数学A / 場合の数

約数の個数と総和

★ 基礎約数の個数素因数分解

問題

72 について、次の問いに答えよ。

(1) 72 の正の約数は何個あるか。

(2) 72 の正の約数の総和を求めよ。

ヒントを見る

まず素因数分解する。約数は『各素因数を何個使うか』の組み合わせで決まる。『 個(使わない)』も1通りに数えるのを忘れずに。総和は、各素因数の 個〜最大個の和どうしをかけると出る。

解答・解説

方針

約数の問題は、まず素因数分解をするのが出発点だ。

と分解できると、72の約数はすべて「2を何個か、3を何個か、かけ合わせた数」として表せる。たとえば は72の約数だ。

こうして「2を何個使うか」「3を何個使うか」の選び方で約数が決まる、と考えるのがコツだ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 約数を つずつ探すのは効率が悪い。素因数分解して、約数の「作り方」から数える。

の約数とは、 を何個か・ を何個か掛け合わせたもの。 の個数は 通り、 の個数は 通り

この つを独立に選べるので、積の法則で

急所は「 個」を数え忘れないこと( 個使うのも立派な選択で、それが奇数の約数になる)。だから指数に する。

総和も同じ発想で、「 の使い方の合計」と「 の使い方の合計」を掛ける。

まず素因数分解する。

公式約数の個数: なら 個(各素因数の指数の選び方の積)

72の約数は、2を 個、3を 個かけた の形で全部表せる。 の4通り、 の3通りだ。

(1) 「2を何個使うか」の4通りと、「3を何個使うか」の3通りは、別々に選べる。だからかけ算で

指数に するのは、「0個(その素数を使わない)」という選び方を数えるためだ。ここを忘れやすい。

(2) 約数の総和は、次のかけ算を計算すると求まる。

なぜこれで総和になるかというと、このカッコを展開すると、 の形の約数が1個ずつ全部、ちょうど1回ずつ出てくるからだ。たとえば も、この展開の中に必ず現れる。

発展 — 一歩先へ。 約数の個数が奇数になるのは、どんな数のときだろうか。

上で見たように、約数は「掛けて になるペア」で作られる。だから普通は偶数個。ペアの相手が自分自身になるとき、つまり 平方数のときだけ、 個あまって奇数個になる( なら が相方なし)。

公式で見ても同じだ。 の約数の個数 が奇数 も偶数 は平方数。 つの説明が同じ結論に着く。

この事実は有名なパズルの答えにもなっている。「 個のロッカーが閉じている。 番目の人が全部開け、 番目の人が の倍数を切り替え、 番目の人が の倍数を切り替え 番目まで終わったとき、開いているロッカーは?」— 答えは番号が平方数のロッカー( 個)。切り替えられた回数が約数の個数で、奇数回切り替わったものだけが開いているからだ。

約数の個数という素朴な量が、パズルの構造を丸ごと決めている。

(1) 12個 (2) 195

別解

全部書き出して、公式が本当に正しいことを確かめよう。 そのうえで「なぜ総和の公式があの形になるのか」の種明かしをする。

約数を小さい順に全部書く。

数えると ✓。足すと

✓ 公式の答えと一致した。

書き出すときのコツは、ペアで探すこと。 — 掛けて になる組を小さいほうから順に見つける。 を越えたので終わり。 組できたから、約数は 。この探し方なら、もれも重複も起きない。

さて、種明かし。なぜ総和が になるのか。 この積を、そのまま展開してみる。

展開して出てくる項は 個。それを計算すると

これは、さっき書き出した約数の一覧と完全に同じ集合だ(順番が違うだけ)。

つまり 「約数を全部足す」 の使い方の合計 の使い方の合計 を展開する」。展開の各項が、約数 つずつときれいに で対応しているのである。

公式は暗記事項ではない。 「約数 素因数の選び方」という つの見方から、個数()も総和()も同時に出てくる。同じ絵を、数えるか、足すかの違いだけなのだ。

なお は等比数列の和 である。指数が大きい数(たとえば )でも、等比数列の和の公式で一発だ。

ポイント

  • 約数の問題は、まず素因数分解
  • 約数の個数 (各指数に 。0個の分を数える)
  • 約数の総和

よくある間違い

  • 個数を としてしまう( を忘れ、0個の場合を落としている)
  • 総和の式で の項を書き忘れる
  • 総和を とたし算でつないでしまう(正しくはかけ算。展開が約数の一覧になる)