにしたあとが円順列なので になる点だけだ。
発展 — 一歩先へ。 円順列は「回転で移り合うものを同じとみなす」数え方だった。では、裏返しも同じとみなしたらどうなるか。
たとえば 個のビーズで首飾りを作るとき、裏返せば時計回りと反時計回りは区別できない。このときの数え方をじゅず順列といい、円順列をさらに で割る。
「同じとみなす操作」が増えるほど、割る数が増える。 回転( 通り)で割り、さらに裏返し( 通り)で割る — この「対称性の数だけ割る」という発想は、大学で学ぶ群論(対称性の数学)の入口である。
ただし注意が必要だ。裏返して自分自身に重なる並びがあると、単純に で割るのは誤りになる(その並びは 回数えられていないから)。今回のように全員が異なる人なら問題ないが、同じ色のビーズが混じると話が変わる。
「割り算で重複を消す」ときは、"すべてがちょうど同じ回数だけ重複しているか"を必ず確かめる — 場合の数で最も注意すべき落とし穴である。
(1) 120通り (2) 48通り
別解
の席を固定するという一手だけで、(1)も(2)も暗算に近くなる。円順列の問題は、これ つで戦える。
(1) を固定して数える。
をテーブルの「 時の席」に座らせてしまう。もう回転はできない( の位置が動かないから)。
残り 人を、 から時計回りに つの席へ並べるだけ。
「」という公式の は、 人を固定したからである。丸暗記でなく、こう理解しておけば忘れない。
(2) を固定し、 の席を考える。
は 時に固定。 の隣は左隣と右隣の 席。 はこのどちらかに座る。
と の席が決まれば、残り 人を残り 席に自由に並べるだけ。
したがって
公式ルート()と同じ答えになった ✓。
固定法の利点は、 つある。
つ目: 「かたまりを作った後も円順列」という罠を踏まない。 (2)を「 をかたまりにして 個を並べる」と考えたとき、 としてしまう誤りが非常に多い。円卓なのだから、かたまりにした後も円順列で である。固定法なら、そもそもこの罠がない。
つ目: 条件が増えても素直に伸びる。 「 と が向かい合う」なら、 を固定した時点で の席は 通りに決まり、 通り。「 と が隣り合わない」なら、 の席は隣 席を除く 通りで 通り(検算: ✓)。
円順列は「誰か 人の目線に立つ」ことで、ただの順列に化ける。 回転の自由度という厄介者を、 人を釘づけにすることで消し去るのだ。
ポイント
- 円順列は1人を固定する → 人の円順列
- にしない理由: 回転して同じになる 通りを割り落とすため
- 隣り合う条件は、かたまりにして、そのあとも円順列 で数える
よくある間違い
- 円順列を としてしまう(回転して同じ分を割っていない)
- (2)でかたまりにしたあとを (1列)としてしまう(円順列なので )
- (2)で の隣を1席だけと数える(左右2席ある)