数学A / 場合の数
0を含む数字で整数を作る
問題
0, 1, 2, 3, 4 の5個の数字から異なる3個を使って、3桁の整数を作る。
(1) 全部で何個できるか。
(2) そのうち偶数は何個できるか。
ヒントを見る
先頭(百の位)に は使えない、が最大の注意点。(1)は百の位を先に決める。(2)偶数は一の位が偶数 — ただし一の位が のときと 以外のときで、先頭に が回せるかが変わるので分けて数える。
解答・解説
方針
0が混じった数字で整数を作る問題には、1つ大事なルールがある。先頭(いちばん上の位)に0は置けない。0を置くと3桁ではなくなってしまうからだ。
そこでコツは、条件のきつい位から先に決めること。(1)では先頭(百の位)を、(2)では偶数の条件がかかる一の位を、先に決めると数えやすい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 が入っているのがこの問題の急所だ。
は百の位に置けない。 は 桁の数ではないからである。
だから制約のきついところ(百の位)から先に決める。これは数え上げの鉄則だ。
- 百の位: は使えないので の 通り
- 十の位: 百の位で使った 個を除いた残り 個( も使える)→ 通り
- 一の位: さらに 個減って 通り
(2)の偶数はもう つ条件が増える — 一の位が 。ここでも「制約のきつい一の位」から決めるが、一の位が のときとそうでないときで、百の位の自由度が変わる。だから場合分けが要る。
(1) 条件のきつい百の位から決める。百の位に0は置けないので、 の4通り。残る十の位・一の位には、まだ使っていない4個(0を含む)から2個を選んで並べるので 通り。かけ算して
(2) 偶数になるのは、一の位が のとき。ここで、一の位が0のときと、2や4のときで事情が変わる。だから場合を分ける。
一の位が0のとき: 0は一の位で使ってしまったので、百の位は残り の4通り。十の位は残り3個から3通り。 個。
一の位が2のとき: 百の位は0と2を除いた の3通り。十の位は残り3個から3通り。 個。
一の位が4のとき: 同じように 個。
この3つは同時に起きないので、たして
まとめ:一の位を0とそれ以外で分けたのは、一の位が0のときだけ、百の位が0を気にせず4通り選べるからだ。ここを分けないと数を間違える。
発展 — 一歩先へ。 この問題が教えているのは「条件のきついところから決める」という数え上げの原則だ。
なぜか。ゆるいところから決めると、後で来る「きつい条件」の選択肢数がその前の選択に依存して変わってしまい、単純なかけ算ができなくなるからである。十の位から先に決めると、そこに を入れたかどうかで百の位の候補数が変わる — 場合分けが増えるだけだ。
同じ原則は、あらゆる場面に顔を出す。
- 数独やパズルは、候補の少ないマスから埋める
- 方程式は、条件の強い式から使う
- 図形問題は、直角や等辺のある部分から攻める
自由度の低いところが、全体の形を決める。 これは数学に限らない、問題解決の一般則だろう。
なお、 を含む数字の問題では「 を使わない場合」と「 を使う場合」で分ける手もある。どのルートを通っても答えは同じだが、場合分けの数が少ないルートを選ぶ — その判断力こそが、数え上げの実力である。
(1) 48個 (2) 30個
別解
「引き算で数える」ルートを通ってみよう。数えにくいものを直接数えず、全体から要らないものを引く — 場合の数の最重要テクニックだ。
(1) 引き算で。
まず「 を先頭に置いてもよい」ことにして、 個から 個を選んで並べる。
このうち、百の位が になってしまったものを数えて引く。百の位が と決まると、残る十の位・一の位は の 個から 個を並べるので
したがって
本解と一致した。「ダメなものを数えて引く」ほうが、場合分けより楽なことが多い。
(2) 偶数も、引き算で出せる。 桁の数は偶数か奇数のどちらかだから
奇数は一の位が か のとき。ここが でないので、百の位の制約が単純になる。
- 一の位: か の 通り
- 百の位: と、一の位で使った数を除くので 通り
- 十の位: 残り 通り
よって偶数は
本解の場合分け()と一致した。
なぜ奇数のほうが数えやすいのか。 奇数では一の位が か — が絡まないので、百の位の「 禁止」を一律に処理できる(場合分けが不要)。偶数だと一の位に が来るかどうかで百の位の候補数が変わるから、場合分けが要る。
教訓。「数えにくいほう」を直接攻めない。 反対側( 余事象)が数えやすいなら、そちらを数えて引く。この発想は確率の「少なくとも つ 」の問題で、これから何度も効いてくる。
つのルートで同じ が出た — これが何よりの検算である。
ポイント
- 先頭(いちばん上の位)に0は置けない → 条件のきつい位から先に決める
- 偶数になるのは一の位が偶数(0・2・4)のとき。一の位を先に決める
- 一の位が0か、それ以外かで、百の位の選び方が変わるので場合分け
よくある間違い
- (1)で百の位に0を許して としてしまう
- (2)で一の位が0の場合と2・4の場合を分けず、一律に数えて間違える
- 制約の弱い位から先に決めてしまい、あとで百の位の候補数が分からなくなる(きつい条件から先に決める)