数学A / 場合の数

隣り合う・隣り合わない順列

★ 基礎順列隣り合う

問題

男子3人、女子2人の合計5人が1列に並ぶ。

(1) 女子2人が隣り合う並び方は何通りか。

(2) 女子2人が隣り合わない並び方は何通りか。

ヒントを見る

(1)隣り合う女子2人は『1つのかたまり』にまとめて並べ、あとでかたまりの中の並びをかける。(2)隣り合わないは直接数えにくい — 全体から(1)を引くのが早い。

解答・解説

方針

「隣り合う」問題には、便利なやり方がある。隣り合う2人を、ひもで結んで1人分のかたまりとして扱うことだ。

女子2人を1つのかたまりにすると、並べる人数が減って考えやすくなる。ただし、かたまりの中でも女子2人の並ぶ順があるので、それも数える。

「隣り合わない」は正面から数えにくい。そこで、全部の並べ方から「隣り合う」を引く、という裏返しの手を使う。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「隣り合う」と言われたら、 人を つのかたまりにする。これがこの型の第一手だ。

女子 人をひもで縛って 人ぶんの荷物にすれば、並べるのは「男子 女子のかたまり」の になる。その並べ方は 通り。

そして、かたまりの中でも 人が入れかわれる()。この を掛け忘れるのが最頻ミスだ。

(2)の「隣り合わない」は、直接数えると場合が散らばって数えにくい。そこで全体から「隣り合う」を引く

数えにくいほうは、反対を数えて引く。

公式隣り合う並べ方:隣り合うものを1かたまりにして並べ、かたまりの中の並べ方をかける

(1) 女子2人をひもで結んで、1つのかたまりだと思う。すると並べるものは「男子3人 + 女子のかたまり」の4つになる。この4つの並べ方は 通り。

さらに、かたまりの中で女子2人の並ぶ順が 通りある。両方かけて

かたまりの中の をかけ忘れるのが、いちばん多いミスだ。「かたまりにしたら、中の並びも数える」とセットで覚えよう。

(2) 「隣り合わない」を最初から数えようとすると、場合が多くて大変だ。そこで、全部の並べ方から「隣り合う」場合を引く。

全部の並べ方は 通り、隣り合うのは(1)の48通りだから

ABCDE1組とみて並べ、中で×2!
隣り合う2人(C,D)を1つのかたまりとして並べ、かたまりの中で並べかえる

まとめ:「隣り合わない = 全部 − 隣り合う」と裏返して数えるのがコツだ。正面から数えるのが大変なときは、反対側から数えられないか考えてみよう。

発展 — 一歩先へ。 すきま法は「 人並べたら、すきまは か所」という単純な事実の上に立っている。この (両端のぶん)を落とすかどうかが勝負の分かれ目だ。

一般化してみよう。男子 人、女子 人が誰も隣り合わないように並べるには

そしてこの式は のとき になる(すきまの数より女子が多ければ、どうやっても隣り合ってしまう)。 のような記号は定義されない — 式が「不可能」を自動的に教えてくれるわけだ。

たとえば男子 人・女子 人では、すきまは か所しかないので、女子 人を別々に入れることはできない。鳩の巣原理(巣より鳩が多ければ、どこかに 羽入る)そのものである。

数え上げの式は、単に数を出すだけでなく「そもそも可能か」まで語る。 答えが になったり、記号が定義できなくなったりしたときこそ、問題の構造が見えている瞬間だ。

(1) 48通り (2) 72通り

別解

(2)は引き算に頼らず、直接数えることもできる。「隣り合わない」を積極的に作りにいく方法で、すきま法と呼ばれる。人数が増えたときはこちらのほうが強い。

手順1: まず、じゃまにならない男子だけを並べる。

男子 人を 列に並べる。

手順2: 男子の「すきま」を数える。

男子が 人並ぶと、女子が入れる場所は男子と男子のあいだ、および両端である。

下線の場所は か所ある( 人の両側で )。

手順3: すきまに女子を入れる。

女子は別々のすきまに入れる。 そうすれば、女子どうしのあいだに必ず男子が 人以上いるので、絶対に隣り合わない

か所のすきまから か所を選び、そこに女子 人を並べる(どちらの女子がどちらのすきまか、で区別がつく)。

手順4: 掛ける。

引き算のルートと同じ答えだ ✓。

すきま法の何が強いのか。 「隣り合わない」人が 人以上になると、引き算のルートは急に難しくなる。「少なくとも 人が隣り合う」を引こうとすると、 人だけ隣り合う場合と 人固まる場合が重なって、包除原理が必要になるからだ。

一方すきま法なら、人数が増えても手順は同じ。男子 人・女子 人が隣り合わないなら、 — すきまが か所になるだけである。

「隣り合う」ならかたまり、「隣り合わない」ならすきま。 つの型をセットで覚えておくと、この手の問題はすべて片づく。そして引き算のルートと突き合わせて検算する つの道が同じ数に着けば、まず間違いない。

ポイント

  • 隣り合う → ひもで結んで1つのかたまりにする。中の並び()もかける
  • 隣り合わない → 全部から「隣り合う」を引く(裏返して数える)
  • 「かたまりを並べる数 × かたまりの中の並ぶ数」がワンセット

よくある間違い

  • (1)でかたまりの中の をかけ忘れ、 で止めてしまう
  • (2)を最初から数えようとして場合を落とす(全部から引くのが安全)
  • すきま法で、すきまの数を男子の人数と同じ3か所と数えてしまう(両端も入れて4か所)